カテゴリ:日ノ本は言霊の幸はう国
◇ 5月6日(水曜日); 旧四月十二日 辛亥(かのと い): 先負
今日は連休の最終日だ。あいにくの雨模様の天気だ。 今年の連休、中には続けて今週一杯休んでしまう人も多いらしい。それでもニュースを観ていると、操業短縮のせいで休みを強制されている人もいるようだ。本来楽しい事でも強制されれば楽しくなくなる。中々世の中うまくはいかないものである。 最近麻生首相が何となく元気に見える。 昨年9月のリーマンショック以来自民党と麻生首相の人気は低落傾向が続いた。9月以降わが国にも波及した金融危機や不況なども後押しする形で、「麻生人気」はどんどん低落して支持率は歴代で最低レベルにまで落込み、同じ自民党の中でも「麻生では次の選挙は戦えない」という危惧が高まってきた。こういう傾向は中川大臣の「酔っ払い辞任」の辺りまで続いたように思う。 しかし、その後北朝鮮のミサイル騒ぎがあった。如何にも誂えたようではあったけれど好敵手民主党の小沢代表秘書の収賄騒ぎがあった。そして今回の新型インフルエンザ騒ぎが連続して起こった。収賄騒ぎ以外の二つは「危機」とも云い得る事件だ。 こういう危機が生じると時の与党のトップには有利だ。自衛隊を動かすのは時の首相にしか出来ないし、インフルエンザ防御の水際作戦だって、時の政府しか主導権を取れない。冷静に考えれば、組織や金を動かす行政権限を行使できるのは政府でしかないから、これは当たり前の話だ。 実際に現場で汗を流し、危機の防御に尽力してくれるのは、政権政党の如何に係らずそれぞれの組織の人達であるし、動く金だって税金だ。こういう組織や人々そしてお金は、よしんば今の政権与党が民主党であった場合でも変わるものではない。同じ人々であり同じお金だ。 しかし一般の民草からするとあたかも麻生首相が決断をし、指揮をしているように見えるものだ。 これは時の施政権力者の大きなアドバンテージだ。つまり言い換えれば国や国民にとっての危機は、施政権力者にとっては「おいしい」チャンスだと云える。 民主党はこういう時にはやはり野党でしかない。つまり現実に自ら出来ることは政府に対する批判でしかないから、どうしても民草における印象は薄くなるし、どうかすると「麻生さんはあんなに一所懸命やっているのに、どうしていじめるんだ。」などとすら思われてしまう。 何しろ我々は、冷静に筋道立てて考えてみれば到底勝ち目の無いはずの戦争への道を、なし崩し的に突き進んでいるさ中、戦争の是非に関して真剣で本質的な議論を重ねる代わりに、大政翼賛会などというものを作ってしまった国であり国民性なのだ。 麻生さんは名門政治家の家系にあってこういう点には敏感なセンスをお持ちなのだろう。北朝鮮のボロミサイル騒ぎの時以来、大変上手に自分を露出していらっしゃるように見える。現在自民党内での「麻生降ろし」の声は実際弱まっているようだし、今世論調査を実施したらどんな結果が出るかは大体の想像ができる。そう思うと麻生さんは随分強運の持ち主だという気がする。 対するに民主党の小沢さんは、どうも今や印象が薄い。元々人前に出て積極的に自分をアピールするキャラクターの人ではないから、こういう状況の中では「時我に利あらず」と、早々と逼塞されてしまったのか? いっそ民主党としても与党自民党に合同して華々しく危機対処策に乗り出し、「行動する民主党」というイメージを打ち出してみたらとも思うけれど、そうなると元々分類上は、「自民党よりはややリベラルな保守政党」である民主党としては、自民党との対立軸を鮮明にするのとは逆の効果になってしまうため、中々そんな事は出来ないのだろう。 こういう時は、硬派の論客でありルックスにも優れた管さん辺りに、華々しく頑張ってもらいたいという気がする。 僕は別に民主党の支持者では無いけれど、今のまま麻生自民党のイメージが増進してしまうのはどうも面白くない。 だって、麻生さんが若し、自前の発想が「定額給付金」でしかない程度の人だったとすれば、この国がこれから良くなるとは思えないもの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.05.07 17:29:07
コメント(0) | コメントを書く |