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2008.01.01
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カテゴリ:アメリカ映画
99.マイティ・ハート 愛と絆
■原題:A Mighty Heart
■製作年・国:2007年、アメリカ
■上映時間:108分
■鑑賞日:12月1日、アミューズCQN(渋谷)
■公式HP:ここをクリックしてください
マイティ・ハート.jpg
□監督:マイケル・ウィンターボトム
□脚本:ジョン・オーロフ
□原作:マリアンヌ・パール
□製作:ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、アンドリュー・イートン
□撮影監督:マイケル・ザイスキンド
□プロダクション・デザイン:マーク・ディグビー
□編集:ピーター・クリステリス
□衣装デザイン:シャーロット・ウォルター
キャスト

アンジェリーナ・ジョリー(マリアンヌ・パール)TV局でドキュメンタリー制作に携わっていたがジャーナリストの夫ダニエルと知り合い結婚する
◆ダン・ファターマン(ダニエル・パール)ウォール・ストリート・ジャーナルの記者としてパキスタンで取材活動に従事する
◆アーチー・パンジャビ(アスラ・ノマニ)ダニエルと活動を共にする女性記者
◆ウィル・パットン(ランダル・ベネット)アメリカ領事館の外交問題担当でダニエル捜査の一員となる
◆イルファン・カーン(ハビブ)キャプテンの愛称を持つテロ対策組織のリーダー
◆ゲイリー・ウィルメス(スティーヴ・レヴァイン)ウォール・ストリート・ジャーナルの記者
◆デニス・オハラ(ジョン・バッシー)ウォール・ストリート・ジャーナルの記者でスティーヴと共に捜査の一員となる

【この映画について】
この映画は元々ブラッド・ピットが、2002年にパキスタンで取材中にテロリストに誘拐され殺害されたウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者、ダニエル・パールの死の真相を綴った一冊の本との出会いからだった。
ピットはダニエルの妻が書いた本を読んで深く感銘を受けて、私生活で「事実上の妻」(正式に入籍はしていないそうだ)であるアンジェリーナ・ジョリーを主演に映画化することを実現させた。
映画に際して作者であるマリアンヌの賛同も得て、実際に事件が起こったカラチやイスラマバード、ラワルピンディなどで撮影された。
アンジェリーナ・ジョリーはこの作品での演技が高く評価され、今月に発表されるアカデミー賞主演女優賞候補に挙がると言われている。
【ストーリー】(ネタバレなし)
ダニエルとパールは共にジャーナリストとして活動している夫婦。夫ダニエルはウォール・ストリート・ジャーナル紙の特派員、妻マリアンヌはかつてはTV局でドキュメンタリーの制作に携わっていたが今はフランスのラジオ局の記者であり妊娠5ヶ月の身重だ。
2002年1月、パキスタンのカラチで最後の取材をするために夫を見送った妻。取材後、二人は夫の取材後ディナーの約束を交わしていた。
一方のダニエルは取材に出かけたが、運転手は車を郊外の見知らぬ場所へと連れて行きダニエルは不安に駆られる。その頃、マリアンヌは何時までたっても戻ってこない夫の身を案じる。
女性記者のアスラがそんな彼女を励ますが、マリアンヌは夫のPCを調べ彼がジラニ師と会う予定だったことが判明する。ジラニ師にはアルカーイダと関わりの有るテロリストのことを取材することになっていた。
行方不明になったダニエルを捜索するために、地元警察とアメリカ大使館とウォール・ストリート・ジャーナル紙の同僚らにFBI捜査官まで加わってチームが結成された。
地元マスコミはダニエルがイスラエル情報機関モサドのスパイだとする記事が掲載された。憤慨するマリアンヌたちのもとに、ダニエルの写真がメールで送信されてきた。犯人側は夫をCIAのスパイ呼ばわりし、身柄引き渡しの交換条件にジェット機の提供を要求してきた。
マリアンヌは夫がスパイとしての容疑を晴らすために、TV出演することを決意した。やがて、ダニエルの身に異変があったことを知らせる情報が舞い込んできて...。
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.地元紙は何故ダニエルがイスラエルの情報機関のスパイだと報道したのか?
2.ジラニ師とダニエルの関係は?その関係を知るものは他にいるのか?
3.ダニエルをジラニ師と面会の為に案内した運転手とは?
4.マリアンヌがTV出演して訴えたこととは?
5.ダニエルの異変を知らせる内容とは?
6.捜索チームと地元警察との情報の連携は?
7.犯人側の構成とは?

などを中心にご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
アンジェリーナ・ジョリー出演作品が同時期に「べオウルフ」と重なり、そちらの方が注目されて(出演シーンはそっちは少ないけどね)本作品の方が地味な扱いになってしまった。
この作品は実際に2002年1月に発生した誘拐殺人事件を扱っているシリアスなドキュメンタリータッチの映画である。従って、娯楽性はなくこうした内容を理解しないで鑑賞する肩透かしを食らうだろう。
アンジェリーナ・ジョリーは帰国前最後の取材に出かけて夫が、何者かに誘拐され不安に駆られる難しい役どころを理解して演じていた。同時に彼女は妊娠5ヶ月の身重であり、ただでさえ不安定な精神状況の中を気丈に捜索スタッフらと対応していた。
この映画は製作にあたって現実味を出すために、敢えて治安の不安定なパキスタンでのロケを敢行したそうだ。ロケ地は先日ブット元首相暗殺事件のあった都市も含まれているが、確かに映像を見ていても埃っぽい街の様子や欧米人が活動するには目立ち過ぎる様子などが自然と伝わって来た。
アンジェリーナ・ジョリーばかりが目立ってしまうこの映画だが、彼女はこの作品での評価が米国では高くアカデミー賞主演女優候補にも挙がるのではとさえ言われているらしい。
ブラピが今回の企画に深く関わっていたことで回ってきた出演だったのだろうが、こうした難しい役を演じて評価が上昇することで今後の彼女の女優生活にもプラスになるだろう。
【自己採点】(100点満点)
72点。実際にあった事件の映画化なので娯楽性は排除されていたが、映画独自の視点があったら良かったかも。

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Last updated  2008.01.06 23:47:09
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