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マックの文弊録

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2006.10.08
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◇ 10月8日(日曜):旧葉月十七日(庚午);寒露、阿寒マリモ祭。

タマスダレ群落 昨日は関東沿岸に大雨を降らせた低気圧が北に去った所為で、東京地方は「台風一過」のような良いお天気になった。仕事を片付けに出社したのだが、帰りがてら聖橋まで坂を登っていったら、秋葉原の電気街のビルの上に「十六夜の満月」が、のっと出ていた。見事な満月だった。

昨日、東京の街路は臭かった。
東京には銀杏並木が方々にあるのだが、銀杏の実が熟し始めているのである。一昨日の強風と大雨で幾つもの実が地上に落ち、その果皮が崩れはがれて匂っているのだ。金木犀と較べれば好悪は反転するが、どちらも東京のような都会にも秋の訪れを告げてくれる臭いである。

イチョウは漢字では公孫樹、又は銀杏と書く。最近どんどん派手な格好になっていく恐竜君たちが繁栄した、中生代ジュラ紀に、他の多くの被子植物と共に、今の中国の地に出現した植物である。約1億数千年前のことだそうだ。葉は小鳥のような形に広がっているが、葉脈は葉軸から並行に伸びており、分類は針葉樹である。わが国には仏教と共に伝来したのだそうだ。

イチョウの実は、あの臭い樹皮を取り去って出てくる種子の、硬い殻の中に入っている。新物の銀杏を乾煎りにして粗塩をちょっと付けていただく。翡翠のような深い緑の実は、もっちりと歯にあたり、ほのかな香りが鼻腔に満ちる。秋の味だ。

僕は銀杏が大好きだが、これはあまり食べると体に良くない。
銀杏の実に微量含まれる4-O-メチルピロドキシン(MPN)という、ビタミンB6に酷似した成分によって、食後数時間経過後、ビタミンB6欠乏症を起こすことがあるのだ。
ビタミンB6は、補酵素として人体内の様々な化学反応における酵素の働きを助ける栄養素であるが、MPNという「よく似た偽者」が体内に増える所為で、体から本物のビタミンB6が不足してしまうのだ。
このこと自体は、未だなんでもないのだが、ビタミンB6の欠乏により、典型的には、抑制性神経伝達物質の一つとして知られるγアミノ酪酸、つまりGABAの生合成が阻害される。その結果痙攣などを引き起こし、時に意識喪失にも陥ることがあるのだ。銀杏中毒症である。

銀杏中毒症は、先の大戦の前後に多発したそうだ。国のみならず国民の多くが窮乏した状況で、食生活が貧しく、且つ栄養が偏っていた。既に体がビタミンB6欠乏気味だったところに、銀杏を食べることでMPNが余計に増加した。そういうことのようである。

飽食の現代では、あまり心配する必要は無さそうだが、それでも銀杏は、幼児には食べさせない方が良い。大人でも毎日採り続けてはいけないし、一時に20個も食べると危険だそうだ。しかし、一方では、喘息の咳を抑えたり、去痰効果もあるから、まぁ、何事もほどほどにというのは、秋の味覚銀杏にも当てはまるのだ。

今日は二十四気の「寒露」。この日、太陽の黄経は195度になった。春分に起点を置く二十四気の暦も過半に入ったのである。寒露とは「空気が冷たくなり、梅雨を結ぶようになる候」という意味である。寒露の期間の七十二候によると、これからの15日間で、雁などの冬鳥が日本に渡来し始め、菊の花が咲き、キリギリスが戸口の辺りで鳴くのだそうだ。
いよいよ秋は深まっていく。

タマスダレ 公園を歩いていたら、銀杏の林の脇に、白い花が沢山咲いているのを見つけた。地面からすっと細い茎が立ち上がり、その頂きに小ぶりのワイングラスのような花がついている。白い六弁の花は如何にも清楚で、人の手が丹精した結果のように見えるが、よく見れば如何にも雑然と生えているので、どうもそうではないらしい。
調べたら玉簾(タマスダレ)という花だった。明治の御世に南米から渡来した花だそうで、彼岸花科に属する。日本の彼岸花は、今まで何もなかったようなところに、いきなりにょきっと生え出て、真紅のもじゃもじゃした花を茎の先に咲かせる。花の形こそ大いに異なるけれど、氏が同じなら振舞いもよく似ているのだ。

♪♪今回の厚木語辞書♪♪

『お角違い』 -間違った場所に行ってしまうこと。角を間違えるととんでもないところに云ってしまって、目的を果たすことが出来ない。
【対応する日本語】 - お門違い。





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最終更新日  2006.10.08 17:18:21
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