9-11.ベンジャミン・バトン~数奇な人生
■原題:The Curious Case Of Benjamin Button
■製作年・国:2008年、アメリカ
■上映時間:167分
■字幕:小山悟
■鑑賞日:2月7日、新宿ジョイシネマ(歌舞伎町)
スタッフ・キャスト(役名)□監督:デヴィッド・フィンチャー
□脚本:エリック・ロス
□撮影監督:クラウディオ・ミランダ
□衣装デザイン:ジャクリーン・ウェスト
□音楽:アレクサンドル・デプラ
◆ブラッド・ピット(ベンジャミン・バトン)
◆ケイト・ブランシェット(デイジー)
◆タラジ・P・ヘンソン(クイニー)
◆ジュリア・オーモンド(キャロライン)
◆ジェイソン・フレミング(トーマス・バトン)
◆イライアス・コーティアーズ(ムッシュ・ガトー)
◆ティルダ・スウィントン(エリザベス・アボット)
◆ジャレッド・ハリス(マイク船長)
◆エル・ファニング(幼少期のデイジー)
◆マハーシャラルハズハズ・アリ(ティジー)
【この映画について】
老人として生まれ、年齢を重ねていくごとに若くなる男の半生を、アメリカの歴史とともに描くヒューマン・ファンタジー。
「華麗なるギャツビー」で知られるF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を原作に、「フォレスト・ガンプ/一期一会」「グッド・シェパード」を手掛けたエリック・ロスが大胆に脚色、「ゾディアック」のデビッド・フィンチャーがメガホンをとった。
出演者は、フィンチャー監督とは「セブン」「ファイト・クラブ」以来、三度目の主演となるブラッド・ピット、「バベル」「エリザベス:ゴールデン・エイジ」のケイト・ブランシェットら。アカデミー賞では最多の13部門にノミネートされ、美術賞・メイクアップ賞・視覚効果賞を受賞する。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】
ハリケーンが近づく病院で、老女が娘に向かって語りはじめる。それは80歳の老人として生まれ、次第に若返っていった男の数奇な半生の物語だった。
その男、ベンジャミン・バトンは1918年、ニューオリンズで生を受けた。産むと同時に母は死に、父は呪われた赤ん坊と彼を老人養護施設に捨てる。それを拾ったのは、黒人の介護士であるクイニーだった。彼女は、その赤ん坊をベンジャミンと名付け、自分の子供として育てることを決める。
12歳になったベンジャミンは、施設の入居者の孫娘であるデイジーと出会う。6歳のデイジーは、老いた子供であるベンジャミンに親しみを感じた。やがて、ベンジャミンは船で働きはじめる。女と酒の味を覚えた彼は、ボタン工場のオーナーと知り合う。その男は、ベンジャミンの父だった。ベンジャミンのその後が気になり、彼に接近したのだ。
1936年、施設から独立したベンジャミンは恋を知り、第二次世界大戦の戦火もくぐり抜けた。1945年、施設に戻ったベンジャミンは、成長してバレエダンサーとなったデイジーに再会する。デイジーに思いを寄せるベンジャミンだが、彼女はバレエに夢中だった。
そんなデイジーが交通事故に遭い、ダンサー生命を絶たれたとき、二人は結ばれる。やがて、デイジーは娘を産む。父から受け継いだボタン工場を売ったベンジャミンは、デイジーと娘に財産を残して放浪の旅に出る。それは、自身の人生を確認するためのものだった。
旅から帰ってきた時、デイジーには夫がいた。外見は少年ながら、内面は老人になり果てたベンジャミンを見守るのは、夫を亡くしたデイジーだった。そして、赤ん坊の姿でベンジャミンはこの世を去る。長い物語を娘に語り終えて、老いたデイジーも息をひきとった。外では、カトリーナ台風が近づいてきていた。この映画は、主役のベンジャミン・バトンを演じるブラピが、特殊メイクを駆使して老年から青年期までの全てを演じ分けていることだ。内容としては老人として生まれて、両親を知らずに育ったベンジャミンが赤ん坊の姿で亡くなるまでを語るという展開だが、時代の流れも描かれ、尚且つベンジャミンとデイジーの恋愛についても語られていて飽きずに最後まで堪能出来た。
普通、人物について語る時は時系列で若い時から亡くなる時(或いは成功するまでとか)を振り返るのだが、このケースは生まれた時に既に老人の姿だった訳であり、恋人のデイジーとは逆に人生の真ん中で出会って釣り合いが取れる訳である。
こういう逆転の人生?を歩むと言う発想と、特殊メイク(CG?)の凄さを感じました。アカデミー賞の3部門受賞は妥当な線でしょう。