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KINTYRE’S   DIARY~旧館

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2007.03.04
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
19.ルワンダの涙
■原題:Shooting Dogs
■製作年・国:2006年、イギリス・ドイツ
■上映時間:115分
■鑑賞日:3月3日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ・プレミア・スクリーン(六本木)
■公式HP:ここをクリックして下さい
□監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
□製作:デヴィッド・ベルトン、ピッパ・クロス、ヤンス・ミューラー
□製作総指揮:デヴィッド・M・トンプソン、ポール・トリビッツ、ルース・ケレイブ、カーステン・ストーター、リチャード・アルウィン
□脚本:デヴィッド・ウォルステンクロフト
キャスト

◆ジョン・ハート(クリストファー神父)ルワンダの学校に併設されている教会の神父
◆ヒュー・ダンシー(ジョー・コナー)英国から志願してルワンダの小学校に教師として赴任
◆クレア=ホープ・アシティ(マリー)学校の快速ランナーでジョーに密かに恋心を抱く
◆ドミニク・ホロウィッツ(シャルル・デロン大尉)ベルギーの国連平和監視部隊の隊長
◆デヴィッド・グヤシ(フランソワ)学校に通うフツ族の若者で神父の運転手役
◆ニコラ・ウォーカー(レイチェル)BBC記者でジョーに依頼されて学校での惨状を取材する
◆ヴィクター・パワー(ジュリアス)フツ族で薬局を経営し神父とも親交があるのだったが
◆ルイス・マホニー(シボマナ)フツ族の議員で神父に何かと注文を付け国連軍を煙たがる。

【この映画について】
1994年にアフリカのルワンダ共和国で起こった、多数派民族フツ族による少数派民族ツチ族大量虐殺事件はナチスのユダヤ人大虐殺と並ぶ虐殺と最近ではみなされている。
人類史上に残るこの最悪の事件を、現地に赴任した白人神父の視点から描いたのが『ルワンダの涙』だ。
当時BBCの取材でルワンダを訪れていたデヴィッド・ベルトンの体験を基に物語は構成されており、虐殺を辛うじて逃れたフツ族の生き残りの人たちの証言なども加えたことで事件の凄惨さは生々しいものとして伝わってくる。
長年蓄積されていた民族間の感情が、日常から少しずつ狂気へと変わっていくフツ族の姿からは、身がすくむ程の恐怖を感じる。
しかしこの作品はそうした事件の悲惨さを映すだけではない。ジョーやクリストファー神父を通して、白人である自分らは混沌とした現地の極限状態で何を選択すべきなのか、そしてその選択にフツ族の被害者たちは何を感じたのかなどを銀幕を通して感じてもらいたい。
クリストファー神父役で「V・フォー・ヴェンデッタ」で議長役を演じたジョン・ハートが悩める姿を自然に演じる。英国から英語教師として志願して派遣されたジョー役には「氷の微笑2」(不評だったね!)「キング・アーサー」などのヒュー・ダンシー、走るのが好きなマリー役には「トゥモロー・ワールド」で人類希望の赤ちゃんを産み全裸での演技も辞さなかったクレア=ホープ・アシティがツチ族の少女を演じている。
【ストーリー(ネタバレなし)】
1994年4月、ルワンダの首都・キガリ。イギリス人のジョーは、クリストファー神父の運営する技術学校で英語教師として働いていた。そこではツチ族の少女マリーをはじめ、生徒たちと触れ合いながら日々を送るジョー。その学校には平和監視の為に国連から派遣されたベルギー軍の部隊が駐屯している。
しかし彼はBBCのレイチェルとマークから、フツ族がツチ族を虐殺している事を耳にする。クリストファー神父は、出産間近な学校の生徒の母親エッダの家を訪ねた際に不思議な光景を眼にする。それは役人風の男が村の調査に来てツチ族の住民の分布を細かく調査していた事実だった。
4月6日の夜、事態は急変した。学校内でサッカー中継を楽しそうに観戦中だった軍人たちは突如爆音を耳にする。それはフツ族のハビャリマナ大統領機墜落を機に一気に国内に緊張が走りクーデターの噂も飛び交う。
直ちに配置についた兵士達は校門を閉鎖したが、フツ族がツチ族の大量虐殺を始めたのとの噂を聞きつけて怯えるツチ族の人々は学校へ避難してくる。当初は校門を開放することを躊躇ったデロン大尉だが、クリストファー神父の「ここは私の学校だ!」の一喝で校門を開放しツチ族の避難民を大量に受け入れる。
4月7日、夜明けになるとツチ族だけでなく白人の居住者たちも避難してきた。多くの避難民で溢れる学校だが秩序だけはなんとか保たれていた。クリストファー神父はデロン大尉に兵士の増強を求めるが、大尉は自分達は安保理によって平和の「監視」が任務であり勝手な行動は出来ないと苦悩の胸の内を明かす。
学校の外ではナタを手に持ったフツ族の過激民兵組織のメンバーが集まり始め周囲を包囲し奇声を挙げ続けることで校内のツチ族や国連兵たちにプレッシャーを掛けている。
民兵の中には学校を去ったフランソワのような青年までおり、ジョーが命懸けで学校のトラックで出かけた帰りの検問所で一度は彼に救われたのだったが、彼の目つきは既に異常で手には血糊のついたナタが持たれていた。
4月8日、動きの取れない国連軍に苛立ちを隠せないジョーやクリストファー。エッダが前日出産した赤ん坊の容態が悪いのを心配し単身顔見知りの薬店店主ジュリアスに薬を頼むが、彼は赤ん坊が「ツチ族」か「フツ族」かを尋ねクリストファーは咄嗟に「ツチ族」と偽る事で薬を入手した。その帰り道でよった修道院で虐殺された尼僧たちの夥しい死体をみて吐き気を催し、もはや虐殺を止める手立てはないことにショックを受ける。
学校内では我慢できなくなった避難民達の一部が逃げ出す事件が勃発したが、逆に待ち構えていた民兵の餌食となり虐殺されその中にはエッダと生まれたばかりの赤ん坊も含まれた。
そんな状況下でデロン大尉には国連より撤退を命じられ、空港の警備をするよう命令がくだったのだったが...
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.デロン大尉は現実と職業軍人とてのジレンマに悩むが、その背景にある幼少時の体験とは?
2.ジョーが検問所でみたルワンダの現実とは?
3.眼の前で起こっている事に無力な神父を責めるジョーだがそのとき神父が発した言葉とは?
4.国連軍が空港へ撤退することになった時のジョーと神父の決断は?
5.国連軍の撤退を知り取り残される事になったツチ族避難民の運命と民兵らの行動は?
6.ジョーを慕っていたマリーの運命は?二人はこの先何時の日か再会出来るのか?
等を中心に公開館は限られていますが、是非、映画館でご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
「ホテル・ルワンダ」という作品がドン・チードル主演で上映され絶賛された余韻がまだ残っている中で、再びルワンダ虐殺にスポットをあてた作品だった。違う点は前者がルワンダ人のホテル支配人の視点だったのが、今回は白人BBC取材記者の視点だったという点。もう一点は前者がタイトル通り「ホテル」が舞台なのと、今回は「学校」が舞台であることか。
「ホテル・ルワンダ」と扱っている題材は当然同じなのでそちらを観ている人には今回の内容も概ね理解出来るだろう。
ただし、当然ながら現地人の視点と白人(英国人やベルギー人などの欧州系)では見方が異なる。その代表例がBBC取材記者は戦地での取材経験が豊富だが、英語教師として赴任してきたジョーには「フツ族とツチ族」の違いが分からず「ルワンダ人」と言い、学校で働く少年に「あなたは何も分かっていない」とはき捨てられるシーンがあるのはその良い例だ。
ジョン・ハート演じる神父は長年この地に滞在しているだけに両部族の違いは理解しているが、いざ争いが激化すると盛んに「なす術が無い」とジョー相手に嘆くのだ。
観ている我々には「?」と感じるのだが、アフリカに根付く部族対立を煽ったのは旧宗主国である欧州諸国であり火が付いたら停められないのが現実だ。
ルワンダの両部族の根強い対立は建国まで遡り圧倒的多数のフツ族と少数フツ族の微妙なバランスで成り立っていたが、過去にも度々両者の虐殺事件は発生していた。そのバランスは1994年4月にハビャリマナ大統領が隣国ブルンジの大統領とともに搭乗していた飛行機が撃墜されたことで堤防が決壊した。
国連軍として派遣されていたベルギー軍(ベルギーは旧宗主国)は自衛隊みたいに、武器こそ携行するものの自己防衛のためのものであり民衆に発砲は出来ない。大尉は救ってやりたい気持ちを持ちながらも、安保理からの指令が無いと勝手な行動は出来ないと苦悩を語る。
結果論だが国連軍が積極的に軍事介入すれば大量虐殺はある程度防げただろうが、それはその場しのぎであったかも知れない。国連軍が撤退すれば再び虐殺や対立が始まったかもしれない。
この映画を観て情熱に燃えていた青年ジョーがマリーに懇願されたのにも関わらず涙ながらに救援ジープに乗って去っていくシーンは胸に響いた。ジョーは結局は自分が何の役にも立てなかったジレンマを感じ去り人間としての生存本能に従ったが、残った神父は...。
この映画を観るにあたっては予備知識がないとチンプンカンプンだと思います。更に、正視に堪えないシーンも多々出てくるので老婆心ながら予め付け加えておきます。
【自己採点】(100点満点)
85点。
ラストシーン以外は全てルワンダでのロケを敢行したことに意義があった。こうした現実がアフリカであったことを我々は忘れてはダメだ。

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Last updated  2009.04.26 23:39:02
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