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マックの文弊録

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2006.10.06
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◇ 10月6日(金曜日):旧葉月十五日(戊辰);十五夜、国際文通週間。

今日は旧八月十五日、十五夜である。この日のお月様をを「仲秋の名月」といって、お団子や里芋など丸い食べ物をお供えして、薄の穂を飾り、眺めて愛でるのが古来我国の慣わしであった。「仲秋」」または「中秋」は、旧暦八月の別称でもある。

しかし、折柄日本の紀伊半島付近に発達中の低気圧の所為で、東北から東日本の太平洋側では今朝から大雨である。今朝は仕事の用事で、大森にまで出張ったけれど、道端の其処此処には水溜りが溢れているわ、強風に傘は煽られるわで、革靴の中は足湯ならぬ足水状態になった。これじゃ靴じゃなくって「グズ」だ。昨晩折角整えておいたズボンも、折り目のない筒っぽうになってしまった。これじゃズボンではなく「ズッボン」だ。
東京付近では今日だけで降雨量は250ミリほどにもなるのだそうだ。

わが社の喫煙コーナーは、屋外の非常階段の一角に設けてあり、今日のような吹き降りだと、横からは雨のしぶきが飛んでくるし、上方からは水滴の攻撃を受けて、マイナスイオンだけは豊富だろうけれど、どうかするとずぶ濡れになる。それでも我慢して、雨空を眺めていると、まぁ実に後から後から絶え間なく雨が降ってくる。

「これで、250ミリもの雨が降ったら、一体どれくらいの水が空に浮いていたことになるのだろうか?」ふとそう思った。
そうなると気になって計算してみたら、一坪の広さに800リットル以上の水が注がれることになる。ペットボトルが400本以上だ。つまりは、わが社のオフィスのある千代田区(面積=11.64平方キロ)の上空には約300万トンもの水が浮いていたことになるのだ。
わぉ!そんなに多量の重い水が上空に浮いているなんて、大丈夫なんだろうか?なるほど、だから大雨のことを「天が抜けたような雨」と云うんだな。際限もなく雨滴が落ちてくる空を眺めながら、心配になってしまう.

仲秋の名月の日に大雨とは間の悪い話だけれど、実は気象庁による最近17年間の記録だと、この日の晩に晴れたのは、東京地方ではたったの2日だというから、この日はむしろ雨の特異日だと云ったほうが良いかもしれない.

ところで、月齢を見ると今日は満月ではない。「望」は明日(7日)の12時頃になっている。
お天気は、今夜半を過ぎれば徐々に回復しそうだから、明日の晩は「十六夜の満月」を楽しむことができるかもしれない。

明日はお月見の為に里芋の煮っ転がしでも作るかな。
ついでに書くと、里芋は料亭風に煮ようとすると、「六角形に剥く」ということをしなければならない。随分手間が係るものだし、剥いた里芋を煮るとあの独特の粘りが抜けてしまう。
越前は大野市では、掘り出してきた里芋を、そのまま「芋水車」に入れて皮を剥くのだそうだ。芋水車というのは一抱えほどの羽車の軸の部分を太くし、これを中空に作って、そこに里芋を放り込んで、道端の疎水の流れに渡して、水の勢いでくるくる回すのである。そうするとやがて里芋の外側の皮だけが綺麗に剥ける。包丁で剥いたのとは違って、薄皮が残るのである。
これで煮っ転がしを作ると、粘りは抜けず、実に「里芋」らしい味がするのだそうだ。

家庭でこれを再現するには、料理用のアルミホイルを1メートルくらい使って、即席のたわしを作り、これで皮を剥く。後は出汁、醤油、味醂の合わせたのをひたひたに芋に被せて、落し蓋をして煮るだけだ。験しにやってみたら、お芋の「野性味」というべき味が良くして、実に結構であった。

料亭の里芋が、しつけの行き届いた学習院の生徒だとすれば、こちらの里芋は山家そだちの、土の匂いがするガキどもだ。どっちが好きだと聞かれれば、僕の場合はガキ芋だな。だって、昔母親の煮てくれた里芋の味を思い出すことができるのだ。
皆さんも是非お試しあれ。

♪♪今回の厚木語辞書♪♪

『火の無いところで足腰立たぬ』 - 暖まる火が無いようなところでは、寒くて動きたくない。  
類似の地口として、「毛のないところに寝癖は立たぬ」
【対応する日本語】 - 火の無いところに煙は立たぬ。






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最終更新日  2006.10.06 18:32:10
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