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マイケルの皮膚についてサーチしていると、昨年のタイラ・バンクスのトークショーに行き着いた。テーマは「肌をブリーチしてライトスキンになりたい黒人女性、自分の子供までブリーチする黒人女性たち」。
http://www.mwza.com/tyra-banks-show-black-women-their-children-bleaching-their-skin/ このトークショーのゲストとして参加している「ダークスキン」の若い黒人女性たち、彼女たちは全員、皮膚をブリーチする化粧品(薬剤)を長年使用しているという。幾人かは努力の結果、かなり皮膚が明るい色になったといい、中には幼い3人の息子にまでブリーチさせてる若い母親もいた。司会者のタイラ・バンクスは「ブリーチの薬害、ケミカルの副作用を考えないのか」と怒りを見せていたが、この母親に言わせると、たとえ男の子であろうと、社会はダークスキンのものを差別して扱うという。保育所に預けた子供たちの中でも保母さんに優しく抱かれるのはライトスキンの可愛い子の方だと言う。ダークスキンであることで、女性は異性にアトラクティブだと思われず、学校生活でもからかわれたり辛い事が多いという。 中に一人、「ライトスキンになれるなら死んでもいい」というくらい思い詰めた女性がいて、ありとあらゆるブリーチを試しても何の効果も得られず、肌が赤く腫れ上がって余計に黒くなり、絶望のあまり衣服をブリーチする漂白剤を顔に塗りたくり、皮膚がボロボロになったという。その女性は辛い心情を吐露するのも涙ながらで、「自分の気持ちを同様にダークスキンの母に知られるのが辛い」と言っていた。 その番組はさらに医学的にブリーチできるかどうかを皮膚科の医者に尋ね、その回答は、薬剤によってブリーチする方法はあるが常に副作用の危険性を伴い、一番効果のある方法は皮膚全体のインプラントだが、それももちろんパーフェクトではないと言っていた。しかし、その思い詰めた女性は何があろうとすべてを積極的に試しそうだった。 会場の大多数を占める若い黒人女性たちは、「自分のありのままを誇りに思った方がいい」「私はダークスキンだけど自分に満足してる」とありがちな立派な意見を堂々と述べていた。そして、ダークスキンのミスコン優勝者も登場し、「私は自分の生まれ持った外観を誇りに思う」と話していた。ありがちと言えばありがちな流れだった。彼女はさらにハーレムの薬局に山のように売られているスキンブリーチ用薬剤が、ミッドタウンの薬局にはほとんどないことに、ショックを受けていた。要するに、黒人女性が多く住む場所には髪をストレートにする薬剤並にスキンブリーチが必須になっているということだろう。 さて番組司会のタイラ・バンクスだが、長身細身のスーパーモデルで肌もライトスキン、鼻筋もまっすぐで髪はブロンド、ストレートだ。要するに、彼女も富にまかせて人工的に自分の全身を大改造して今に至っているわけだが、この彼女が、ダークスキンの彼女たちに意見する資格があるのかどうか、それも難しいところだった。 一重瞼の細目に生まれた日本人女性が、「自然が一番」「自分のありのままを誇りに思った方がいい」と意見されても、どうしても二重瞼にしたいとアイプチしたり整形するのと良く似てる。芸能人もモデルも白人やハーフの顔がかっこいいトレンドになっている限り、アジア人女性も黒人女性も白人の外観に近づこうとする努力は惜しまないだろう。その切実さに多少の差があるとしても。 10年ほど前にこれについてエッセイを書いたことがある。以下がその一部。 「 奴隷時代、白人との混血で肌の色の浅い、いわゆる「Mulatto」と呼ばれる者は、家内労働など奇麗な内仕事に回される事が多かったそうだ。外仕事をする「ダークスキン」の者が彼等より手酷く扱われる事が多かったのは言うまでもない。 今でさえ、「ライトスキン」に生まれるのと「ダークスキン」に生まれるのとでは、女性の場合は特に、将来性に大きな違いが出てくると思われている。現に、先年、アカデミー賞を取った女優のハル・ベリーと言い、一九八三年に黒人初のミス・アメリカを経て歌手になったバネッサ・ウイリアムズと言い、いわゆる黒人の美人女優と言われる殆どが、白人とのハーフか、白人的容貌を持った「ライトスキン」の持ち主である。「ミッション・インポッシブル2」に出ていたサンディ・ニュートンもそれにあてはまる。 八十年代に人気のあった「コスビー・ショー」のビル・コスビー氏の子供たちも、女の子たちはリサ・ボネットを始め、皆、鼻筋の通った「ライトスキン」の持ち主で、大きな鼻をした「ダークスキン」のコスビー氏とは親子にはとても見えなかった。そして、男の子役の男優だけが黒人らしい容貌で、かつ「ダークスキン」の持ち主だった。 黒人女優で「ダークスキン」で成功しているのは、コメディアンのウッピー・ゴールドバーグ、トークショー・ホストのオプラー・ウインフレーの他、大きな体をした脇役専門の女優たちだけだ。テレビの黒人女性ニュース・キャスターも「ライトスキン」が圧倒的に多い。 チョコレート色の肌よりカフェオレ色になりたいと、黒人女性たちが話しているのを聞いた事がある。黒人同志でさえ、生まれついた肌の濃さによる嫉妬や葛藤がある事を知って驚いたが、男性の目は常に「ライトスキン」の細身の女性に集まり、「ダークスキン」の女性は嫉妬せざるを得ないらしい。その他にも鼻筋の真直ぐさ、唇の薄さ、髪のストレートさ、薄い目の色等、マイケル・ジャクソンではないが、白人的な顔の特徴への憧憬はつきない。そこで化粧品会社や美容整形外科が儲かる事となる。 アフリカから来た黒人女性が漆黒の肌に誇りを持って落ち着いて見えるとしたら、アメリカの黒人女性たちは、「バービー人形」に代表される白人の持つ美的スタンダードに踊らされた被害者と言えるかもしれない。六十年代に、「Black is beautiful」というスローガンでアフロヘアが流行ったが、今時、そんな髪形の人は滅多に見ず、誰もが、当り前の様に特殊なクリームを使ってちじれた髪をストレートに伸ばしている。もちろん我々日本人も、同様に白人的な美に憧れて整形したりしているので人の事は言えないが。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月29日 12時50分48秒
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