カテゴリ:よもやま話
◇ 8月13日(木曜日) 旧六月二十三日 庚寅(かのえ とら) 仏滅: 月遅れ盆迎え火
都市砂漠東京などと言われる事もあるけれど、僕は最近東京が好きだ。 以前は地下鉄や車で移動する事が殆どで、誰もが東京と聞いてイメージする、所謂「大都会」の側面しか知らなかった.。だからその頃は余り好きではなかった.。鉄骨とコンクリートとガラスで出来たバカ高い建物ばかりあって、その合間をコンクリートのスパゲティが縫っているようなところは、商いやカネのやり取りをするのには都合がいいけれど、それ以外に一体何があるんだと思っていた。 しかし、最近は少し生き方も変わって、歩き回るチャンスが増えた。自分の足だけでなく、バスなどを利用するチャンスも以前よりは増えた。 暫く前に久しぶりに都電に乗った時にもそう思ったけれど、歩くのは勿論、バスだの都電だのという乗り物は、地下鉄や山手線などとは違って、地上の事が互いに関連付けてよく分かるようになるのは不思議なくらいだ。お陰で、地下鉄の駅と駅の間の路線を地上から想像できるようにもなった。 そうなると、東京が江戸だった頃からの名残を、方々に再発見する事ができるようになった。こうなってくるとやはり他の並みの都市とは違い、流石に江戸開府以来400年間の歴史の凄さを感じる。史跡のような世界が近代的な「東京」の中に紛れ込んでいるのだ。そういうものを発見すると嬉しい。無論今更僕が発見するのではなく、今まで見落としたり気付かなかったのを、今更ながら見つけるということに過ぎないのだが。 窓辺に花を飾るのはヨーロッパの都市の専売特許のように思われているけれど、東京だって下町の路地なんかに迷い込むと驚くほどに花が多い。季節ごとに、僕など名前も知らない花が、玄関先にさりげなく丹精されていたり、鉢に生けられて、軒先に飾られていたりする。 こういうところ、大都会といっても中々捨てたものどころじゃありません。 意外だったのは、東京には緑地が多いということだ。 それまでも新幹線などで各地の都会を車窓から眺めると、東京はこんな大都市なのに結構緑があるじゃないかと、漠然と感じていた。 それで例によってちょっと調べてみた. 国土交通省の平成20年3月末時点での統計によると、全国の政令都市の内東京特別区(東京23区のことです)の都市公園面積は2,561ヘクタールで、何と第一位である。第二位は神戸市で、第三位は札幌市だ。都市公園面積では、東京23区は全国で金メダルである。おめでとう! しかし、一人当たりの面積となると、東京23区はたったの3平方メートル。つまり一坪にも満たないで堂々のドン尻!これは如何に東京23区に多くの人が詰め込まれているかという事になるな。 神戸市はこの点では第一位。神戸市は面積の面でも、広大な北海道の都市である札幌市を抜いているし、阪神淡路大震災での被害を思えば、まことにご同慶の至りである。これもおめでとう! (尚、国土交通省のデータには、なぜか岡山市の分が抜けている。どうしてだろう?) このデータだけからは一概には言えないけれど、「東京には他の都市と較べて格段に緑が多い」とは、少なくとも言えそうだ。 緑が多いと、町を歩いていても心地が良いが、夏場になると葉陰や草むらに潜むやぶ蚊も多くなる。 この季節、歩いているとやぶ蚊にも沢山襲われる。今日は、途中の公園で一休みしていたら早速狙われた。食われたら痒いし、虫除けや痒み止めなど持ち歩いていないから、気がつくたびに叩き潰した。 ウチの宗旨は(普段はすっかり忘れているけれど)曹洞宗で、つまりは仏教だから殺生戒がある。 それに蚊の類は雌しか刺さない。殺生戒を守るよりも、フェミニストである僕としては本来殺すに忍びない。それに、彼女たちは自らの卵を育むために人や獣の血を吸うのだから、決して遊び心や憎悪の心で刺す訳では無い。種族保存のために、やむなくこういう所業に及ばざるを得ないのである。 そうは思っても、黒と白の縞模様のヤツがプイッと肌に留まると反射的に手が出てしまう。これは反射神経だから止むを得ない。今日の戦績は九勝六敗だった。九勝といってもその内3回は、潰す前に彼女たちは口吻から既に毒液を素早く注入済みだったから、実際は六勝九敗だというべきかも知れない。 毒液といっても、これは本来彼女たちが吸った後、体内で血液が凝固しにくくするためのものだそうだ。折角命がけで吸った血が固まってしまっては、卵の栄養にする事は出来ない。そういう成分がたまたま人間に「痒い!」という反応を起こさせるのだ。だからこの点でも彼女たちには悪意はない。第一そんな痒みが無いほうが、吸血中に人間に気付かれるチャンスも減るだろうから、蚊にとってはその方が有利のはずだ。 あれやこれや考えた結果、本日武運つたなく散華された彼女たちには、月遅れ盆の迎え日の今日、謹んで南無阿弥陀仏を奉げよう。 ところで、以前から不思議に思っていたのだが、やたらと蚊に食われる人が居る。僕の知り合いにもそういう人が居るが、この人は「こっちの血の方があんたより美味しいからさ」と悔し紛れにおっしゃる。しかし、蚊からすれば刺すまでは血の味など分からないはずだから、これは屁理屈だ。或いは負け惜しみに過ぎない。 蚊が人肌に寄ってくるのは、呼気や皮膚呼吸で発散される炭酸ガスに反応しての事だと、以前に教わったことがある。炭酸ガスそのものに個人差などは無いはずだから、特定の人が他よりもより刺され易い理由としては考えにくい。 又、蚊はアルコール臭にも反応するそうだ。しかし、しらふの時だって一緒にいれば明らかに僕の被害の方が少なくなる。これが事実だとすれば、一体何故だろう? それはともあれ、こういう人が居てくれたほうが、やぶ蚊のいる場所ではありがたいから、あえて相手の論理破綻は追及しないで、「そうそう、きっと君の血の方が美味しくて、僕のは濁って不味いんだよ」と話を合わせておくことにしている。 東京には緑地が多いということは、やはりやぶ蚊の生息数も政令都市中で一番なのだろうか?こういう統計はあるのだろうか?管轄官庁はやはり厚生労働省だろうか?あそこの大臣はやぶ蚊より憎らしそうな顔をしているしなぁ. まぁ、これ以上はこの件に深く突っ込まないようにしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.13 02:03:32
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