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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:ヨーロッパ映画
15.ぜんぶ、フィデルのせい
■原題:La Faute a Fidel ■製作年・国:2006年、フランス ■上映時間:99分 ■日本語字幕:高部義之 ■鑑賞日:2月2日、エビス・ガーデンシネマ(恵比寿) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・脚本:ジュリー・ガヴラス □脚本協力:アルノー・カトリン □製作:シルヴィー・ピアラ、マチュー・ボンポワン □撮影:ナタリー・デュラン □編集:ポリーン・デルー □衣装:アニー・ティエルモン □美術:ロラン・デルー □音楽:アルマンド・アマール □録音:ニコラ・ネジュロン
父は弁護士を辞めて、家族で一緒に過ごしていた日曜日にはひげを蓄えた見知らぬ大人たちが家の中をウロウロしたり、反フランコのデモ行進に参加させられたりして怖い思いをしてしまい元気を失ってしまった。そして、大好きなボルドーのジイとバアの元を訪ねて行った。 ボルドーから帰るとメイドがまたも変わって、相変わらず母は「中絶問題」の取材の為のインタビューに忙しくかまってくれない。 フェルナンドは肩入れしていたアジェンデ政権が選挙で勝利したことを喜んでいた。その勝利の余韻が残る翌日の新聞には、マリーがフェルナンドに無断で署名した「私は中絶をした」という宣言書が記事になり大きな扱いを受けた。アジェンデ政権の勝利の扱いが小さくなり不満なフェルナンドは、記事のことでマリーと言い争いになる。 険悪な家庭環境に嫌気が差したアンナは父に突然スペインの生まれ故郷に行きたいと懇願する。そして学校では授業中の先生との意見の対立で学校を辞めてしまう。 1973年、マリーの取材してきたことが本になり出版された。フェルナンドがあれほど肩入れしていたアジェンデ大統領は軍事クーデターの最中に死亡したとのニュースがTVから流れていた。アンナも新しい学校に通いだし、新たな環境での生活に溶け込んでいくのだった。 一家を激しく襲った環境の変化の波を戸惑いながらも潜り抜けていったアンナ。その中で彼女は誰にも経験できない体験をしたのだった。 【鑑賞後の感想】 この映画の背景にあるのは少女アンナの視点から捉えた大人の都合だろうか?今まで何の不自由も無い生活をしていたのに、父が急に共産主義に目覚めたことで生活環境が激変する。 学校の授業の一部は受けれないし、家には見知らぬひげ面の男たちがたむろするし、仕事は辞めるし、母は自分の仕事に没頭し両親から全くかまってもらえなくなり戸惑う。 それでもこの生活環境の変化の荒波を、子供なりに潜り抜けてきたアンナは大人の勝手な振る舞いにもしっかりと自分の意見が言えるまでに成長していた。 この成長の過程がこの映画のテーマであり、親子関係の捉え方などが女性監督の視点で描かれていた。 時代背景も盛り込まれているのだが、どこかもう一つ全体的にストーリーの柱になるような部分が欠けていたようにも感じた。仏頂面のヒロインを演じたニナ・ケルヴェルちゃんの、今度は子供らしい溌剌とした役もこなせるのか見てみたい気もする。 【自己採点】(100点満点) 72点。妥当な採点だと思う。 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
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