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マックの文弊録

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2009.09.01
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カテゴリ:小言こうべえ
◇ 9月1日(火曜日) 旧七月十三日 己酉(つちのと とり) 先勝: 二百十日

二百十日より一日早い昨日、関東地方は台風11号の洗礼を受けた。幸い大した被害は無かったようだ。今日は台風一過で、久しぶりに爽やかな陽射しに出会えるかと思って楽しみにしていたら、陽射しは戻ってきたが、蒸し暑さまで戻ってきてしまった。各地は今日久しぶりの真夏日だ。

前回、「ほったらけの拍子抜け的解決」の稿で、「分かるということは忘れられるという事でもある」 と書いた。
本当にその通りだ。先週末までのあの喧騒はどこへ行ってしまったのだろう。「歴史的審判!」とか、「結党以来初めての大敗北!」とか、明日から日本がどうにかなってしまいそうな大騒ぎだったのに、日曜の午前中くらいで、そんな騒ぎは沈静化してしまった。

無論当選した方も、落選した方も、当事者の方々はそれなりに未だ大変な渦中にいらっしゃるのだろうが、僕も含めて有権者の大半は、あのハコの中に紙を入れた段階で、もう選挙も政治も遠くに行ってしまった様な気分になってしまう。

行きずりであれほど笑顔を振りまいて、「あなたのお力でどうか!」と擦り寄って握手を求めてきた人達は、又出会ったとしてもきっともう知らん振りだろうな。
選挙が終われば、政治も忘れてしまう対象なんだろうか。

由紀夫さんは、今頃は組閣に向けてお忙しいのだろう。昨日のニュースで人事の構想を問われて、「組閣人事は私の専権事項」とおっしゃったそうだ。自民党の長老辺りがこういっても何の感慨もないが、由紀夫さんの口から聞くと何だか違和感を覚える。

何しろ、ついこの間まで、「皆さんとご一緒に・・・しようじゃありませんか!」とあれほど叫び回っていた方が、自分の同僚を選ぶ段になると「それは私の専権事項」という言葉をお遣いになるのは、如何なものだろう。つい「あぁ、やっぱりか!」と思ってしまう。

僕は、政権第一党の党首が総理大臣に実質指名されることには、大いに疑問がある。
先の与党が総選挙もしないで小泉さん、安陪さん、福田さん、そして麻生さんと、4人もの総理大臣を出したり引っ込めたりしたのは、考えてみれば人を馬鹿にした話だ。

考えても御覧なさい、総選挙において上の方々の名前を自ら用紙に書ける有権者が何人いますか?極々一部の人しか居ないでしょう。

ま、前回の小泉さんと、今回の由紀夫さんは良しとしよう。この二人は自らが党の代表として、少なくとも選挙の洗礼を受けていらっしゃる。しかし、自民党の他の三人の首相経験者は、有権者としては誰も首相として選んだわけじゃない。

日本の首相たるもの、非常に大きな権限を持っている。一国の顔であり、いざとなれば国民の安全を一身に委ねなければならない存在だ。自分で投票用紙に直接名前も書けないような人に、命を預けられますか?それを考えると、首相の指名も国民による直接選挙で行ったほうが良いと思うのだ。

ま、しかし、日本は議院内閣制を採っている訳だから、百歩譲って、選挙で最も国民の信頼を勝ち得た政党の代表が総理大臣の地位を襲うところまでは止むなしとしよう。

しかし、その総理大臣が、同僚の国務大臣まで専権を以って指名してよいものか?僕は、それはダメだと思う。

話は少し飛ぶが、国務大臣の認証も天皇の国事行為の一つだ。総理大臣の任命も、国会の解散・召集も天皇の国事行為である。
つまり今回を例にとると、
先ず麻生さんが「首相としての専権事項」である解散権を駆使して衆議院を解散した。それが天皇のところに回って、天皇は解散詔書を発行された。
それに基づいて選挙が行われ、民主党が第一党になり、国会の場で(形式だけの)首班指名の議決を経て由紀夫さんが内閣総理大臣に指名される。
それが天皇に回されて、天皇は由紀夫さんを総理大臣に任命する。
総理大臣になった由紀夫さんは、「人事は私の専権事項」として国務大臣を任命する。その名簿が天皇に回されて、天皇はそれを認証なさる。
且つ、由紀夫さんは小沢さんや菅さんなどと相談して、国会の召集日を決める。その結果が天皇に回され、天皇は国会の召集を宣し、召集日にはわざわざ国会に足を御運びになる。

上記の過程で、天皇ご自身のご意見どころか、異議異論、疑問の提示、或いは拒否などの行為は一切許されていない。若し天皇ご自身が自らの意思で拒否をされると、現在の解釈では「精神の重大な疾患あり」ということで、摂政を立てることになるとされている。つまりは天皇をクビにしてしまうのだ。(これは以前このブログにも書いた)
わが国の現行憲法の下では、天皇は国民統合の象徴として、国政への関与は一切否定されているから、こういう事になる。考えてみれば、つくづくお気の毒である。

以前何度も事例が有るように、首相が勝手に辞めてしまったり、国務大臣の不祥事が発覚して辞任にいたったりした場合、任命者や認証者として天皇ご自身も、辛い思いをなさっただろうと拝察申し上げる。幾ら首相の専権事項だといっても、誠実な今上のことだ、「私は関係ない」などとおっしゃるわけには行くまい。

国務大臣の更迭の際、野党は首相の「任命責任」を厳しく問うて来た。しかし形式的にしろ最終認証者はあくまでも天皇である。天皇のお立場としては、「あんな、いい加減な大臣を任命しやがって!だから云わんこっちゃ無いじゃないか!もうあの首相はクビだ!」と切歯扼腕されたとしても、ご自身では何もおできにならないのだ。

僕はここで天皇の権能拡大や国政への関与を云々するのではない。日本の天皇制に様々な矛盾が解決されないままに残っているのは多くの人も指摘するとおりだと思うし、そのしわ寄せが天皇や皇族の方々に行っていることは事実だと思う。
しかし、それは今回の主題ではない。

再び、
首相職が最多議席数を占める党の代表に、事実として自動的に割り当てられるのは百歩譲る。
しかし、国務大臣の任命は首相の専権事項ではなく、「国務大臣候補の議会への推薦」を首相の専権事項とすべきである。この場合の議会とは衆議院ではなく参議院とすべきであろう。衆議院は論戦と議決・立法の府であり、参議院は「衆議院に対する牽制の府」、もっと高次には「良識の府」として、こういう場所でこそ、その存在意義を発揮してくれればよい。

つまるところこれは米国方式に近い。
米国では各省の長官候補は上院の資格審査を経なければならない。候補者はその資質、経歴、正統性全般にわたって実に細かく厳格な審査を受け、最終的には上院の本会議での議決による承認を受けることを求められる。これには大統領も手を出せない。
ししてその過程と結果に付いては、当然の事ながら国民につぶさに報じられる。

一国の国務大臣たるもの、公人中の公人であるから、個人情報などと云うものは顧慮されない。その結果が天皇に回され、そこで初めて天皇はこれを認証なさることとする。
なにより、こうすることで、投票後も有権者は政治に監視する権利、間接的に影響力を行使する権利を留保できる。不正献金や過去の汚職まがいの行為を糊塗したような人間が国務大臣の椅子に座ってしまうようなお粗末は、完全ではないとしてもかなり防ぐことが出来るであろう。

由紀夫さんも、今更「専権事項」などという夜郎自大を軽々に口になさらず、本当に開かれた政府をおつくりになる工夫をされては如何か。
参議院の諸賢も、二院制の本義に立ち返って、是非とも奮起願いたいと思うがどうであろうか?


最後に、そういえば選挙の際には最高裁判事の国民審査の紙もあったけれど、あれの結果はどうなったのだろうか?





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最終更新日  2009.09.01 17:49:25
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