カテゴリ:よもやま話
◇ 3月24日(火曜日); 旧二月二十八日 戊辰(つちのえ たつ): 大安、社日
今日の暦の欄に記した「社日」は「しゃにち」と読む。社日とは雑節の一つである。 雑節は、二十四気や五節句などの暦日の他に、季節の節目を刻むために設けられたもので、社日を含め全部で九つある。他の八つは、節分、彼岸、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日である。 これらの内「社日」と「半夏生(はんげしょうと読む)」以外は我々には今でも割合に馴染みが深い。 社日は春の社日(春社)と秋の社日(秋社)の二度あり、それぞれ春分又は秋分に最も近い戊(つちのえ)の日に定められる。今日は戊辰だから、従って春社となるのである。因みに「つちのえ」というのは、五行(世界の基本要素としての木、火、土、金、水)の内「土」に関わり、「え」は兄で陽性(「つちのと」の「と」は弟で陰性)とされる。従って土の神様を晴れがましく祀るには相応しい日なのだろう。 この日には産土神(「うぶすなかみ」と読む。我々それぞれが生まれた土地の守り神様の事だ。)をお祀りする。つまり本来は自分の産土神に参拝し、春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその年の収獲に感謝するのが農業国家日本のしきたりであった。 しかし今や一億総流浪の時代である。僕なぞわざわざその為に岐阜にまで出かける事は大変だし、よしんば出かけたところで自分の生地をテリトリーとする産土神の祠が見つかる保証は無い。 だから棲家近くの神社であっても、或いは仕事の途中でたまたま通りすがりの神社に詣でても良かろうと思う。お稲荷さんとか戦没者の鎮魂神社とか特定の「専門分野」を担当する神社で無ければ何処でも良いだろう。その辺は日本のヤオヨロズの神様は融通無碍。お詣りする側の気持ちさえちゃんと有れば固いことはおっしゃらないだろうと思う。 特に春の社日には、この日に酒を呑むと耳が良くなるという伝習がある。これを治聾酒(じろうしゅ)というそうだ。これも特別なお酒があるわけではなく、日本酒でも焼酎でもウィスキーでも、或いはビールでもワインでも良いのだそうだ。 春宵一献。今日戴くお酒に際しては、ちょっと社日のことを思い出して、「耳が良く聞こえますように」とお祈りになるのも宜しかろうと思う。それにしてもこの治聾酒、アソー君やオザワ君などにもちょっと飲ませてみたい気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.03.24 11:53:31
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