「時空を超えた音楽再現 オーディオDCアンプシステム(上、下巻)」3
前回、金田式DCアンプシリーズは1973年8月号のDCプリアンプから始まったと書きましたが、読んでいると、同月号にB級pp無帰還DCパワー・アンプの設計と製作(その2)製作編とあるのに気が付きました。で、前月号の1973年7月号の記事が最初です(?)金田式は無帰還時の利得が60dB(1000倍)近くあるアンプに40dB(100倍)の負帰還をかけて、仕上がり利得を20dB(10倍)にするのがデフォだと思い込んでいましたが、本当は違うのですね。・・アンプの音質を決定するのはアンプの無帰還特性であり負帰還特性ではない。電気的特性が等しいアンプでも無帰還特性の良いアンプに少量の負帰還をかけたアンプと比較すると、多量の負帰還によって、みかけ上の特性が良いアンプは音質が劣化している(多重負帰還による不安定さがないアンプでも)。と書いてありました。回路図を見ると、入力信号を1/11に落としています。無帰還なのでゲインが多すぎるのでしょう。出力段のダーリントン・コンプリメンタリーpp(プッシュプル)はアイドリング電流を適正に選べばクロスオーバ歪みを減らすことができる。バイポーラTr.のダーリントン回路は定電圧駆動(エミッターフォロワー)の方が歪みが少ない。2段目の差動回路の使っていない方のコレクターにも同じ負荷抵抗を入れて、動作の対称性を持たせた方が歪みが少ない。後はDCドリフト対策で、2段目の定電流動作化、多くのバリスタやダイオード、Tr.同志の熱結合をこれでもか、、と言うくらいやっています。歪みは通常試聴音量では0.1%以下をキープしています。りっぱなものです。音も良さそうですね。どうだったのでしょうか?