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カテゴリ:ヨーロッパ映画
31.クィーン
■原題:The Queen ■製作年・国:2006年、イギリス・フランス・イタリア ■上映時間:104分 ■鑑賞日:4月22日、新宿武蔵野館(新宿) □監督:スティーヴン・フリアーズ □脚本:ピーター・モーガン □製作:アンディ・ハリース、クリスティーン・ランガン、トレイシー・シーウォード ◆ヘレン・ミレン(エリザベス女王)英国女王としてダイアナ元皇太子妃の死に対し国民から注目を浴びる ◆マイケル・シーン(トニー・ブレア)首相就任直後にダイアナ元妃死亡事件に接し女王に意見する ◆ジェイムズ・クロムウェル(フィリップ殿下)女王の夫君としてダイアナには厳しい言葉を投げかける ◆ヘレン・マックロリー(シェリー・ブレア)ブレア首相夫人だが夫と違い王室には厳しい態度を取る ◆アレックス・ジェニングス(チャールズ皇太子)ダイアナ元妃の訃報に接し動揺する ◆シルヴィア・シムズ(エリザベス皇太后)女王の母として時に厳しい意見を直に述べる 【この映画について】 ダイアナ元皇太子妃の突然の悲劇からの一週間、良き君主であろうとしてきたエリザベス女王は、人生を捧げてきた国民から「女王は冷たい」と怒りをぶつけられていることを知り、大きなショックを受ける。スコットランドの保養地に一家で閉じこもりロンドンに戻らない王室に対し国民の「王室不要論」まで飛び出す有様。 そんな女王の苦悩を救い、国民と和解させようと尽力するのが、ブレア首相というのが面白い。威厳をたたえる女王だが、本作ではユーモアを失わないチャーミングな女性としての一面も強調している。 女王はイギリス国民全員の「愛すべき母」なのだと言わんばかりに。2007年アカデミー賞でヘレン・ミレンが主演女優賞を受賞した。受賞こそ逸したがアカデミー賞では他に「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「衣装デザイン賞」「作曲賞」にもノミネートされていた。 【ストーリー(ネタバレなし)】 1997年5月、イギリスの選挙で最年少の首相としてトニー・ブレアが当選した。 「憲法の近代化を行う」と宣言しているブレアに対し、女王は王室の改革にも乗り出すのではと内心不安だった。承認の為に謁見に夫婦で訪れたブレアに対し儀式は15分であっという間に終わる。 8月30日、パリのホテル・リッツ前ではパパラッチや報道陣等がダイアナ元妃と恋人アルファイド氏の結婚間近の報道が流れ待機していた。だがその二人の乗る車はパリ市内を猛スピードで駆け抜け交通事故に遭い、帰らぬ人になった。王家においてダイアナはいつも頭痛の種で、民間人となっていたダイアナの死は本来関係のないことであった。 8月31日、スコットランドのバルモラル城で静養中に早朝パリ大使からの電話で内容を聞いた側近が就寝中の女王にダイアナの訃報を伝え、直ちにチャールズ皇太子にも伝えられる。 チャールズは王室機でパリに急行しダイアナの遺体と対面し戻ってきたが、その間に女王はダイアナの葬儀やコメントを巡り古い体質を露呈しブレアがダイアナを讃えるスピーチを速やかにし国民の支持を受け苦悩する。 9月に入っても女王および王室からは一向に国民に向けての声明が発せられることはなく、バルモラル城には半旗を掲げる事もせず日に日に国民から女王への反発が高まり苦悩するのだった。 女王はコメントを避けるが、ダイアナを称える国民の声は次第に高まっていく。やがてダイアナの死を無視し続ける女王に、若き首相ブレアは、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、その和解に力を注いでいく。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.質素な葬式を望む女王に対し皇太后が提案したプランとは? 2.スコットランドの城に篭る王室に対しブレア首相はどう助言をしたか?それに対する反応は? 3.ブレア首相が女王に促した声明の内容と、その内容を知ったブレアの対応は? 4.バッキンガム宮殿に戻った女王が外にいた国民に対して見せた態度と表情とは? などを中心に是非映画館でご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 誰もがまだ記憶に新しいダイアナ元妃の突然の死とその背後関係。未だに謎が残る死に方は憶測を呼んでいるが、この映画では女王が事件が起きてから声明を発するまでの苦悩とそれを首相として支えるブレアとの関係が中心に描かれている。 ブレア首相は既に任期切れが迫っておりこの時期にこうした映画が製作されたのも興味深い。女王役のヘレン・ミレンは実物の女王そっくりのメイクと威厳のある演技で見事にアカデミー賞主演女優賞に輝き、ブレア役のマイケル・シーンもそっくりで喋り方まで似ているのには笑えた。 それでも日本人の我々には分からなかった国民の王室へのシビアな感情や、国民を理解していると思っていた女王の国民からの厳しい声への苦悩を垣間見る事も出来た。又、若くして首相に就任したブレアの国民の支持をバックにした女王へ的確に助言する様子の描き方は分かりやすかった。 王室内部でも保守的な見方をするフィリップ殿下や、国民の声を大事にしたいチャールズ皇太子、女王のよき相談役である母君(皇太后)などそれぞれの個性も観ている側に伝わってきた。 最後に、大部分のロケをスコットランドやロンドンでロケをした英国らしい映像美も堪能出来る。 【自己採点】(100点満点) 78点。ストーリーの核を絞っていた点は評価したい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ←映画「クィーン」関係のブログ満載! ←西武ライオンズのことならここ ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
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