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マックの文弊録

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2009.03.24
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◇ 3月24日(火曜日); 旧二月二十八日 戊辰(つちのえ たつ): 大安、社日
(其の二)

先日行われた東京マラソンは抽選に当たらないと走れない程の盛況だった。ボストンマラソンやホノルルマラソンに負けない、一般庶民も参加できるスポーツの祭典を日本の首都で開催しよう、というのがオモテの話。
実は有事の際、首都交通網に対して交通規制を行う為のデータ収集と予行演習だというのがウラの話なのだそうだ。
朝の走者一斉スタートから、最終完走者がゴールするまでは7時間程もある。なる程これほどの長時間にわたって、首都の主要道路の交通を規制でき、又徒に人心を刺激しないで済む口実は、都民マラソン位しか無いだろう。

慢性的に混雑する首都の地上交通を緩和する為に、地下鉄路線網を整備拡充して行くというのはオモテの話。
実はこれも首都有事非常の際の特に軍事物資の搬送と、(主として)要人の移動手段を確保する為というのがウラの話。
なる程、新しい地下鉄路線程地下深くまで延々と降りなければホームにたどり着けず、これなど核攻撃を想定しての事かと思えなくもない。
結果今や東京の地下鉄は無慮13路線!おかげで東京に住んだり東京に仕事を持つ者にとってすら、路線図が無ければ何線のどの駅まで乗れば良いのかさっぱり分からない始末だ。
中でも殊に有楽町線は、自衛隊の駐屯地と防衛省、永田町を結び、重要駅の構内は戦車や装甲車がそのまま走れるように作ってある(のだそうだ)。永田町駅には首相官邸と国会議事堂に直結する秘密の通路が有る。そういう話も以前聞いた事がある。

急速に悪化を続ける不況のせいで企業にも政府にもお金が無い。だから派遣切りも人員削減も給与カットも致し方ない、というのはオモテの話。
実はこういう中でも、お金は有る所にはだぶつく程有る、というのがウラの話。
国や中央銀行、そしてBIS(国際決済銀行)には巨額の資金留保がある。然しこういうお金は国会審議などを必要とするオモテの経路では還流出来ない。
お金は流れが淀むと腐る。動かすことによって、初めて利益を生み社会を潤す事が出来る。これはオモテもウラも変わりはない。
然し上で触れたお金はオモテを流れないから、これが流れる事によって潤う「社会」はいわばウラであり、普通に我々が暮らす社会より遥かに淫靡で、限定された少ない構成員によって形成されている。
この「社会」には政治家(の、特に政権与党の一部)、大企業(の一部。こういう社会には中小零細企業などお呼びではないのです)、そして大金融機関(の大部分)が所属しているらしい。彼らはこの世界を牛耳るものであると同時に受益者でもある。
然しこの世界での実際の働き手は彼ら自身では無く、金融ブローカーと呼ばれるいわば仲買人である。銀行はこういう連中を介在させることで口を拭う。彼らは窓口となる銀行の委嘱を受け、原資を小口(とはいえ庶民からすれば見たこともない額)に分割し、それぞれを資金需要を抱えた大企業や様々な団体に回して、やがて回収する。つまりは「運用」の一切を取り仕切る。
金融ブローカーは従ってやはり受益者あり、それと共に資金還流のLaundrymanとしての役割も担っている。首都圏には約三千人にも及ぶLaundrymenが蠢動しているそうだ。
こういうウラの世界には従って、お金はだぶついているものらしい。然もこれは明示的に「違法」ではない。形式上合法。然し道義的にはどうかは、どうも藪の中で分からない。(そういう仕掛けになっている。)

オザワ君は(恐らくは)大変な苦渋の末、辞任を否定し、民主党代表として続投される意向を記者会見で発表されたが、ここで取り沙汰される「政治資金の不正記載」に相当する金額はせいぜい3千万円程度。最も遅くになっても今年の9月には行われるはずの総選挙に向けては、遥かに巨額の金が政権与党を中心に動いている事を睨めば、この程度の金で嵌められたと臍を噛む思いもあるのだろう。
これは、たまたま僕自身も極々端っこの方でトラの尾を踏んでしまったような気分のある、ウラの世界のウラの話。

北太平洋地域の安全保障の一翼を担う為には、我が国もミサイル迎撃システムの導入が必要だ。然も兵器システムや管制システムは、一旦有事となれば米軍との互換性が必須だ。日本独自の開発によるものだと、いざという時に他の国との連携が取れず、結局上手く機能しないで血税の無駄になる。そう言って兵器を米国から調達したのはオモテの話。
本当は米国への経済協力に過ぎないのはウラの話。
北朝鮮から信頼性の低いボロロケットが飛んできても、ちゃんと間に合うように迎撃出来ないかもしれないというのもウラの話だったが、正直な自民党幹部が「そんな事しても当たりっこない!」と本音を漏らしてしまい、防衛大臣まで「自信がない」などと言っちゃったものだから大問題になっている。

どうも正直や素直はウラの話やウラの社会の大敵で有るようだ。

僕自身も他の大多数の人も、親には「ウラオモテの無い人間になりなさい」と云われ、学校でもそう教わってきた。学校での良い子ほどそれを素直に信じて生きてきた。
ところが社会に出るとその日から逆を体験するようになる。正直は実は「バカ」と同義であり、誠実は「甘い」と云われ、ウラオモテが無いと融通の利かない「堅物」だと云われる。
大半の元良い子はこれに順応して行き、それを生きるための方便として我が物にしていく。若者や後輩に、「君はまだまだ若いね」とか、「人生や社会はそういうもんじゃ無いんだよな」などと訳知り顔に言うのは、自らの苦い挫折を糊塗するための方便である。

これに徹底して順応できるか、或いは逆に元々本性として無節操なのを学校時代は隠していたような連中は、実社会というところではどうかすると成功者の地位に就く。中途半端にしか折り合いが付けられないと終生中途半端なままか、悪くすると大抵落伍者の地位にまで貶められてしまう。

こうなると一体親の薫陶とか学校の教育、或いは品格とか倫理というものは、むしろ実際においては「反社会」的なものでしかないのか?などと考え込んでしまう。
「ウラの話」は決して相手の目を正面から見据えてはしない。常にハスに構えて口跡も曖昧に、周囲を憚るように思わせぶりにしかしない。これも学校の時には良く注意されたことだ。「ちゃんと人の目を見て話しなさいっ!」

つくづく思うことだが、子供に教えている事を大人自らが恥じなければならないような国は、これはもう滅びますな。






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最終更新日  2009.03.24 23:19:42
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