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KINTYRE’S   DIARY~旧館

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2008.05.16
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カテゴリ:アメリカ映画
47.ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
■原題:There Will Be Blood
■製作年・国:2007年、アメリカ
■上映時間:158分
■字幕:松浦美奈
■鑑賞日:5月10日、アミューズCQN(渋谷)
■公式HP:ここをクリックしてください
ゼア・ウィルー・ビー・ブラッド.jpg
□監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダーソン
□原作:アップトン・シンクレア
□製作:ジョアン・セラー、ダニエル・ルピ
□製作総指揮:スコット・ルーディン、エリック・シュローサー、デヴィッド・ウィリアムズ
□撮影監督:ロバート・エルスウィット
□編集:ディラン・ティチナー
□美術:ジャック・フィスク
□衣装デザイン:マーク・ブリッジス
□音楽:ジョニー・グリーンウッド
キャスト


◆ダニエル・デイ=ルイス(ダニエル・プレインヴュー)一攫千金を狙う山師で石油採掘を行っている
◆ディロン・フレイジャー(H.W.)ダニエルの一人息子だが、その出生は謎に包まれている
◆キアラン・ハインズ(フレッチャー)ダニエルの仕事上のパートナー
◆ポール・ダノ(イーライ・サンデー)布教活動に熱心な若き牧師でダニエルとは利害が...
◆ケヴィン・J・オコナー(ヘンリー)ダニエルの音信不通の「弟」で或る日急に現れる

【この映画について】
ダニエル・デイ=ルイスにアカデミー主演男優賞をもたらした注目作。アメリカン・ドリームを「石油採掘」で我が物にした主人公の野心と欲望を描いた大河ドラマ。
ドロドロとした醜い欲望にまみれ、「一人息子」や側近さえ信じない人間不信の主人公には、血や心で繋がる人間よりも富と権力を「パートナー」として選んだ。
監督は、『ブギーナイツ』、『マグノリア』のポール・トーマス・アンダーソン。ロックな作品が多い監督だけあって、音楽が場面と一体化して凄まじい力を持つ。特に油井の火災シーンは、登場人物の恐怖と絶望を音楽が代弁していると言ってよいかも。
【ストーリー】(一部ネタばれあり)
一攫千金を夢見るダニエル・プレインヴューは、一匹狼の鉱山労働者として鉱山や石油の採掘を行っている。
野心家の彼は、商談を有利に運ぶ目的で、いつも交渉の場に幼い1人息子「H.W.」を連れて石油の採掘を行っていた。
ある青年から、「故郷の広大な土地に石油が眠っている」と聞いた彼は、パートーナーのフレッチャーと共に米西部の小さな町、リトル・ボストンに赴き、安い土地を買占め、油井を掘り当てる。
一方、その地に暮らす若き牧師イーライ・サンデーは布教活動に熱心で、実は狂信的とも思える聖霊派教会のカリスマ的存在で、採掘の収益から寄付へまわす約束を守らないプレイヴューをこころよく思わない。イーライは、この町でカリスマ性を高める目的でこじんまりとした今の教会を、プレインヴューがもたらす採掘の収益から建て替える野心を持つ。

しかし、油井やぐらが火事になり、幼い息子は聴力を失う。精神に混乱を来した息子を、プレインビューは彼方の土地へ追いやってしまう。
その後、一旦は事業が上手く進むように見えたが、住民との感情的な対立から孤立するプレインヴュー。その頃、イーライは熱狂的な説法で住民達を惹きつけ信者を増やしていく。
やがてプレインヴューは自分の欲望の為に、敢えてイーライの教会で屈辱的な洗礼の儀式を受入れることになった。その一方で、プレインヴューを一人の男が訪ねてくる。その「男」は「弟」だと名乗るが...。
更に、事故で聴力を失い遠ざけていたH.W.が成長して戻ってくるが、H.W.は「父」の仕事を継ぎたいと宣言するがプレインヴューは「ライヴァル」だと冷たく突き放す。そして、H.W.の出生の秘密が明らかになる
【鑑賞後の感想】
ストーリーは石油採掘にかける一人の男の強欲さと、その彼を利用しようとする布教活動に熱心な若者の話だ。

プレイヴューは自分の「息子」でさえ商売に利用するなど、その狡猾さやいやらしさが際立った性格で側近の者さえ容易に近づけない。この石油採掘に情熱を燃やす男に対して、こちらも一歩も引かない宗教家の若い男の腹黒さも愉快だ。

この若き宗教家を演じるポール・ダノは、私人としての弱い性格と宗教家としてのカリスマ性を演じ分けている。一方、アカデミー賞主演男優賞を受賞したダニエル・デイ=ルイスの一筋縄ではいかない石油採掘人役も見事にはまっていた。
冒頭から石油まみれになりながら、自力で発掘調査をする姿はアカデミー賞受賞に相応しいと思った。その彼には「H.W.」なる母が分からない息子がいるが、この息子が石油採掘現場の爆発事故の影響で聴力を失い、ふさぎがちになってしまい父から遠ざけられてしまう。
成長期に被ったこの事故の影響からか、H.W.は父に認められたいとの思いが潜在的にあったと見えて同じ仕事を目指す。それでも父は再びH.W.を突き放し父子間には埋め難い感情の壁が生じてしまう。

石油という金のなる木を失うことを何よりも恐れていたプレインヴューにとって、他人どころか身内でさえ信じず唯一「金」の存在だけが頼りだった。
プレイヴューとH.W.「父子」、プレインヴューとイーライの「利害関係」この二つが絡み合って最後まで目が離せない展開だった。人間のドロドロとして「強欲」さを「宗教」が癒すことが出来なかった...と言うかイーライでさえも宗教家という名の下に「金銭への執着」はプレイヴューと似ている部分もあった。

脚本も監督も出演者の演技も全てが素晴らしく、中だるみも無駄なシーンも一切無かった。ダニエル・デイ=ルイス出演作は始めてみたが、これだけの演技力がありながらもこうした役を演じると次作へのインターバルは開きそうな気もする。どんな作品に出るか興味深く注目したい。
【自己採点】(100点満点)
89点。ダニエル・デイ=ルイスの演技は素晴らしかった。

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Last updated  2009.02.25 23:28:27
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