ストリップスを使わない隣接面CR1.3
40代女性、右上7、メタルインレー2次カリエス、自発痛-シェーグレン症候群で唾液が少ないだけではなく、咬合性外傷もある。クラックや歯茎部の虫歯を見れば分かる。虫歯どころか、歯牙破折しないか心配になる。要するに非常に虫歯になりやすく危険な状態だ。20年経過のインレーで、歯肉縁下の虫歯だけをCRしようと思ったが、インレー下まで2次カリエスが及んでいたので、インレーを除去してCRで再建することにした。セメントの接着性は失われていたが、歯質の方は硫酸塩還元細菌の代謝産物のFeSで守られていた。歯医者は言い出さないが、FeSはプロトンの伝導を妨げるので虫歯にならないのだ。近心の歯肉縁下の歯根面に2次カリエスができていて、これを CR充填するにしてもインレーを再度作り直すにしても、非常に難しい手技が必要になる。まずインレーは不可能で神経を取って冠を被せるということになるだろう。CR充填の方が神経を取らずに済ませることができるかもしれないが、非常に難しい。多くの歯科医師はこんなことができるのだろうか?信じられないと思う方が多いと思う。ま、現実にやっているわけだから、どうにかすればできるわけだ。若い歯科医師諸君は是非このテクニックを頑張って身に付けて欲しい。それなりのチャージをいただける技術を身に付けたらの話だが、生涯これだけで十分食べていける。