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マックの文弊録

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2009.01.15
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◇ 1月15日(木曜日); 旧師走二十日 庚申; 小正月、 小豆がゆ

都内某区で区議会議員をなさっている女性からメールをいただいた。
彼女は郷里の高校で同期だった人で、しばらく前に蕎麦アレルギーの原因物質を特定した事で、新聞などでも紹介された。何年か前に区議選に出馬し、首尾よく当選。現在は二期目を務めておられる。
僕は数年前に、首都圏とその近郊に在住する高校OB・OGの同期会の幹事を引き受ける巡り合わせになった。元々高校時代は友達が6人しか居ないような人間で、もっともらしい同期会の幹事など役柄でも無いのだが、「連絡はEメールだけ。余計なプロトコルは無し。とにかくいい加減になりゆきで開催して、カジュアルにやる。それでも良いなら。」と結局引き受けてしまった。それがもう数年も続いてしまい、不精な連中から「終身幹事に」などと云われたけれど、これは固辞させていただいた。それで結局「就寝幹事」と云う事で落ち着いた。

彼女とはなりゆき同期会のご縁で知り合った。(というより、実際は再会したのだが、気分は御互いに「初めまして」だった。)
お殿様やお姫様気分の同期生が多い中では、彼女はアクティブで、地域に根ざした区政活動を続けておられる。僕が文字通りになりゆきで続けてきた同期会では、取り立ててのアジェンダなどはなく、要するになんだかんだの口実で一宵酒食と共に懇談するのが常だが、彼女はそういういい加減な会員の中でも真面目なほうの最右翼に居られて、時々此方が身の引き締まるようなことをおっしゃる。

郷里の岐阜県では25日は首長選挙の投票日であり、これまた同期の、僕とは中学以来の友人が再選をかけて立候補している。彼女は2期目の区議選の際に、彼に応援をしてもらったこともあり、そのお礼とお手伝いを兼ねて岐阜にいらしたのだそうだ。
まぁ選挙のことは、投票前でもあり差障りもあろうからさて置くとして、彼女のお母上は郷里で独居の状態で、最近は体の具合を悪くされていると、件のメールでうかがった。

僕の母も父親が亡くなって以来郷里で独居の時間が長く、冬の雪の日に玄関先で滑って転んだのがきっかけのようになって、ボケが始まった。最後は施設に移り、ボケだけでなく病も得て、昨年の6月に他界した。

此方で仕事を得て以来、郷里に戻るのは年末年始位であったため、母が亡くなる10年ほど以前から、近隣の温泉に連れて行くようになった。高山、平湯、下呂、新平湯、奥飛騨、福地、養老、・・・と(中には、どういうところかを知らないままに、間違えて琵琶湖畔の雄琴温泉に連れて行ってしまったこともある!)随分色々なところに行った。
彼女にはその話が印象に残っているようで、「それを思い出して一生懸命親孝行しようと思っています。」とおっしゃる。

僕が温泉に母親を連れて行ったのは、無論親孝行が第一義だとは云え、実際には自分自身も行きたかったのだし、自分の温泉好きを満足させるために母親を口実に使ってしまった面も強い。だから、彼女のメールを読んで面映い気持ちになったものである。

それにしても、親孝行は親が生きているうちである。
亡くしてみると身に沁みてそう思う。
昨年は自分の不如意の所為で、母親の末期から告別式にはちゃんと傍にいることができたが、四十九日にはついに行くことができなかった。
父親の十三忌法要もやらなかったのに、母親の四十九日にも来ないとは、親不孝の極みだ、と妹には責められることしきりだ。しかし、「亡くなった後は折に触れて思い出すことそ供養。此方が覚えていて、時に思い出している限り、物故者は記憶の中で生き続けるのだ。法要などの仕来りなんかは坊主と生者の為のものでしかない。」と(本当にそう思うから)云ったら、「屁理屈だ」と妹に又叱られた。

わが同期の彼女は、区議会議員の職務とともに、専門の医療分野の学会での仕事も続けておられるそうだから、忙しい中大変だろうけれど、親孝行をなさってください、と申し上げたことではある。






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最終更新日  2009.01.16 19:59:01
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