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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:ヨーロッパ映画
10-84.クレアモントホテル
■原題:Mrs.Palfrey At The Claremont ■製作年・国:2005年、アメリカ・イギリス ■上映時間:108分 ■字幕:石田泰子 ■鑑賞日:12月25日、岩波ホール(神保町) ■料金:1,800円 □脚本:ルース・サックス □原作:エリザベス・テイラー □衣装:マヤ・メシェーデ ◆ジョーン・ブロウライト(パルフリー夫人) ◆ルパート・フレンド(ルードヴィック・メイヤー) ◆アンナ・マッセイ(アーバスノット夫人) ◆ゾーイ・タッパー(グウェンドリン) ◆ロバート・ラング(オズボーン) ◆カール・プロクター(支配人) ◆ローカン・オトゥール(デスモンド) ◆アンナ・カートレット(エリザベス) 【この映画について】 誤解解から生じる軽妙な喜劇的展開に、老いて尚ときめく心と癒しがたい孤独を見事に浮かび上がらせた本作は、スター女優と同姓同名で、20世紀のジェーン・オースティンと異名をとる英国の作家エリザベス・テイラー晩年の小説が原作だ。 往年の名画の数々を愛し、自ら映画祭を主宰し、映画館経営者でもあるダン・アイアランドがメガホンをとり、サー・ローレンス・オリヴィエ夫人でもあるベテランのジョーン・プロウライトが気品あるヒロインを好演。 若くハンサムで機知に富んだルードに扮したルパート・フレンドは、撮影当時無名だったが、『ヴィクトリア女王 愛の世紀』『わたしの可愛い人―シェリ』などで今や注目の若手俳優だ。 (この項、gooより転載しました) 【ストーリー&感想】(ネタバレあり) 英国ロンドン。クレアモントホテルの前に、老婦人サラ・パルフリーがやってくる。最愛の夫に先立たれ、娘エリザベスから自立した生活を送るため、この長期滞在型のホテルに単身やってきたのだ。 想像とはかけ離れたホテルに落胆しつつ、ドレスアップした夫人がダイニングルームへ入ると、滞在客たちが無言のまま注目している。居心地の悪さを感じているところへ、アーバスノット夫人が声をかけてくれる。 翌日、朝食の席で、パルフリー夫人がロンドンに住む孫デズモンドのことを話すと、皆、俄然と興味を示す。ここでは、訪問客とかかってくる電話が一番の関心事なのだ。早速、パルフリー夫人は、デズモンドへ電話をかけるが留守電になってしまい、その後も彼から電話がかかってくることはなかった。 誰も訪ねてこない言い訳も底をついた頃、夫人は外出先でつまずいて転倒、偶然それを目にした青年ルードヴィック・メイヤーに助けられる。作家志望の彼は、孫と同じ26歳の青年だった。 パルフリー夫人は、お礼に彼をホテルでの夕食へ招待する。ホテルに戻り近く来客があることを伝えると、皆はついにデズモンドが訪ねてくるのだと勘違いする。困った夫人は、そのことをルードヴィックに話すと、ならば自分がデズモンドのふりをしようと提案する。こうして謎の孫デズモンドの初来訪がセッティングされた。 やってきたそのハンサムな青年に、ホテルの住人は興味津々。一方、ルードヴィックはこの偶然の出会いが小説の題材になる予感を感じていた。その後も夫人とルードヴィックは頻繁に会うようになり、お互いの孤独な生活の中で本音を語りあうようになる。だが、ある朝、突然ホテルに本物のデズモンドが現れる。パルフリー夫人は慌てて追い返し、ホテルの皆には会計士だとウソをつくのだが……。 こうしてパルフリー夫人とルードヴィックは、ホテルの皆を欺くことを楽しんでいるかのようだったが、本物の孫であるデスモンドが現れ、更には、娘のエリザベスがロンドンまでやってきても、パルフリー夫人はどこ吹く風でルードヴィックと会っている時が一番楽しいのだった。 一方のルードヴィックも親とは不仲で、その原因が売れない作家である彼自身にあるのだが、ルードヴィックもパルフリー夫人も自分の居場所は実家になく、今の環境に満足している。 そして、疎遠となっている身内より他人同士である今の関係が一番心地良いのが伝わってくる。 特にパルフリー夫人は、娘との同居を解消してロンドンへと移ってきただけに、仕事が忙しくて会いに来ない孫や娘より、親身になって話せるルードヴィックをまるで孫の様に可愛がる。 ルードヴィックも、祖母のような年齢のパルフリー夫人との会話を楽しみ、自分の境遇を理解してくれる夫人を大事にする。 その夫人が体調を崩し入院しても、娘はおろか孫も見舞いに来ず、結局、病院では「孫」で通っていたルードヴィックが夫人の最後を看取った。 遠くの親戚や疎遠になった身内より、身近な他人の方が頼りになるという事がメッセージとして伝わってくるようだった。 ルードヴィックは作家として、夫人との出来事を本に綴ることでこの思い出を忘れることは無いでしょう。 パルフリー夫人を演じたジョーン・ブロウライトは、故サー・ローレンス・オリヴィエ夫人で今回の役も貫録十分に演じていた。相手役のルパート・フレンドは当時は無名だったが、最近では話題作への出演も増えて来ている注目の俳優だ。 共演陣の一癖も二癖もありそうなホテルの皆も、誰もが演技達者で脇を固めていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.02.11 16:36:51
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