カテゴリ:小言こうべえ
◇ 10月23日(月曜日):旧長月二日(乙酉); 霜降、電信電話記念日。
近くの地下鉄の駅と我が社の事務所を結ぶ道路沿いに、暫く前にレトロ調の「洋食屋」ができた。「昭和30年代の洋食を」と謳い、店内にはその頃の東京の町並みの写真が飾られ、電気器具なども棚の上に並べてある。要するに、中高年の郷愁をくすぐろうという狙いだが、味は・・・まぁフツーだな。でもお店はお昼時に行列が出来るほど賑わっている様子なのは、他所ごとながらご同慶の至りではある。 今日、出先から戻るときこのお店の前を通ったら、お昼時を過ぎ、空席がちらほらする店内の窓際に近いところで、二十歳代後半と見える女性が一人で食事をなさっていた。それが、ミニスカートから長々と伸びた足を組んでご飯を召し上がっていらっしゃる。 驚いた。 足を組んで食事をする作法というのは、一体どこの世界にあるんだろう?少なくとも、いっぱしの文明国には絶対に無いはずだ。手掴みで摂るハンバーガーや居酒屋の焼鳥などの「餌」や「肴」とは違う。箸だかフォークだかは見なかったが、要するにちゃんとした「食器」を使っての食事である。「おいおい、足なんか組んでメシ食うかよ!」思わず口に出そうになった。 もっと驚いた。 このご令嬢は頬杖をついていらっしゃるのだ。正確には、テーブルの上に左の肘をついて、掌は左耳の辺りにある。最初は、ケータイで電話しながら食事をしているのか、まさか!と思ったが、流石にそうではなかった。要するに足を組んで頬杖(耳杖)をついて、右手だけで食べ物をつついていらっしゃるのだ。 ご本人は、けだるげに都会の午後のアンニュイを表現されているのかもしれないが、これ、マナーにうるさい欧米ならずとも、日本だってまともな人間がやる事じゃないだろうに。Prostituteと間違えられるぞ!いや、Prostituteだって、もうちょっとお行儀がいいんじゃないか。 どうもひどく殺伐とした光景であった。あぁいうのは、どんどんPKOにでも出してしまった方がいいと思う。 ところで、今日は二十四気の「霜降」である。太陽の黄経は210°。霜降は旧暦九月の「中気」である。 霜降の期間の七十二候(ほぼ五日ごとに区切った期間)を「要約」すると、今日から(1) 霜が初めて降り、(2) 小雨が時々降り、(3) 紅葉や蔦が色づく頃である。 これからどんどん秋が深まっていく。上高地の辺りでは、山のてっぺん辺りは雪の白、中腹までは紅葉・黄葉、麓は緑と、色づいているようだ。 次の二十四気は最早「立冬」である。 ♪♪今回の厚木語辞書♪♪ 『あつもの、にこごり、なますにふぐ(羹、煮凝り、膾に河豚)』 - 別に工夫する事も無く、何となく出来上がってしまった、無節操な会席料理のこと。「熟年のご夫婦にお徳用の秋のグルメコース!」などと謳ってキャンペーンを張る温泉旅館の食事などでよく出てくる。 【対応する日本語】 - 羹に懲りて膾を吹く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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