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マックの文弊録

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2009.08.08
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◇ 8月8日(土曜日) 旧六月十八日 乙酉(きのと とり) 大安:
其の一

今日は土曜日なので、やはり政治向きのお話はおやすみ。(何のこっちゃ!?)

楽天ブログを愛読させていただいている釈迦楽さん(ハンドルネームです。勿論。)という方がいらっしゃる。釈迦楽さんは中部地方の某国立大学の教授で、学生相手に教鞭を執っていらっしゃる。(ご専門はアメリカ文化研究?)
学生を教えていらっしゃるから、夏休み前になると期末試験が有り、その採点の過程で遭遇された珍妙な誤字を選び出しては、「恒例誤字大賞」としてブログに発表なさっている。今年もそれが発表された。

僕はそれに対して以下のようなコメントを付けさせていただいた。
【釈迦楽さん;
期末試験というと、答案はやはり手書きなんでしょうね。手書きとなれば、いくら最高学府の学生でも今時はこの程度なのではないでしょうか?(それでも「押しがけ」とか「面訴書」は流石にひどいかな。)
現代の漢字教育は「読み書き並行」が原則になっていますね。つまり「漢字は読めると共に書けなければならない」という原則。
僕はこれには異論がありまして、「漢字は書けなくても、どんどん読めれば良い」と思っています。
教育漢字や当用漢字は(これも釈迦楽さんと共々に嫌いな国語審議会→文科省が勝手に決めていますが)この「読み書き並行」の原則の故に字数制限がされてしまっています。つまり文科省も「漢字を書くのは大変だ」と認めてしまっている。
その結果「読める漢字」がどんどん減っている。新聞や書物でも「拉致被害者」を「らち被害者」などと「交ぜ書き」が横行するようになっています。「骸骨」を「がい骨」、「改悛」を「改しゅん」など、その例はきりが有りませんね。
これは日本語に対する殺りく行為、いや殺戮行為です。
読める漢字はもっともっと増やさなければ、日本文化や文明は滅びます。
その代わり、書く方は(書家や趣味人を除き)パソコンにどんどん代行させれば良い。
そうなると、誤字大賞の候補には「同音異議」がどんどん増えることになるでしょう。それは、その人が言葉の意味を本当に理解しているかどうかを測る物差しにもなります。
・・・今度はワープロソフトの変換辞書を作る人の日本語能力が問われますね。
ところでウチのパソコンでは「弥縫策」が出てきません。「びほうさく」と入力して変換すると「日方策」とか「美方策」と出てきてしまいます。嗚呼!】

「交ぜ書き」については、見るだけで「汚ならしい」感じがするので、上記以上には触れたくない。それでもこの風潮は放っておくと新聞や雑誌を中心にどんどん蔓延しそうだ。これは真面目に「日本語の殺戮」だと思うから、同じように思われる諸賢はこういう悪弊を止めるために、是非にも声を上げていただけませんか?

ちょっと思い付いて「漢検」を覗いてみた。
例えば最上級の一級の試験問題の場合、全部で110問の内、漢字の「書き取り」に関する問題が70問で圧倒的に多く、設問数の64%を占めている。なんと、これは文科省の「読み書き並行」どころではない。「書き」偏重もよいところだ。
「マイル」や「ヘクトグラム」を漢字で書いてどうするんだろう。第一「ヘクトグラム」ってどんな単位だっけ?「イスカ」という鳥の名前なんて、鳥自体見かけたことがないのに・・・

「漢字があって日本語が存在するのではなく、日本語があって漢字がそれとかかわりを持つのである」と国語学者の野村雅昭さんはおっしゃる。
まことにその通りで、だから僕は、漢字は先ず読める(つまり日本語として理解できる)方が、書けることより遥かに重要だと思う。なぜなら日本語は「漢字が意味を担い、文法的な関係を仮名が分担する」という原則を、仮名の発明以来連綿と貫いているからである。

だから教育漢字や常用漢字を定めて、読める漢字まで少なくしてしまうのは問題だと思うのだ。しかし、普段縁遠い言葉に使われ、実生活では一生に何度も書くことのない漢字を書かせて「能力」を競わせるのは、いささか不健康だと思うのだ。

漢検には以前から少し興味があったのだが、これで受験するのはやめた。こんな試験は不健康だと思うのもそうだが、多分僕は落第してしまうだろう。結果があからさまになったら、普段偉そうに言っている立場としては沽券に関わるのだ。







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最終更新日  2009.08.09 12:57:38
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