カテゴリ:よもやま話
◇ 8月10日(月曜日) 旧六月二十日 丁亥(ひのと ゐ) 先勝: 西鶴忌
台風9号の影響で、昨日の日曜日はこの辺(所沢市界隈)は一日中どんよりしたお天気で、夕方には一時驟雨に襲われた。千葉や東京の北区や板橋区では急な出水もあった。台風にもっと近い関西地区では、被害はもっとひどかったそうだ。このところ暫くの間、豪雨の被害が各地で相次いでいる。 台風は今日から明日にかけて、近畿東海地方から北東に進路を屈曲して、此方の方へ進んで来るそうだ。これは、注意しなければならない。 既に被害を受けた皆さんには衷心よりお見舞い申し上げます。 又高速道路50キロの渋滞を押して、これらの地方に夏休みで帰郷された皆さんには、折角の行楽なのにお気の毒様です。(でも内心では余り同情しない。) 昨晩8時前には、関東地方では結構大きな地震までもあった。震源は東海道南方沖地下340キロメートル。マグニチュードは6.2。関東地方を中心に最大震度は4だった。 僕は丁度家の二階の部屋に居たが、ユラユラとした揺れが暫く続いて一旦納まった後、今度は又、前より強い揺れが続いた。木造二階建ての家でも、物が落ちてきたりする事は無かったが、それでも随分気味の悪い思いをした。震度4というのはあれ位の揺れなのだろうか? 直後に千代田区のマンションの2階に住む友人に電話したら、「知らない」というので拍子抜けした。聞けば免震構造のマンションなんだって。要するに自然に鈍感になって、知らぬ存ぜぬで過ごせるお住まいなんでしょうね。(ケッ!) その後現在(月曜日午後11時)までに、北海道十勝支庁、岩手県沿岸北部、福井県嶺北地方、そして東海道南方沖で、合計4回の地震が観測されている(気象庁の公式発表による)。これは最近から遡っての順番だ。 その中で、東海道南方沖の地震は、震源は昨晩と同じ北緯33.1°東経138.1°だから、昨宵の地震の余震だろう。震源は共にこれは駿河トラフの南方海上だ。 ちょっと説明しておくと、トラフというのは日本語では「舟状海盆」と呼ばれ、海底の窪地の事だ。この窪地の深さが6千メートル以上になって大規模になると「海溝」と名前が変わる。 本州の南方には伊豆半島の付け根から四国の南方にかけて、南海トラフという長大な窪地が横たわっている。この北東の端の部分を駿河トラフと呼んでいるのだ。 現代では広く認知されているプレートテクトニクス理論では、地球の表面は何枚かの板(プレート)に分かれており、それぞれは海洋底を構成していたり、その上に大陸が乗っていたりする。そして、そのそれぞれが地下から沸き上がってくる熱対流に乗って移動し、お互いにぶつかり合っている。 プレート同士がぶつかり合うところでは、海洋プレートは大陸プレートの下に沈み込んでいく。こうして海洋プレートは再び溶融される。 この過程で、地球の内部に溜まった熱(この熱の殆どは、微惑星が衝突を繰返して地球が出来上がった時に集積された位置エネルギーである)が解放される。そして地球は冷やされる。 つまり、プレートテクトニクスは、原始地球が出来る時に集積された熱を、宇宙空間に放射していくという熱交換の現象とも言えるのだ。 日本列島はユーラシアプレートという、ヨーロッパからロシア、中国に及ぶ、広大な大陸プレートの東の端っこに乗っかっている。そこにフィリピン海洋プレートが南南東の方角からぶつかっている。 これは、随分以前からの現象だ。 伊豆半島は元々フィリピンプレートの端に乗った島であった。それがユーラシアプレートに衝突して、本州にくっついた。その時の衝撃で愛鷹、湯河原、箱根などの火山(温泉)群が出来、箱根山も持ち上がり、富士山まで出来てしまった。今から百万年ほど前。地質的年代的には「ほんの昨日」のことだ。 二つのプレートがぶつかるところでは大陸プレートに海洋プレートが潜り込んで行く。そこには二つのプレートの境界に沿って溝が出来る。これがトラフである。 プレートが潜り込んで行くといっても大規模な岩盤同士の事だ。スルスル滑らかに、というわけには行かない。ギシギシゴリゴリときしみながら無理やり潜り込んで行くのだ。そうすると文字通り軋轢が生じる。それで嵩じたストレス、つまり歪のエネルギーに岩盤が耐え切れなくなった時に、一挙に崩れたり、跳ね上がったりする。これが地震だ。 つまり、地震はプレートのストレス解放の行動なのだ。従ってトラフに沿った付近は別の言葉で言えば、大規模な活断層地帯と云うことになる。この地帯の何処でいつ地震が起ころうとも不思議ではない。 これが大規模になると、大地震になる。 昨晩と今日早朝の地震の震源は、地図で見て分かるように駿河トラフのやや南方である。つまりフィリピンプレートが未だ潜り込む前の地域になる。だから、予想される東海大地震や南海大地震とは直接の関係は無さそうだし(だから、マスコミも大騒ぎしない)、またこの地震がそれらの直接の引き鉄になることも無い。 しかし、だ。 そうなると、関東大震災でエネルギーが解放されて以来、南海トラフの歪エネルギーは未だ蓄積され続けているままだということにもなり、これは逆に心配だ。本当は南海トラフ沿いに、小規模の地震がちょこまかと有ったほうが良いのだ。歪のエネルギーは、小出しにガス抜きしてやるに限る。 これは、夫婦や恋人、友人の間でも、更に言えば政治の世界でも同じだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.11 00:09:43
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