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2008.04.09
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
33.4ヶ月、3週と2日
■原題:4Luni,3Saptamini Si 2Zile
■製作年・国:2007年、ルーマニア
■上映時間:113分
■字幕:地田牧子
■鑑賞日:3月29日、銀座テアトルシネマ(京橋)
■公式HP:ここをクリックしてください
4ヶ月、3週と2日.jpg
□監督・脚本・製作:クリスティアン・ムンジウ
□撮影・製作:オレグ・ムトゥ
□共同製作:アレックス・テオドレスク、サガ・フィルム
□製作総指揮:フロレンティア・オネア
□編集・音響:ダナ・ブネスク
□美術:ミハエラ・ボエナル
□衣装:ダナ・イストラーテ
□音響:ティティ・フレアヌク、クリスティアン・トゥルノヴェツキ
キャスト


◆アナマリア・マリンカ(オティリア)大学の寮で生活しルームメイトの為に「一肌脱ぐ」
◆ローラ・ヴァシリウ(ガビツァ)望まない妊娠をして違法な中絶を決意しオティリアに協力を仰ぐ
◆アレクサンドル・ポトチェアン(アディ)オティリアの恋人で彼の母の誕生会に彼女を招待する
◆ルミニツァ・ゲオルジウ(アディの母)アディの母で自らの誕生会を自宅で賑やかに開く
◆ヴラド・イヴァノフ(ベベ)ガビツァの中絶を担当することになった医師

【この映画について】
チャウシェスク独裁政権末期のルーマニアでは中絶は非合法で、それを犯すと重罪が待っていた。しかし経済が破綻した状況下では、密かに中絶をするものが多かったという。
タイトルの『4ヶ月、3週と2日』とは、カビツァが中絶する日までの妊娠期間の事で中絶出来るギリギリの期間のことでもある。
ほぼワンシーン,ワンショットで撮影された本作は、俳優の表情や行動を執拗に追う事で、セリフに表れない感情を見事に引き出している。2007年のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞。
【ストーリー】(一部ネタばれあり)
1987年の冬のある日、チャウシェスク政権下のルーマニアで、大学生のオティリアは寮のルームメイトのガビツァとせわしくなく動き回っていた。
寮を出て大学に向ったオティリアは、構内で恋人のアディに会った。彼は、オティリアに頼まれていたお金を貸し、夜彼の自宅で開く母の誕生会に来て欲しいと告げた。

寮を出たオティリアはホテルへ行くが、予約が入っていない事を知り、仕方なく別のホテルを取る。
またガビツァの体調が優れないことから、彼女は代わりにある男に会う事に。実はガビツァは妊娠しており、オティリアはその違法中絶の手助けをしていたのだ。しかし思うように事は進まず、オティリアの苛立ちはつのっていく。
街の外れのバス停を待ち合わせ場所としていたが、中々相手が現れなかったが、何とか目的のベベという男と会う。

ベベは中絶を手伝う医師である。そのベベは約束の本人が現れなかったことや、別のホテルになったことに不満を述べていた。
部屋で待っていたガビツァと落ち合った二人だったが、ベベは二人の不手際と違法行為である中絶手術を引き受ける代償である金額提示が低すぎるとなじる。そのまま帰ろうとするベベに対して、二人は何とか金の工面を試みるがそれでもベベを満足させる額には遠かった。

その時、オティリアは自らの肉体をベベに差し出すことで不足分を埋めるのだった。そして、遂にガビツァの中絶手術をホテルの一室で行うことになった。不安で一杯のガビツァ。
手術の間、オティリアはアディとの約束である彼の母の誕生会に顔を出すために、彼のアパートメントへと向った。しかしその間にもガビツァのことが心配なオティリアは、心ここにあらずの態度を取り、アディもそんな彼女の煮え切らない態度に苛立ちを覚える。

誕生会への出席もそこそに切り上げて、彼女はホテルへととんぼ返りする。そして、そこで彼女がみたガビツァの姿とは?中絶は成功したのか?赤ん坊の処分は?

オティリアとガビツァの長い一日はまだまだ続くのだった...。
【鑑賞後の感想】
2007年のカンヌ映画祭ではこの作品がグランプリで、河瀬監督作の「もがりの森」がそれに次ぐ賞を授賞していた。
「もがりの森」は既に観たのだが、今回の作品は「ルーマニア映画」という日本では馴染みの薄い国での映画という点と、扱っている内容がルーマニアのかつての社会問題を題材にしているということもあって迷ったが見ることになった。

この映画の特徴は、チャウシェスク政権(チャウシェスク大統領は国民の反感を買って処刑されました!)末期のルーマニアでは「妊娠中絶」は違法だった。政府の方針で労働力確保の名目で、女性には最低でも3人の子供の出産を「押し付けられて」いた時代だった。
45歳になるまでに4人を生むまで中絶は許されず、14~5歳の中学生にまで出産が奨励されていた。また、各職場には定期的に「妊娠のチェック」が行われ生理の調査までさせられていた。

こういう社会がヨーロッパの東側で行われていたとは、日本人の我々には想像も出来ない国家である。宗教観の違いもあるのだろうが、国家がセックスに介入し女性を子供を生産する機械としか見ていないようだ。
そうした社会情勢の中で映画では、当時の社会主義政権が徹底した情報管理をしていた様子も随所に出てくる。どこに行くにも身分証明書を提示するので、ベベもホテルが急遽変更になったときに焦っていたのはそうした背景があるからだ。

この映画ではガビツァが中絶手術を受けるシーンが生々しく再現されている。しかも、この映画はワンショットで各シーンが撮影されているので無音の場面も多い。手術中の方法を「解説」するベベのセリフも凄いが、オティリアがホテルの部屋に帰ってきて、バスルームでタオルに包まれた赤ん坊を見て驚くシーンも生々しかった。
普通はこういうシーンは、引いたアングルで見るものに想像させるのが常だがズバリそのものを見せてしまう。

この映画はこのような管理社会の中で、若い女性が望まない妊娠(避妊は厳禁の社会)をして如何にして二人はこの難局に対処して、そしてこの世の中を生き抜いていく決意を固めていったのかがテーマのような気がした。
【自己採点】(100点満点)
69点。扱っているテーマに関しては考えさせられえるが、映画ならではの娯楽性には欠けていたが、それは観る人の好みの問題だろう。

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Last updated  2009.02.07 21:50:18
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