カテゴリ:よもやま話
◇ 8月26日(水曜日) 旧七月七日 癸卯(みずのと う) 先勝: 旧七夕
◎立秋間際になって全国でやっと梅雨があけたのに、それから二週間後、つまり二十四気の七月の中気である処暑(今年は8月23日でした)になったら、律儀に初秋の気配が漂いだした。今年の夏は結局「冷夏」となる様子だ。プールでは「冷夏サービス」として、遊泳料金を半額にしてしまったところも有るそうだ。野菜、特に根菜類はこの気候で高くなった。お米の実入りも真夏の強い陽射しで充実してくるのが、日照不足で捗々しくはないようだ。江戸時代だったら飢饉になっていたかもしれない。これをすぐに異常気象というのは最近の習いだが、異常が日常になってしまってはどう呼べばいいのだろうか? ◎先日ある駅頭で民主党の管直人さんの街頭演説に行き当たった。「政権交替」と「マニフェストあります」という幟が立ち並ぶ中、街宣車を降りての熱弁でつい聞き入ってしまった。政治家が演説が上手いのは当たり前かもしれないが、かねてより菅さんは国会の場でも話が上手い。自身の厚生大臣時代の次官会議や閣議にまつわる経験談を交えて、要所要所で「私はそう思うのですが、皆さんどうでしょう?」と聴衆に呼びかける。そうすると、その度に取り囲んだ聴衆からは拍手や掛け声が起こる。全員がサクラとは思えないほどの人数だったから、大部分は彼の演説に本当に賛同しての拍手や掛け声だったろう。なるほど、今や民主党の勢いは凄いものだ。 ◎レトリックというものは、ギリシャ時代に発祥したらしい。肉体労働をすべて奴隷に委ね、政治や学芸に精力を費やす事が出来る市民という階層が出現しての事だ。レトリックを伝授し、その技術を磨くための学校もあった。その学校の教師たちをソフィストと呼んだ。これに由来する言葉は現代では「洗練された」などという意味に使われる。菅さんの演説には人を惹き込み、気持ちを高揚させる洗練された力を感じた。 「・・・関東には71の選挙区があります。4年前の選挙では民主党はその内5つでしか議席を取れませんでした。5勝66敗ですよ。私も首の皮一枚で何とか勝つことが出来ました。今の政治を変えるためにはこれを66勝5敗にしなければなりません!これを自民党は革命だといいます。革命なんかは日本には馴染まないといいます。しかし皆さん、この革命は誰の血も流れません。自民党のいうこの革命によって、政治が良くなり、皆さんの暮らしもよくなる。そういう革命なら私は有ってもいいんじゃないかと思うのですが、皆さんどうでしょう!?・・・・・」 なるほどねぇ。上手いもんだ。 ◎最新の静岡大学の選挙予測だと民主党の獲得議席数は299だそうだ。対するに自民党は115議席との予想だ。時間が経つにつれ、民主党の議席数が増え、自民党のそれは減っていく。衆議院の総議席数は480だから、320議席を上回れば総議席数の三分の二を押さえる事になり、若し民主党がそうなってしまうと参議院と共に立法府の議決権は事実上民主党が単独で握ってしまう事になる。 自民党は今や勝ち負けよりもそちらの方を気にし始めたようで、最近は「日本を一党独裁の国にしていいのか!」という悲鳴のような発言も相次いでいる。この間まで三分の二ルールを都合よく駆使してきた連中が、どの口でそんな事を言えるか。と、そう思うけれど、やはり僕自身もどこの党であれそんな事になってしまうべきではないと思う。そうなると「第三極」勢力になんとかもっと頑張ってほしいのだが・・・・。 なにしろ、今度国民が確実に票の形で意見を云えるのは4年後、つまり2015年でしかないのだから。 ◎僕は西武線沿線の住民だが、最近「ゴミをほったらけにしないで」という主旨のポスターを時々見かける。この「ほったらけ」というのは、ポスターを見るまでは知らなかったので気になって仕方が無い。ひょっとして埼玉県地方の方言なんだろうか?共通語では無論「ほったらかし」だと思っているが。 そうしたら、どこだか忘れたが別のコマーシャルで「ほったらけ」を聞いた。どこだか忘れたけれど、全国区(?)のコマーシャルだったように記憶する。そうすると、僕だけが知らないだけで、「ほったらけ」は意外に全国区の言葉なんだろうか? 読者の皆さんのところでは、「ほったらかし」を「ほったらけ」と云いますか? 他にも、関東周辺(知っている限りでは東京と神奈川地域)では「歩いていく」を「歩っていく」と云うようだが、これも岐阜出身の僕には初耳の言葉だった。 又、逆に「もうやっこ」、「やっとかめ」という、岐阜を含む東海地方では普通に使っている(と思う)言葉が、こちらでは通じないという経験もしている。 「もうやっこ」(「もうやい」ともいう)は、「均等に分け合う」と云う意味だし、「やっとかめ」は「久しぶり」と云う意味だが。 方言と云うのは、イントネーションや構文自体からのものもあるけれど、こういう単語だけと云うのもある。単語だけの方言だと中々気がつきにくい。どなたかお教え願えればと思う。 ◎気象庁が緊急地震注意報を誤って発令した事で責められている。結果はソフトウエアの中で単位系を間違えてしまったのがどうも原因のようだ。これが防災放送で流されてしまったり、地下鉄の一部が運転を一時見合わせたりで、騒ぎになった。苦情の電話などが百件以上寄せられたとの事で、気象庁の担当課長さんが涙目で記者会見をなさっていたのは、お気の毒だった。 結果的には大地震は無かったのだし、期せずしてこういう注意報が発令された場合、どこがどう反応するかと云う点に関しては貴重なデータが得られたわけだから、それはそれで意味のあるものにしてくれればいいと思う。中々こういう実験はできないのだから。ただし、これが何度も続くようだと、「狼少年」になってしまいますな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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