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カテゴリ:アメリカ映画
42.主人公は僕だった
■原題:Stranger Than Fiction ■製作年・国:2007年、アメリカ ■上映時間:112分 ■鑑賞日:6月1日、新宿武蔵野館(新宿) ■公式HP:ここをクリックして下さい □監督:マーク・フォースター □製作:リンゼイ・ドーラン □脚本:ザック・ヘルム □音楽:ブリット・ダニエル ◆ウィル・フェレル(ハロルド・クリック)国税庁の会計検査官で暗算が得意で毎日同じ行動をする ◆トニー・へイル(デイヴ)ハロルドの同僚で唯一の友人 ◆マギー・ギレンホール(アナ・パスカル)小さなケーキ屋を経営するが意図的に脱税する ◆エマ・トンプソン(カレン・アイフル)主人公を必ず殺す悲劇作家だが10年間発表していない ◆クイーン・ラティファ(ペニー・エッシャー)カレンの助手として出版社から派遣される ◆ダスティン・ホフマン(ジュールズ・ヒルバート)大学で文学論を教える一方で水泳のコーチもする 【この映画について】 国税庁の役人として毎日規則正しい生活を送る平凡な独身男の話。「奥様は魔女」でのダーリン役や「プロデューサーズ」での奇妙な脚本家を演じていたウィル・フェレルが、ここでは真面目で平凡な男を好演している。 そのフェレルから脱税を指摘され帳簿を徹底的に調べられるケーキ屋のアナを「ワールド・トレード・センター」などのマギー・ギレンホールが演じる。他にはダスティン・ホフマンが大学教授ながら何故か水泳コーチもする役だったりと芸達者な俳優陣がそろっているのにも注目したい。 【ストーリー】(ネタバレなし) 平凡で面白みのない男、ハロルド。国税庁の会計検査官である彼は、過去12年間、毎日決まりきった生活を送っている。 就寝時間、毎朝の歯磨きの回数、家を出る時間、バスの乗車時間、ランチタイム中のコーヒータイム... しかしある朝、ハロルドの頭の中に、彼の行動を文学的な表現で語る女性の声が割り込んできた。それからというもの、その声はハロルドの頭にたびたび響くようになる。彼女によれば彼はどうも小説の主人公のようで、しかも彼に死が近づいていることもほのめかしていた。「このささいな行為が死を招こうとは、彼は知る由も無かった」この言葉が彼の運命を変えたのだ。 それから自分の運命を変えようとするハロルドの奮闘が始まった。まずは精神科医の元へ「統合失調症」それが下された診察結果だった。次は大学教授で文学論を教えるジュールズ・ヒルバートの研究室を訪問する。だがそこでも彼は相手にされず、まさに研究室を去ろうとしていたときに発した「...知る由もなかった」というフレーズを聞いたときヒルバート教授は何かを感じた。その表現はとても文学的でとても役人である彼が編み出せる言葉だとは思えなかったからだ。そこで教授は彼に女性の声が聞えたらそれらを書き留めるように言い残す。 その頃、ハロルドは小さなケーキ屋が脱税しているのではという疑惑からある店に出向く。小さな店ながらも繁栄しているようであるその店はアナ・パスカルという女性が一人で切り盛りする。アナは税金から防衛費に使われるのが許せないのでその一部は払わないという「確信犯」だ。彼女の店で過去3年分の帳簿を徹底的に調査し疲れ果てたハロルドが帰る際に、アナはクッキーを焼いてくれた。アナは大学在籍中のある時をきっかけにケーキ屋を経営する事を思いついたことを話し、余った分をお土産にと親切心から渡そうとするが、ハロルドは公務員規程というお堅い規則を持ち出し受取らず逆にアナの怒りを買ってしまう。 ヒルバート教授から今度は、一日中なにもしないことで物語が進行するか試す事にしたがその結果は...予想もしない出来事が。 ついにヒルバート教授はあきらめにも似たアドバイスを送る。どうせ殺されるなら人生を好きに生きろ!と半ば冗談のようなアドバイスだった。ハロルドは自分の人生を振り返り、自分のやりたい事或いはやりたかったことを思い出し実行に移していくのだったが...。そして、アナへの気持ちは断ち難く、彼は大胆な行為に出るのだった。 そしてヒルバート教授は声の主が悲劇作家のカレン・アイフルであると偶然突き止めた。それを知ったハロルドは...どうする? さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.アナは大学時代に何がきっかけでケーキ屋を開業することを思いついたのか? 2.ハロルドが一日中何もしなかった日に突如起こった出来事とは? 3.ハロルドが自分の人生でやりたかった事とは?それをどう実行したのか? 4.ハロルドがアナへの気持ちを告白した手段とは? 5.ヒルバート教授が声の主をカレン・アイフルと特定出来たきっかけとは? 6.ハロルドはカレンに自分を殺す事を止める事が出来るのか?その手段とは? 7.ハロルドとアナの関係はこの先どうなる? などを中心に是非映画館でご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 ウィル・フェレルの印象はどうしてもコミカルなイメージがあるのだが、この映画はどこかユーモラスな生活信条や勤務態度を「真面目」な表情で演じている点が気に入った。 国税庁検査官なんてどこの国でもお堅い仕事で国民に嫌われる代表格みたいな仕事だが、そのイメージを崩さない前半と後半ではそれを葛藤しながらも崩そうとそれなりに頑張る姿も面白かった。ストーリー的には予定調和的な終わり方であったが、そこに行き着くまでの展開でのダスティン・ホフマン演じる教授役は大事なパートだが余裕のある演技は流石だった。マギー・ギレンホールのエキセントリックな表情や女性的なはにかむ表情の落差もグー。ハロルドを命の危機に陥れる作家を演じるエマ・トンプソンと助手を演じるクイーン・ラティファもユニークな存在だった。 こうしてどこか平凡なストーリー展開でも、こうした演技達者な俳優陣が揃うと見どころの多い映画に変わるのでつくづく映画は脚本と俳優次第だと改めて思った次第だ。 【自己採点】(100点満点) 77点。予告編で観た時に想像していた点数よりかなり上回った。 ←是非クリックして下さい 人気blogランキングへ←是非クリックして下さい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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