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KINTYRE’S   DIARY~旧館

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2011.01.16
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
11-5.しあわせの雨傘
■原題:Potiche
■製作年・国:2010年、フランス
■上映時間:102分
■字幕:松岡葉子
■鑑賞日:1月14日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:1,000円


スタッフ・キャスト(役名)
□監督・脚本・脚色:フランソワ・オゾン
□編集:ロール・ガルデット
□撮影監督:ヨリック・ル・ソー
□衣装:パスカリーヌ・シャバンヌ
◆カトリーヌ・ドヌーブ(スザンヌ)
◆ジェラール・ドパルデュー(ババン)
◆ファブリス・ルキーニ(ロベール)
◆カリン・ヴィアール(ナデージュ)
◆ジュディット・ゴドレーシュ(ジョエル)
◆ジェレミー・レニエ(ローラン)

【この映画について】
ジョギングが日課の裕福な妻が、心臓発作で倒れた夫の代わりに雨傘工場を任されたことで意外な才覚を発揮していく人間ドラマ。
フランソワ・オゾン監督とカトリーヌ・ドヌーヴが『8人の女たち』以来のタッグを組み、一人の主婦が問題を乗り越えながら自分の居場所を見つける姿を、コミカルな演出を交えながら描く。ジャージ姿や歌声を披露する大女優カトリーヌのコケティッシュな魅力満載で、涙あり笑いありの女性賛歌に共感必至。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【この映画について】(ネタバレあり)
毎朝のジョギングとポエム作りに励むスザンヌ・ピュジョルは、優雅で退屈な毎日を送るブルジョワ主婦。結婚30年になる夫のロベールは雨傘工場の経営者で、スザンヌには仕事も家事もやるなと命令する典型的な亭主関白だ。
娘のジョエルは、父親が秘書のナデージュと浮気しているのは「パパの言いなりのママのせい」だと非難する。一方、息子のローランは芸術家志望。工場を継ぐことには全く興味がなく、異母兄妹かもしれないとも知らず、父親の昔の浮気相手の娘と恋愛中だ。

そんな中、雨傘工場はストライキに揺れていた。労働組合の要求を断固拒否したロベールは社長室に監禁され、それを知ったスザンヌはその昔、短くも燃えるような恋に落ちた市長のモリス・ババンに力を貸してくれと頼みに行く。
今でも彼女のことが忘れられないババンの尽力でロベールは解放されるが、ストのショックで心臓発作を起こし倒れてしまう。そんな騒動の中、何も知らないスザンヌがいつの間にか工場を運営する羽目になる。しかしスザンヌは、その明るく優しい性格で従業員たちの心を掴んでいくのだった。
組合との交渉で、創業者の娘でもある彼女は、父親の代から勤める従業員たちに対して家族のような思いやりを持って接し、ストは終結。今やスザンヌの主婦目線による自然体の経営方針が次々と花開き、工場は見違えるように業績を伸ばしていた。
ジョエルとローランも母親をサポートし、ナデージュさえスザンヌに心酔している。だが、やっと自分の人生を歩き始めたスザンヌのもとに、退院した夫が帰ってきた……。

夫は会社が妻に支配されているとは知らず、直ぐにも社長に復帰出来ると思っていたところ、元々は妻の父が作った会社であり従業員は創業家のお嬢様である妻に従順であった。
女性の視点で会社の景気が上向き社長業が楽しくなり始めたのに夫が復帰すれば、再び「家庭のお飾り」のような生活には戻りたくないと考えていた。
しかし、役員会の決議で社長復帰を狙った夫は娘を懐柔し、娘は父に、息子は母に着いたが結局は娘の裏切りにあって夫の社長復帰が決まる。「女の敵は女」だったと言うのがここまでのオチだが、女は逞しかった。

自信を付けたスザンヌは何と市議会選挙に打って出て当選してしまう。議員となれば今度は会社を違った角度から支配できると考えたのだろうが、まあ、この辺りはチョイと突拍子もないのだが、オゾン監督とドヌーブが演じると決してそんな感じがしないのは不思議だ。
本作はオゾン監督独特の女性を賛美する姿勢は変わらず、ドヌーブへ対する敬愛の念を感じる作品になっている。

それにしてもこの映画を観ていると、'70年代のフランス女性の地位って随分と低く感じるけど実際はどうなのかな?これでは日本と変わらない感じがする。原題の「Potiche」とは直訳すると「飾り壺」だそうだが、「お飾り」と言った方が良いかも?
夫ロベールは典型的な亭主関白で、創業家の妻に対しては「何もしなくて良い!」「意見を言うな!」と散々言われ続ける。それが、ロベールの病を境に立場は変わり、今度はスザンヌがロベールに三行半を突き付ける。自身に長年恋心を寄せるババン市長を都合良く手玉に取ったり、選挙に立候補して当選したりと、今までのお飾り生活が嘘のように自信を持つ。

しかし、そのスザンヌに「ノー」を突き付けたのは娘であり、味方になったのは息子である点が皮肉だった。最後も、身内である家族は選挙活動を快く思わず、最大の敵は「身内」である点が強調されて終わった。

ドヌーブはこの映画で真っ赤なジャージーを着用したり、ディスコダンスに興じたりと、相変わらず若さを前面に出しているが、体型だけは誤魔化せず「歳」を感じさせられました。
観客もそんなドヌーブを観たさに足を運んだとみえ、年金世代の人が多く40代後半の私は若い部類の観客でした。





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Last updated  2011.02.20 22:48:30
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