カテゴリ:日ノ本は言霊の幸はう国
◇ 10月18日(水曜日):旧葉月二十七日(庚辰);統計の日、東京靖国神社秋祭、東京浅草観音菊供養。
今週の土曜日(21日)は、オリオン座流星群の極大である。流星群が極大というのは、つまりこの日に一番沢山流れ星が飛ぶということだ。 流星群には、「しし座」とか「みずがめ座」、「ペルセウス」、「こと座」などと、星座の名前が付けられている。流星群の元は彗星である。彗星は長大な軌道を描きながら太陽を周回しているが、太陽に近付くと強烈な光や、「太陽風」に曝される。 太陽からは毎秒100万トンにも及ぶ非常に温度の高い(約100万度もあるのだ!)電離粒子(プラズマ)が宇宙空間に流れ出している。(但しこれは我々が体感する「気温」の意味ではないので、我々自身は驚いても心配する必要は無い。)それを風のようになぞらえて、「太陽風」と云うのである。しかしこの太陽風、地球付近で毎秒450kmもの猛烈な速度を持っており、とても「そよ風」なんて生易しいものではない。宇宙空間をへ巡る彗星にとっては、高温で猛烈な「大暴風」である。 数十年おきに太陽に接近する彗星は、熱せられ、暴風に吹かれて、次第にぐずぐずに崩れていく。要するにクッキーが崩れるように、細かい塵状の屑が、彗星の軌道上にばら撒かれていくのである。その軌道を地球が横切る時、このクッキーの屑は地球の引力に引かれて大気圏に突入し、大気との摩擦熱で一瞬のうちにプラズマ化して発光するのである。これがつまり我々が目にし、消えないうちに願い事をしようとする流星の正体なのだ。 彗星の軌道は太陽系の中でほぼ同じ位置にあるから、毎年地球が其処に来るのは同じ時期である。従って、その時にその軌道方向に見える星座も一定している。だから、流星群は星座と関連付けて呼ばれることになるのである。 実際に流星を観る側からすると、流星は星座を中心にして其処から放射状に飛ぶように見える。流星がそこから飛んでくるように見える中心を「輻射点」と呼ぶ。オリオン座流星群は従って、オリオン座を中心にして、広がるように流星が飛ぶのである。 流星群の活動が活発な時に巡りあうと、輻射点を中心に数多くの流れ星がひっきりなしに飛ぶ。それがあたかも光の雨のように見えることから、そういう現象を流星雨というのである。僕自身は未だ流星雨を観る幸運には恵まれていないが、観た人によると地球全体が輻射点の方向にぐぅーっと動いていくような、壮大な眺めなのだそうだ。 オリオン座流星群は、かのハレー彗星の「クッキー屑」だ。今年の極大の21日は新月の一日前だ。だから夜空には月は無い。晴れてさえいれば、流星観測には理想的なのだ。 但しオリオン座が東の空に昇ってくるのは夜の11時頃である。だから、この日はちょっと夜更かしをして夜空を眺めてみるのをお勧めする。 ♪♪今回の厚木語辞書♪♪ 『魚拓を並べる』 - 魚釣りを趣味にする人間の中で、夕食のおかずにと魚を釣る人は少ない。つまり釣った魚を身体を養う糧にするより、話のタネにしたがるのである。無論、自慢話であるから釣った魚は大きいに越した事は無い。「目の下一尺の鯉がねぇ!」と言いながら広げる腕の幅は一尺どころかその三倍ほどはある。 それを実証するために釣った魚の魚拓を作る。これを麗々しく鴨居に飾って、あぁだこうだと自慢話をするのが、釣り人の無常の楽しみなのだ。 この事から、あれやこれやと能書きを並べて、人に吹聴する事を「魚拓を並べる」という。 ところで、現在ではコンピュータに魚拓を取り込めば、自在に拡大して大型魚の魚拓を作る事など、ごく簡単になってしまった。だから、最近は魚拓を並べても疑いの眼差しを向けられるだけ、ということも多くなったのである。 【対応する日本語】 - 御託を並べる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.10.19 15:30:09
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