カテゴリ:日ノ本は言霊の幸はう国
◇ 1月27日(火曜日); 旧正月二日 壬申(みづのえ さる): 友引、国旗制定記念日
昨日は朔日。太陰暦(旧暦)の節月は、朔をもって月初めとします。 朔とは新月の日のことです。満月のことは望。 月の満ち欠けは朔→(三日月)→上弦→望→下弦→朔と、約29日の周期で一巡します。 粗っぽくいうと、望の日つまり満月は夕方の6時に東の空に昇り、朝の6時に西の空に沈む。朔の日(新月)はこの逆で(実際には見えないけれど)朝の6時に東から昇って夕方の6時に沈みます。だからちょっと計算すると分かる(24×60÷29)ように、月の出は毎日約50分位ずつずれていくのです。 どっちへずれるかというと、時間が遅れるほうにずれていきます。 つまり満月(十五夜)の月の出が夕方の6時だったなら、十六夜(いざよい)は6時50分頃に、少しだけ上の方がひしゃげた月が昇ってきます。 次の日は7時40分頃が月の出で、これを「立ち待ちの月」と云います。 更に次の日は月の出は8時半頃となり「居待ちの月」。 更に更に次の日は午後9時20分頃が月の出で、「寝待ちの月」というのです。 今のように電灯の無い昔の夜は早かったので、9時半近くまで起きて月の出を待っているのは中々の執念だったでしょう。それでも疲れてしまうから、横になって待っている。まぁ他にやることも大して無かったとはいえ、ご苦労様なことです。月齢は19ですから、もう「まあるいまあるいまん丸い」お月様ではありません。 こうして満月の頃には月の出を気にしますが、上弦とか下弦の月という時は月が西の空に沈むときを基準にします。つまり月(この場合は半月です)を弓に見立てて、西の空にかかったときに弓の弦が上に見えるのを上弦の月、下に見えるのを下弦の月というのです。 上弦の月は宵の内に西空に見えますが、下弦の月が見えるのは従って深夜から明け方にかけてとなります。 こんな事を知っていても現代では余りものの役には立ちませんが、昔は出かけなければならない時に夜の明るさを予め知っておいたり、漁の時に潮の満ち干を知ったりするのに具体的に役に立っていたのです。 ついでに、現代でも役に立つ天体情報のご紹介をしましょう。 太陽と腕時計で方角を知る方法です。屋外で方角を知りたい時には便利です。 必要なものはアナログ式(つまり時針と分針がある)の腕時計と太陽です。太陽は位置さえわかれば別にお天気でなくても構いません。 先ず時針(短針)の指す方向を、その時の太陽が有る方向になるべく正確に向けます。日が照っていれば文字盤にうつる短針の影を利用して、かなり正確に方向を定めることが出来ます。方向が定まったら文字盤の12時の方向と短針の指す方向の、丁度真ん中を見ます。その方向が南になります。南が分かればそれ以外の方向は文字盤の上で、90度単位で離れた方向を見れば分かる事になります。 簡単ですが、僕の経験では意外に正確に、少なくとも屋外での実用上は充分な精度で方向を知ることが出来ます。 この理屈の前提になっている仮定は二つです。 一つは、太陽は大体朝6時に真東から昇って夕方6時に真西に沈むこと。もう一つは太陽が真南に来る(南中といいます)のは正午であることです。 時計の短針は、上の日の出から日没までの12時間の間に360度回転します。一方の太陽は見かけ上24時間で地球の周りを一周しますから、時計の短針が進む速度は太陽が天球上を進む速度の倍です。だから正午に南中するという仮定と合わせると、短針の指す太陽の方向と文字盤の12時の方向の丁度中間点が南になるのです。これはちょっと絵にしてみるとすぐに分かります。 実際には冬の太陽は午前6時より遅く昇り、夏の太陽は逆に早く昇ってきます。又地球の自転軸が傾いている所為で、日の出や日没の方向は普段真東や真西ではありません。それに日本中の時間は明石市を基準に定められた標準時一つに定められていますから、日本列島の東の端と西の端では、同じ時刻の太陽の位置にずれが生じます。従ってこの方法ではかなりの誤差が出るということになります。 しかしこの場合、そんな事は気にしないのです。屋外での実用上はこれで何の問題もありません。 こういったものの精度に問題が生じるのは、ミサイルを目標にぶつけたり、高速道路をちゃんとつなげたりといった、全て人工文明上の都合です。(そういう意味では腕時計も人工物ですが、その辺はあえて大目に見てもらいます。) 晴れていればこうして方角を定め、曇っていれば木の幹に着いたコケの多寡で、「あ、こっちが北だ」と知り、立って待っているくらいの時間で月が昇ってくれば立ち待ちの月。そんな程度で人間の本来の生活には支障が無いのです。 さてさて、昨日の26日は朔。 つまりは旧正月の元旦だったのです。 改めて明けましておめでとうございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.29 02:42:27
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