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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:ヨーロッパ映画
60.美しすぎる母
■原題:Savage Grace ■製作年・国:2007年、スペイン・フランス・アメリカ ■上映時間:97分 ■字幕:松岡葉子 ■鑑賞日:6月29日、ル・シネマ(渋谷) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・編集:トム・ケイリン □脚本・製作総指揮:ハワード・A・ロッドマン □原作:ナタリー・ロビンズ、スティーヴン・M・L・アロンソン □製作:イケル・モンファルト、ケイティ・ルーメル、パメラ・コフラー、クリスティーン・ヴァション □製作総指揮:ジョン・ウェルズ、テンプル・フェネル、ジョナサン・ドーフマン、ヘンガメ・パナヒ、スティーヴン・ヘイズ、ピーター・M・グレアム2世 □撮影監督:ファン・ミゲル・アスピロス □編集:ジョン・F・ライアンズ、エナラ・ゴイチェア □衣装デザイン:ガブリエラ・サラヴェッリ □美術:ヴィクトル・モレロ
【この映画について】 この映画が実話に基づき描いているのは、母と息子の緊密すぎる絆ゆえに濃密な愛がもたらした悲劇である。 監督デビュー作『恍惚』でも実際の殺人事件を取り上げたトム・ケイリンが、主演には「ブラインドネス」が公開されたばかりの演技派ジュリアン・ムーアを迎え、愛する息子に殺された実在の女性バーバラ・ベークランドの物語を映画化。 その息子役には「ブーリン家の姉妹」に出演していたエディ・レッドメインが、どこか頼り無さそうな青年を演じている。 【ストーリー】 貧しい家庭に育ったバーバラは幼い頃から金持ちの男と結婚することが幸せになる道と母に教え込まれていた。 その教えどおり大富豪のブルックスと結婚し息子のトニーをもうけ、母の教えどおり理想の結婚生活を送っていた。しかし、上流階級の一員として認められたいバーバラが社交に熱中する傍らでブルックスの心は次第に冷えていく。 1959年、一家はNYからパリに居を構えながらも優雅な日を送っている。その後も、一家はスペイン北部からマジョルカ島へと移っていく。 そしてトニーは母親思いの優しい青年へと成長していくが、正反対のタイプの父とは上手く行っていない。バーバラはトニーの同性愛傾向を懸念し、スペイン女性ブランカとの交際を勧めるがトニーは友人ジェイクとの気ままに遊ぶのを好んでいた。そして、あろうことかブランカはブルックスと親密な仲になったことがバーバラの知るところとなり公衆の面前で夫を罵倒する。ブルックスはこの年若い恋人のもとに去るのだった。 取り残された母は精神のバランスを崩し、サム・グリーンを呼び寄せる。サムはバーバラに絵を描くように勧めるとサムはバーバラの元を去っていった。 そして母と息子は依存と偏愛の果てに悲劇的な終焉に向かって突き進んで行く。 【鑑賞後の感想】 実話を元にした映画ということだが、この際、実話かどうかというのは大きな問題ではない。 貧困から抜け出すには大富豪と結婚して子供をもうけるのが一番と言う、女性の古典的な考えがストーリーのベースになっていた。 一度手に入れた裕福な家庭を手放したくないバーバラは、一人息子トニーを溺愛する。人付き合いが苦手な夫グラントとは逆に社交的な彼女は上流階級の生活にどっぷりと浸る。そして何時の間にか夫とは心が離れていき、その隙間を埋める存在が一人息子のトニーだった。 トニーは母思いの優しい息子だが、トニーには同性愛の傾向があり母を悩ます。この辺りから母と息子の関係は「男と女」の関係へと静かに変貌していく。 ジュリアン・ムーアはどことなく悪女の佇まいを感じさせながらも、一人息子を溺愛する女性を個性的に演じていた。その一人息子トニー役のエディ・レッドメインはその風貌からも分かるように、どこか頼りなく素直で優柔不断な青年役をキチンと表現出来ていた。 結末は呆気無いというか、実話に基づいているのでなんとも言い難いが、夫との仲が冷え切っていてトニーを溺愛していたのにああなるとは彼女はどういう想いをその瞬間抱いたのだろうか? 【自己採点】(100点満点) 69点。ジュリアン・ムーアは今が年齢的にも女優として曲がり角に差し掛かっているような気がしました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
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Last updated
2009.01.20 21:59:19
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