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うちはテレビにケーブルがないので、ほとんどをパソコンでFOXライブとyoutubeで見た。感想は、ジャクソン一家の葬式として、まあこんなもんだろうかという感じだった。マイケルは世界中で人種を越えた人気者だったが、死に際しては再び黒人一家、ジャクソン家の息子に引き戻されたような印象だった。背景のスライドで見る彼の姿もジャクソン5からせいぜい20代まで、真っ白になって整形が進んだ最近のスライドはなかった。
弔文を読む人々も、歌手もほとんどが黒人。アル・シャープトン(黒人運動家)、マーチン・ルーサー・キング三世(公民権運動を闘った黒人指導者、マーチン・ルーサー・キング牧師の長男)、テキサス州の黒人女性議員、とくると、ジャクソン一家がどういう趣向をこの葬式に求めているかが分かった。マイケルは黒人であり、「人種差別と闘って黒人の地位向上に貢献したエンタテイナー」として彼を位置づけたい訳だった。アル・シャープトンという人は何かというと黒人のもめ事に昔から登場してくる、どちらかというとうさんくさい人物としてNYでは知られている。黒人と他人種の暴動など、90年代の初め頃、彼がよくテレビに出て来るのを見たが、完璧に黒人側が悪くても彼はワンサイドで一方的に他人種を責めるので事態がますますややこしくなるのだった。 歌手もスティービー・ワンダー、ライオネル・リッチー、クイーンラティーファ、ジェニファー・ハドソン、アッシャー、黒人が圧倒的に多い。若い歌手もいるが、この中でどれだけの人が最近まで彼と親交があったのかは不明だ。(10年も前にエイズで引退したマジックジョンソンなんてまだ生きていたのか!)。白人ではブルック・シールズが友人代表で弔文を涙ながらに読んでいたが、彼女は別のインタビューではマイケルと1991年のエリザベス・テイラーの挙式以来、会っていないと言っていた。20年近く友人なのに会っていないとはどういうことなんだろう。彼女の知るマイケルは70年代末から91年までということか。 マイケルが90年代半ばに亡くなっていても、彼の追悼式の内容も出演メンバーもさして変わらないような気がした。要するに、90年代半ば以降、過去15年間のマイケルの存在は、ジャクソン一家にとっても、黒人の地位向上運動団体にとっても、ほとんど無意味で言及するところもなく、その間に新たに親交を結んだ人々は一家にとって何の意味ももたないのではないだろうか。彼らが称えたいのは貧しい黒人の子だくさん一家から人種の壁を破るアイドルグループになり、スーパースターの壁を上った80年代までのマイケルで十分だったのだろう。 実際、その間、ヨーロッパやアジアではまだまだ人気はあったが、一般的にアメリカではフリーク、気味の悪い色物扱いだった。白人化して崩れていく容貌、白人の女性と結婚したり離婚したり、白人の子供を3人持つ過程も、黒人社会に対する裏切りに見えたかもしれない。亡くなった今、一家は彼をもう一度、自分たちのルーツに引き戻して葬りたいのだろうと思う。 追悼式には白人の観客が多かったが、世界中の大多数のファンにとって、マイケルが黒人であったことなど忘れかかっていた事実で、彼の音楽性は人種の壁を越えていた。ソロになってR&BからPOPに転換したのもごく自然に好きな作品を作る中で起こったことだと、彼はインタビューで答えていた。神懸かり的にどんどんメロディが沸いてくるらしい。9人も兄弟がいて、一人の人間に才能が集中した事もこの一家の悲しさかもしれない。 ここ10日ほど、youtubeでありとあらゆるマイケルの画像を見たが、私の一番好きだったのはジャクソン5の時代より、THE JACKSONS VARIETY SHOW の頃からOFF THE WALLの頃、1975年から1981年頃までのマイケルだった。15ー16歳頃から22歳くらいまでの彼の姿は本当に生き生きとして、健康的で、若さのエネルギーに満ち溢れていて見ていて飽きない。ジャクソン5の時代は確かに凄いが、幼い子供があまりにも大人のように頑張っているので見ていて辛くなる。THE JACKSONS VARIETY SHOW に見る彼は年相応に楽しんで演じているように見えた。 THE JACKSONS VARIETY SHOW1977で検索すると、タップダンスやミュージカルのシークエンスやらコメディのスキットやら、思いがけないほどのマイケルのタレントが見れて楽しかった。亡くなったアメリカ人の友人がマイケルの長年のファンで、私には理解できなかったが、「マイケルを見て育ったから」という言葉が今はよく分かる。友人のような田舎の白人の少女にとってもマイケルは十分すぎるほど魅力的な存在であったに違いない。 Wiki とかによく以下の言葉を見る。 Michael Jackson was the first black teen idol to appeal equally to white audiences. Jackson 5 were the first accepted black teen/sex idols for white teenage girls. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月09日 11時37分10秒
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