食塩と砂糖の浸透圧のお話
コメント欄でこんなお話があったので、ちょっと考えてみました。ーーーここから引用ーーー↓ところがこちらの歯科医さんは上記の浸透圧説の矛盾をご指摘。http://www.smile--dental.com/director/2012/03/post-13.html >ちなみにものすごーく化学知識がある方ならば、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんがこの説明には矛盾があるのです。塩水についての説明ができないのです。甘いものはしみるけど、塩水はしみないという人がいらっしゃいます。塩は同じ量の砂糖と比較した場合、浸透圧が12倍も高いのですが、なぜかしみないという人が多いのです。(塩を直接歯にすり込むとさすがにしみますが)いろいろ調べましたが、説明できる専門家はいないんじゃないかな?ーーーーここまでーーー浸透圧にはΠ=MRTという関係式があって、Πが浸透圧、Mが溶液のモル濃度、Rが気体定数、Tが絶対温度浸透圧はモル濃度と温度に比例する。ということらしい。今回はモル濃度が高いと歯がしみる?という話です。塩:塩化ナトリウム:NaClの1モル(分子が6.02×10^23個集まったもの)の質量つまり分子量は58.5なので58.5g、砂糖:ショ糖の分子量は342なので、1モルの質量は342g塩と砂糖を同じ量で比べると、342/58.5=5.8 なので塩の方が約6倍モル濃度が高い。Na++Cl-に完全電離なら2倍の約12倍高いのか?これはちょっと分からない。それにもかかわらず、塩より砂糖の方が歯にしみる人の方が多いというのは説明できない。ということらしいが、ま、そもそも同じ量(質量)で比べるという前提に無理があると思う。同じ味の濃さで比べるべきで、例えば生理的食塩水は薄味の塩加減だが、NaClは1リットルに9g入っているので、9/58.5=0.154モル/L の濃度だ。また海水中にはNaClは26.5g/L入っているので、26.5/58.5=0.453モル/L の濃度。海水を口に入れた人は多いと思うが、かなり塩辛い。一方、砂糖の方はコーラ1リットル中には113g入っているそうなので、113/342=0.330モル/L の濃度。これらを比べてみると、塩は0.154〜0.453モル/Lの濃度、砂糖は0.330モル/Lとさほど違わないように思う。この程度の濃度では塩でも砂糖でも沁みないようです。歯ぎしり、食いしばりなどの咬合性外傷があって知覚過敏になっている人に、砂糖で沁みたのは何を食べた時?と訊いてみたことがあって、それは、、、サンコー ミントガム だったそうで、噛んで唾液にガムの砂糖が溶け出して、口の中に広がった瞬間、、全部の歯が、沁みる〜〜〜、、!ってなりました。だそうですw歯髄の感覚神経の閾値が下がっている時に感じるモル濃度の値も様々なのでしょうが、沁みるにはある程度濃度が高くないといけないのでしょう。この辺りは体験者さんにコメントをいただきたいところです。