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2008.03.24
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カテゴリ:アメリカ映画
28.バンテージ・ポイント
■原題:Vantage Point
■製作年・国:2008年、アメリカ
■上映時間:90分
■字幕:松浦美奈
■鑑賞日:3月8日、新宿ミラノ(歌舞伎町)
■公式HP:ここをクリックしてください
バンテージ・ポイント.jpg
□監督:ピート・トラヴィス
□脚本:バリー・L・レヴィ
□製作:二ール・L・モリッツ
□製作総指揮:カラム・グリーン、タニア・ランダウ、リンウッド・スピンクス
□撮影監督:アミール・モグリ
□編集:スチュアート・ベアード
□衣装:ルカ・モスカ
□美術監督:ブリジット・ブロシュ
□音楽:アトリ・オルヴァルソン
キャスト


◆シガーニー・ウィーヴァー(レックス・ブルックス)女性TVプロデューサーは大統領の演説を全世界に中継していた
◆デニス・クエイド(トーマス・バーンズ)シークレット・サービス(SS)として大統領警護の任務に復帰する
◆マシュー・フォックス(ケント・テイラー)バーンズらと共にSSとして警護の任務に就いていたが...
◆エドゥアルド・ノリエガ(エンリケ)地元スペインの刑事で市長の警護に就いていた
◆フォレスト・ウィテカー(ハワード・ルイス)アメリカ人旅行者として偶然に大統領狙撃現場でビデオ撮影した
◆アイェレット・ゾラー(ヴェロニカ)聖戦旅団のメンバーで大統領の命を狙う
◆エドガー・ラミレス(ハヴィエル)聖戦旅団のメンバーに弟を拉致され嫌々ながら協力する
◆サイード・タグマウイ(スアレス/サム)テロ集団聖戦旅団の中心的人物
◆アシュトン大統領(ウィリアム・ハート)米国大統領として国際会議出席の為にスペインに来たが命を狙われる

【この映画について】
米大統領暗殺・爆破テロ事件の謎を追う、緊迫感あふれるサスペンス・アクション。
1つの事件を異なる8人の視点から何度も映すことで、少しずつその全容を明らかにしていく。ある視点では解決しなかった疑問が、他の視点から見ることで解決する――その視点の変更とトリックの種明かしの連続が、非常にテンポよく心地いい。その中で観客は“9人めの視点”として作品へと巻き込まれていくことになる。
出演陣はデニス・クエイド、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でアミン大統領を演じてアカデミー賞主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカー、「エイリアン」シリーズでお馴染みのシガニー・ウィーバー、ウィリアム・ハートと渋いキャスティングながら、それぞれ的確にキャラクターを演じている。
【ストーリー】(一部ネタばれあり)
スペイン・サマランカのマヨール広場での演説中にアシュトン米大統領が何者かに狙撃され、さらに演壇が爆破されるテロが起こった。

TV中継車のモニターを見ていたプロデューサーのレックスは、シークレット・サービス(SS)のトーマス・バーンズの姿を発見して驚いていた。
彼は1年前に大統領狙撃を身をもって防ぎ、暫くは警護から外れていたが、同僚のテイラーの働きかけもあり1年ぶりに復帰したのだがそこにはある思惑が働いていたとは...。
ところがマヨール広場からの中継の最中に、アシュトン大統領が何者かに狙撃されパニック状態に陥った群衆。その直後に、今度は演説の舞台から大爆発が起きて、あたり一体は多くの死体が散乱するなど大混乱に陥る。
レックスは女性レポーターの無事を祈って名前を叫ぶが、中継カメラには無残にも数分前までレポートを送っていた女性の遺体を映していた。

そんな折、シークレットサービスのバーンズはTV中継車に乗り込み、撮影された映像をチェックする。そこに怪しい何かを見つけた。同時刻、サマランカ市警のエンリケは事件の容疑者として拘束されそうになり、サマランカ市街へと逃亡を謀る。アメリカ人旅行者のハワードは、ビデオカメラを片手にそんなエンリケを追いかけ…。

▲登場人物の「裏側」(ネタばれに注意の上、ご覧下さい!)
レックス:敏腕TVプロデューサーであり現場からの中継で、SSのバーンズが復帰していることに不安を覚えている。
バーンズ:大統領警護に復帰したが自分に自信を持てない。旅行者ハワードの撮影したビデオを偶然見て驚愕する。
ハワード:偶然撮影したビデオに大統領狙撃現場が映っていた。犯人一味を必死に追い掛ける。
テイラー
:バーンズの同僚で、裏でテロ組織と繋がっていた。
アシュトン大統領:テロリストからの殺害予告を察知し「替え玉」が演説会場で狙撃される。その時、「本人は」?
エンリケ:スペインの刑事。「ヴェロニカ」に事件に巻き込まれバーンズに一度は身柄を押さえられる。
スアレス:テロ組織のリーダー的存在。ヴェロニカ、ハヴィエルらと共に大統領身柄拘束に成功するのだったが...
ヴェロニカ:エンリケに接近し演壇の下に時限爆弾を隠す。スアレスの同僚。
ハヴィエル:弟をヴェロニカらに拉致され協力を余儀なくされる。大統領拉致に成功しヴェロニカに託すが、テイラーに撃たれる。
【鑑賞後の感想】
映画で「アメリカ大統領暗殺」を扱った作品は決して少なくない。最近でもドキュメンタリー風の「大統領暗殺」は、現職のブッシュ大統領の暗殺がテーマである。

「バンテージ・ポイント」では「アシュトン大統領」が米国大統領との設定である。ここで面白かったのは、SSが事前に暗殺計画を察知していて<「替え玉(影武者)」を同行させて、演説に向う直前に入れ替わっていたことだ。

この辺は予告編を観たときから察していたが、その替え玉が狙撃され、更にホテルで待機していた大統領とSSがテロ組織に急襲され大統領が拉致される失態を犯してしまう。
本来は大統領を身を挺して守るべきSSの内部から情報が漏れ、その裏切り者の正体が判明したときのSSの同僚らはショックだったが、そんな感情を押し殺して必死の捜査を敢行していた。

この映画では、狙撃現場に偶然居合わせた旅行者なども巻き込んで進んでゆく。それぞれの人物の視点で、現場での出来事をその都度振り返るスタイルは斬新だった。
観客はその都度、事件を異なった角度で目撃するのが監督の狙いだったのだろう。それでも最初は中々ストーリーが進まないが、テイラーが裏切り者と分かってからは街中でのカーチェースなど迫力満点の展開がスリリングだった。

個人的にはシガーニー・ウィーヴァーが「随分と老けた」との印象を持ったのと、アカデミー賞授賞俳優のフォレスト・ウィテカーが「旅行者」との設定だったが、別の設定での役柄を見てみたかった。

テイラーが裏切り者になるのだが、テロ組織との繋がりや裏切りの過程をもっと描いても良かったと思う。しかし、この映画の構成が「異なった視点からの現場目撃」に焦点を当てているのでやむを得ないだろう。
【自己採点】(100点満点)
77点。ストーリーとしては分かりやすく娯楽性もあり楽しめた。

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Last updated  2008.04.09 22:50:17
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