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マックの文弊録

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2007.02.13
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カテゴリ:小言こうべえ
◇ 2月13日(火曜日) 旧師走二十五日、戊寅、事始め、針供養。

どうもコケにされていますなぁ!

今北京で行なわれている「6者協議」は、議長国である中国が自国の面子をかけて、合意文書の最終案の作成の詰めに入ったという。
それによると、北朝鮮が原子炉や核再処理施設の稼動停止に合意し、IAEA(国際原子力エネルギー機構=普通は「国際原子力機構」と訳される)の査察を受け入れることの見返りとして、各国は先ず重油5万トンを北朝鮮に供給する。そして、同国が核放棄の次の措置に移った段階で、更に95万トンを供給するのだという。
又、既にアメリカは、現在凍結されている北朝鮮の海外預金の内、「違法性の認められない(!?)1,100万ドルに関しては、経済制裁の対象外にしても良い」とも発表している。

こういうのって、有りなんだろうか?

ここに一人の不良がいて、窃盗を働いたり、隣の家に石や汚物を投げ込んだり、周辺の住民の家族を誘拐したりしていた。それが、どこかから剣呑な機関銃を仕入れてきて、勝手に試し撃ちなんかを始めた。そして、「ほら、俺様はこんな恐ろしい武器を持っているぞ。金寄越せ。燃料も寄越せ。さもないと・・・」と云っている。そういうことだな。
それに対して、「弾を抜いて、いずれ機関銃も捨てると約束するのなら、金も燃料もやろう。」と云っている。何が変だといって、こういう姿勢は、とどのつまりこの乱暴極まる不良の振る舞いに、本質的に「分かった」と、その言い分を聞き入れているということだ。

これは、脅しをかければ、周りの大人もワルの言い分を聞く、ということと同じで、とても子供達には話せない。こういう話がまかり通る限り、子供達も皆、特に優秀な子供ほど、結局ワルになってしまう。「いつでも暴力を振るってやるぞ」と脅せば言い分が通るのでは、誰も相手のことを慮り、言論で物事を解決していこう、などとは思いっこない。

ところで、「コケにされてますなぁ」とはこういうことだ。

『北朝鮮とアメリカが1月のベルリン協議で覚書合意 - ヒル国務次官補と金桂寛外務次官。
寧辺の原子炉停止実行と引き換えに、北へのエネルギー・人道支援が同時開始。六者協議議長国の中国は、覚書の写しを受領済み。』
こういう記事が数日前の新聞にあった。不思議な事に、今のところ我国の誰もこれを問題にしていないように見受けられる。何故だ?

先ほどの例を再度引けば、件の不良に直接迷惑を被っている近隣の住民も含めた何軒かで、この不良をどう処置するか話し合ってきている。しかし、不良もさるもので、相手にするのは離れた町の人間でなくてはイヤだといっている。この離れた町の人間は、大金持ちで、しかも人も知る「大ギャング」である。
要するにこの不良の考えは、「近所の貧乏人や弱虫なんか相手にしない。先ず力の有る者とサシで話をつける。そして、こっちの言い分を通したら、細かいことは周りの連中の云うことを適当に聞いてでもやるか。」ということだ。
そうだろう?

しかも、この大ギャングは、大筋で不良の言い分を勝手に認めて約定まで交わしてしまったのだ!
実はこの大ギャングは、ついこの間別の不良をやっつけようとしたことがある。その時は、「アイツは恐ろしい武器を持っている。見たことはないけど持っているに決まっている。それにDVの実態も酷い。放っておくと、家庭内だけでなく、近所が皆迷惑する。皆も被害を蒙るぞ!」と云うものであった。
つまりは、今回と全く同じで状況であったのだ。
しかし前回は、大ギャングはこの不良を、ためらいも無くやっつけてしまった。周りに止めるものもいたが、構わず叩き潰した。やっつけたが、その後この問題は片付かないままで、大ギャングも、流石にその対処に苦慮している。

今度は同じような状況だが、大ギャングは前の不良の問題に、金も手間も取られて余裕がない。
そこを件の不良に突っ込まれているのだ。だから、叩き潰す代わりに、不良の言い分を、それも単独で呑んでしまったのだ。
論理矛盾で身勝手だが、この大ギャングの屁理屈と身勝手は昔から有名である。

さて、我国だ。
北朝鮮とは直ぐ傍の隣同士だ。何かあれば真っ先に被害を蒙る立場である。実際人的被害は既に被っている。当事者の最たるものの一人として、6者会議では主軸を握るべき立場である。それが、頭越しに談合されて、合意までとっくに取り交わされてしまった。しかもその覚書はその写しさえも、我国には事前に来ていなかった!
これを「コケにされている」と云わないで何と云うのか?

つまりは、「力(脅し)は正義である」のか?
日本は世界唯一の核爆弾の洗礼を、短い間に受けた国として、核に対してナイーブ過ぎるという批判を時に受ける。しかし、核に対するナイーブさにおいては、米国も含めていわゆる「核保有国」においてむしろ顕著である。

今日、つい先ほど、6者協議が急転直下合意を得たというニュースが流れた。それも交換条件は、かの国の全ての核関連施設と云うのではない。稼動を停止し、IAEAの査察を受け入れるのは、寧辺の原子炉だけが対象だという。情けないし、不条理であること極まりない。これで、日本人の拉致問題はもう完全に等閑に付されてしまうのは必定。今回の6者協議では、とにかく朝鮮半島、特にその北半分での非核化を餌に、大ギャング共々我国もかの不良に屈したのが明らかである。
「核」というのは、大国たるステータスを確立するための必須条件であって、それをサロンに属する少数の仲間だけに限定しておく。そしてそれを使用しないまでも、隠然たる力の背景として温存しておこうと云う、アメリカを筆頭とする核保有国の思惑が透けて見える。
核保有というのはそういうことなのである。

だから、今回の6者協議は、これまでのサロンに無礼極まる不良が闖入してきた。その無礼者を放逐しようというのが、アメリカの本音である。それが、サロンの仲間でもない我国の頭を飛び越えて、件の「不良」ととっくに合意をしてしまった背景だ。我国は、二等国以下の扱いを受けたのである。
国際政治と云う本質的に「力の世界」では、今後も同じような事があり得る。拉致問題だって、「解決済み」という不良の主張に流されてしまうに決まっている。

ならば、我国も核武装宣言をしよう!
論理的には不可能ではない。我国は公式には「余剰プルトニウムを持たない」ということになっている。それが国の現在の方針である。しかし現実には既に2003年末において、我国のプルトニウム備蓄量は40.6メトリックトンであり、約5000個の核兵器を製造するのに十分な量であるのだ!

しかし、前のブログにも書いたように、我国はエネルギー自給率20%で、食料自給率は40%でしかない国だ。現実に核武装して、戦争にでもなれば、直ぐに負ける。つまりは、平和国家としての生存を確実にしていくより他はないのだが、何も世界に向けて「非核武装国」であることを自ら言いふらして回る必要はない。

だから、国家として秘密プロジェクトを立ち上げて、一大フェイクを仕立て上げるのである。
さしずめ地勢的には夕張辺りが良いだろう。何より今や再建団体で、何とかしなければならない状況だし、ロシアや北朝鮮だって近い。そこに地下設備を作って、核兵器の開発をしているように見せかけるのである。周辺の作業員には現地の人を雇う。夕張の状況改善にも少しは役立つだろう。
プロジェクトは無論「超極秘」にするが、この国は皆に知ってもらうべき情報は伝わらない代わりに、「極秘」と言えば、しかも「超」が付けば余計に、確実にどこかから情報が漏れる。だから、この漏れ具合を上手く操作し、かつプロジェクトがフェイクであることをこそ、「厳秘密」として守り通しさえすれば、我国の「無気味さ」は、周辺国の間でじわじわと高まっていくことだろう。我国のロケット技術は、今や世界に輸出を考えられるほどの水準にある。優れた「精密化、小型化」の技術と併せて、ミサイル運搬手段を開発すれば(開発していると見せかければ)、その結果は北の魯鈍じゃなかったノドンや、デコポンじゃなかったテポドンの比ではない。

フェイクだから当然IAEAの査察なんかは受け入れられない。ウソがばれてしまう!
そうして、「核保有国サロン」の浅はかさや不遜さを揶揄しつつ、国際外交において我国の見識を浸透させていくのである。

その際に、我国の政治家や官僚が、その力量と見識において適任かどうかは・・・・これは改めてまた考えねばなるまい。





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最終更新日  2007.02.13 21:37:16
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