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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:ヨーロッパ映画
35.輝ける女たち
■原題:Le Heros De La Famille ■製作年・国:2006年、フランス ■上映時間:103分 ■鑑賞日:5月4日、ル・シネマ(渋谷) □監督・脚本:ティエリー・クリファ □脚本:クリストファー・トンプソン □製作:サイード・ベン・サイード □音楽:ダヴィッド・モロー ◆ジェラール・ランヴァン(ニッキー)TVのマジック・ショウで一世を風靡したマジシャン ◆カトリーヌ・ドヌーヴ(アリス)ニッキーの元妻 ◆エマニュエル・ベアール(レア)ニッキーの店の歌手でニッキーが恋心を寄せている ◆ミュウミュウ(シモーヌ)ニッキーらと一緒にマジック・ショウに出演していた ◆ジェラルディン・ぺラス(マリアンヌ)ニッキーとシモーヌの娘で、現在は離婚調停中 ◆ミヒャエル・コーエン(ニノ)ニッキーとアリスの息子、会計士で同性愛者 ◆ピエリック・リリュ(ファヴリス)ニノの同性愛者の恋人 ◆クロード・ブラッスール(ガブリエール)キャバレー「青いオウム」のオーナーでニッキーの父親代わり 【この映画について】 毒気とユーモアたっぷりのカトリーヌ・ドヌーヴ、吹替なしでしっとりとした色気のある歌声をタップリと聴かせるエマニュエル・ベアールを筆頭にフランス映画界の実力派俳優たちを集めて見事な人間ドラマを描いたのは、本作が長編第2作となる新鋭監督ティエリー・クリファ。 フランス映画独特の「間」やストーリーの展開に加え、音楽と映像も効果的に使っている点にも注目して観てもらいたい。 【ストーリー(ネタバレなし)】 南仏ニースのキャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエルが急逝し、離れ離れに暮らす家族が久々にニースで顔を合わせる。 遺言により店は、かつて一世を風靡した人気マジシャンで息子同然に育てられたニッキーを飛び越え、その子どもであるニノとマリアンヌの異母兄妹に譲られることになる。 ニッキーはかつてガブリエルとシモーヌの三人でTVのマジックショーで一世を風靡したが、その後は、各地を渡り歩き最近になってガブリエルの元に戻り店を手伝っていた。 後継者は自分だと疑わずに信じていたので、ニノとマリアンヌに譲られることになりショックだった。そのニノもマリアンヌもニースに住む気はなく経営が悪化している店を売却することに決める。 子どもたちとも元妻たちともしっくりいかず、遺産相続からもはじかれたニッキーの寂しい心は美しい歌姫レアに向かうのだが…。店が売却されることに心を痛めていたニッキーの前に、葬式には来なかった元妻のアリスがふらりとやってきてガブリエルの死の真相を話す。さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.ニノとマリアンヌは何故ニースに定住しようとしないのか? 2.ニッキーのレアへの思いとは? 3.アリスが語るガブリエルの衝撃の死の真相とは? 4.アリスの封印された過去と、敷地内にあった秘密の部屋とは一体何か? 5.家族それぞれが触れられたくない過去とは一体何だったのか? などを中心に上映館は限られていますが是非映画館でご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 この映画のストーリーというか展開は所謂フランス映画らしさが存分に出ていた。 アメリカ映画にありがちな、泣いたりわめいたり破壊的だったりといった要素は出てこない。従って、銀幕に目を釘付けにして集中する事が要求される。 この映画ではストーリーの切れ目というか次への移行の「間」を南仏の美しい風景と、それに見事にマッチした音楽で観客を飽きさせなかった。こういう絶妙な「間」はやはりフランス映画の特徴ではないだろうか? カトリーヌ・ドヌーブは今年のアカデミー賞授賞式で渡辺謙と共に壇上に上がり「外国語映画賞」に関するスピーチをしていた姿をみた。既に63歳ながら全く歳を感じさせない美貌には驚いたし、3月には来日も果たしていた。この映画でも相変わらずその若さを発揮していた。共演者のエマニュエル・ベアールが歌手役で出演していたが、彼女の色気のある演技にはこれからも注目したい。 【自己採点】(100点満点) 71点。ストーリーだけだと所々退屈な場面もあったが、それを補っていたのが美しい南仏の風景と音楽だった。 ←是非クリックして下さい 人気blogランキングへ←是非クリックして下さい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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