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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:映画/ホラー・サスペンス・スリラー
89.タロットカード殺人事件
■原題:Scoop ■製作年・国:2006年、イギリス・アメリカ ■上映時間:95分 ■日本語字幕:杉田朋子 ■鑑賞日:11月10日、シャンテシネ(日比谷) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・脚本:ウディ・アレン □製作:レティ・アロンソン、ガレス・ワイリー □共同製作:ヘレン・ロビン、ニッキー・ケンティッシュ・バーンズ □製作総指揮:スティーヴン・テネンバウム □共同製作総指揮:ジャック・ロリンズ、チャールズ・H・ジョフェ □撮影:レミ・アデファラシン □プロダクション・デザイン:マリア・ジャーコヴィク □衣装デザイン:ジル・テイラー □編集:アリサ・レプセルター ◆ウディ・アレン(シド・ウォーターマン)「スプレンディーニ」という名で活動するマジシャン ◆スカーレット・ヨハンソン(サンドラ・プランスキー)大学でジャーナリズムを専攻し学生新聞の発行に熱心な学生 ◆ヒュー・ジャックマン(ピーター・ライモン)ロンドンを震撼させる連続殺人事件の犯人と目される青年貴族 ◆イアン・マクシェ-ン(ジョー・ストロンベル)急死した敏腕新聞記者 ◆フェネラ・ウールガー(ジェーン・クック)ピーターの元秘書 ◆ロモーラ・ガライ(ヴィヴィアン)サンドラの友人でサンドラは夏の休暇に彼女の邸宅を訪ねていた ◆ジュリアン・グローヴァー(ライモン卿)高名な貴族でピーターの父 ◆チャールズ・ダンス(マルコム)新聞社の編集者でサンドラが「スクープ」を持ち込むが... 【この映画について】 スカーレット・ヨハンソンに首ったけのウディ・アレン、『マッチポイント』に続くロンドン・シリーズ第2弾も新ミューズの登板だ。 軽妙洒脱なウディ・アレンお得意のコメディ風味のミステリーで彼のとぼけたキャラが前面に出ている。 自らマジシャン役を演じるアレンとヨハンソンは漫才コンビのノリで連続殺人事件の解明に挑むわけだが、なんといってもヨハンソンのコケティッシュでセクシーな魅力に尽きる。知り合ったばかりの男とあっという間にベッドインしてしまうのも一本気な性格ゆえか。とびきりハンサムで優雅なヒュー・ジャックマンもはまり役だ。 ヨハンソンのその見事なボディを披露する水着シーンもしっかりと用意されている。 【ストーリー】(ネタばれなし) 3日前に急死した敏腕新聞記者ジョー・ストロンベルの葬儀に仲間達が集っている頃、当の本人は彼岸へと向う船上で出逢ったジェーンから「スクープ」を聴かされ驚愕する。 青年貴族ピーター・ライモンの元秘書だったジェーンは、ロンドンを震撼させている連続殺人事件の犯人が彼だと言うのだ。しかし、彼の行動を疑ったジェーンは逆に彼に毒殺されたのだそうだ。ストロンベルは三途の川の流れに逆らうように川に飛び込み泳ぐのだったが...。 夏休みを利用してロンドンの友人ヴィヴィアン宅に滞在中のアメリカ人学生サンドラは、ヴィヴィアンに誘われて遊びに行ったマジック・ショーで、スプレンディーニに指名され箱に押し込められる。彼女はそこで敏腕新聞記者ストロンベルが彼女がジャーナリスト志望であることを知って幽霊となって出現し、巷を震撼させる連続殺人事件の犯人が青年貴族ピーター・ライモンであるという特ダネを明かされる。 ジャーナリスト志望のサンドラはスクープをものにしようと、三流マジシャンのスプレンディーニに掛け合うが彼は相手にしない。しかし、その二人の前に再びストロンベルが出現したことで同じアメリカ人のシド(彼の本名はシドニー・ウォーターマン)と組んで上流階級のピーターに近づく。 シドとサンドラの二人のアメリカ人が高名な貴族であるピーターに近付くのは容易でない。そこで二人はピーターの行動パターンを知りある会員制のクラブへと潜入することに成功し、まんまと彼と接触し彼らから親子としてパーティーへ招待されることに。 イギリスの青年貴族であるピーターの虜になったサンドラは、本来の目的も忘れて彼のペースに乗せられ何時の間にかベッドインしてしまう。次のデート約束の間、彼女の誕生日の夜にシドと二人でロンドン市内のレストランで食事をしていたとき、出張でいないはずのピーターが目の前を急ぎ足で通り過ぎていった。 気が付かれないように尾行した二人だったが、暗い道で後姿を見失った直後夜の帳を切り裂くような悲鳴と共に惨劇は起こった。またしても娼婦が殺されて、そこには「タロットカード」が残されていたのだった。サンドラは意気揚々と新聞社に「特ダネ」を持ち込む。そこで編集者のマルコムは、連続殺人犯として「ヘンリー・バンクス」なる男が自白し逮捕されたと知らされる。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.シドとサンドラがピーターに近付くために考えた作戦とは? 2.シドとサンドラがピーター邸に招かれた時に、ピーターが犯人だという確証を得る手立てはあったのか? 3.ヘンリー・バンクスが逮捕されてからのサンドラとピーターの関係はどうなる? 4.サンドラがピーター邸を訪れメイドの目を盗んで侵入した地下室で見付けたものとは? 5.サンドラが疑っていると察したピーターが彼女に仕掛けた罠と、彼女が彼に知らせていなかった「特技」とは? などを中心にお楽しみ下さい。 【鑑賞後の感想】 ウディ・アレンという人物に関して個人的に興味はなく、この映画はあくまでも今やハリウッド女優きっての肉体派女優として人気沸騰中の「スカーレット・ヨハンソン」が出演している映画という感覚で観にいった。 ウディ・アレンはあれが彼の長年の芸風なのだろうが、大袈裟でコミカルな演技は私の好みとはただ単に異なるのでそれを「批判」している訳ではありません念の為にね。 「マッチポイント」に続いてロンドンと上流階級がテーマに繰り広げられるミステリーなのは前作と共通である。 今回はアメリカの大学生で学生新聞記者であるサンドラが休暇で訪れていたロンドンで事件に巻き込まれる。そこにマジックを絡める展開なのでが、どうもストーリー展開としては前作同様にワクワク感は薄いという印象を持った。確かに青年貴族役のヒュー・ジャックマンは二枚目でカッコイイので、女子学生のサンドラが憧れるのも予想通り。 起承転結がはっきりとしている脚本通りの展開で意外性を用意しているのだが、それも何だか読める感じである。 俳優達の演技や顔触れに不満はないが脇役にもう少し存在感があると全体的に締りが出ていたと思う。 ウディ・アレンはスカーレット・ヨハンソンがお気に入りで、彼女も気に入っているのか第3弾も用意されているそうだ。ウディ・アレンにすれば人気沸騰中の彼女は客寄せには必要だろうが、彼女の演技経験の幅が広がってきているので次回作はもっと大胆な展開で英国に拘らない設定での作品を望みたい。 【自己採点】(100点満点) 69点。スカーレット・ヨハンソンの演技の幅として今回のような役も違和感が無かったのは収穫か。 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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