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マックの文弊録

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2010.03.30
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カテゴリ:よもやま話
☆ 3月30日(火曜日) 旧二月十五四日 己卯(つちのと う) 仏滅: 望

Y団長;
昨晩は無事に電車で帰れましたか?
私は、未だあの時間だと自宅まで帰りつける電車はあり、(0時半頃まで大丈夫です)寝過ごさない心配さえしていれば大丈夫です(寝過ごすと上り電車が無い!)。昨晩も、お蔭さまで無事に帰りつくことが出来ました。と、いうのもやはり同期のF君からのメールが届いており(私宛のメールは全て携帯に転送されるよう設定してありますので)、それに対する返事を打っていたおかげで、居眠りで電車を乗り過ごすことを免れました。F君も昨年完全退職され、お住まいの岡山に戻っていたのですが、彼の会社の旧本社に請われて、週に三日ほど後進の指導にあたっているそうです。
お互い、この歳で隠遁してしまうのは早すぎるし、社会にとっても会社にとっても勿体ない話です。彼もそうですが、我々も我が同期生たちにしても、何らかの形で社会とは積極的な係わり合いを続けていくべきですね。

それにしても、昨晩は本当に楽しい6時間でした。最後は過分に出費させてしまい、却って申し訳無い事でした。あの店は本当に久しぶりで、それでも雰囲気は少し変わっていたといえ、味は昔の通りで良かった。「どて焼き」もおかわりをしたくらいだったから、団長にも気に入って貰えたことだろうと思います。東京で郷里の味である「どて焼き」を楽しむなど、やはり我々には岐阜の味の記憶が染み付いているんでしょうね。

それにしても団長との話が弾むと、いつも時間の経つのが早く、昨晩も気がつけば6時間も経っていたのに、未だ話し足りないくらいでした。今の私にとっては、本当に有り難い時間でした。

不思議なことに、痛くて箸を持つのにも苦労していた右手首の状態も、未だ完全ではありませんがお蔭さまで改善したようです。それにあれだけ呑んだのに、二日酔いもありません。
日頃如何にストレスが体に悪さをしていることか。あぁして杯を重ねながら談論風発の時間を過ごし、又それによってストレスを発散できるのが、如何に精神のみならず体にすら効果があることか、改めて再認した次第です。

団長も私事に於いては、色々ストレスが嵩じていらっしゃる由。昨晩の邂逅・一献が、いささかなりともそれを癒すことにでも貢献できていれば、幸せです。
厚かましく申し上げれば、又近々お願いできれば(無論その際は今度はワリカンで)大いに幸いです。

明後日は、ご友人と「今生の一献」とやら。ご友人は死に至る病を患っておられるのに、未だに永年にわたって勤務された会社でお仕事もされているとか。又、明後日も「次に病院に入るときはもう出てくることは無い」という状況にも関らず、団長との一献の場に淡々と出てこられるとか。年齢からすればまだまだ幽明界を異にするような時期では無いのに、惜しいこと限りありません。
当夜は「底抜けに明るく」という気分ではとてもなかろうとは拝察しますが、どうかご友人とのしっとりしたひと時を存分にお過ごしになられますよう。

さて、昨晩の談論の中での「老人性勘違い」を二題:
先ずは「護国寺」です。
護国寺には夏目漱石や竹久夢二のお墓はありません!
彼らのお墓が有るのは「雑司が谷霊園」の勘違いでした。
にも関らず私は勘違いをしたまま、漱石のお墓を探して、護国寺の墓所を歩き回っていたのです。
護国寺の墓所には、立派なお墓が多く旧華族の称号の付いたものや、立派な構えのものが沢山あるのですが、そういう虚栄を嫌った漱石先生のこと、きっと質素でそれなりに古いお墓だろうと探して歩いていました。墓所の区画は一応碁盤状にはなっているのですが、それでもわき道や路地様の処も多くあり、同じところを何度も歩かないよう、墓石に彫られた故人の苗字を小声で読み上げながら、縫い針状に探索しましたものです。日本人の苗字には実に色々なものがありますね!
そして、その際に野間さん一族の墓所にも遭遇したわけです。
この間、最後の最後まで勘違いしたままでした。馬鹿みたい!
それにしても、団長も私の勘違いに同調するなんて、お互いボケの程度は同じですな。

雑司が谷霊園には、漱石や夢二のほかにも、昨晩の話題に出たジョン万次郎のお墓や、他にも泉鏡花、金田一京助、小泉八雲、永井荷風、森田草平などの皆さんも眠っていらっしゃるようです。今度は改めて漱石先生と鏡子夫人のお墓に詣でてみる積りでいます。

次は「ロバート・パーカー」です。
団長がお会いになり、歓談までされたロバート・パーカーは「黄昏にマックの店で」の作者ではありません!
「黄昏に・・・」の作者はロス・トーマスでした!
ロバート・パーカーは「スペンサー・シリーズ」の作者ではありませんか!ボストンのホテルでレモンピールを入れたドライマティーニを飲んでいたのは、多分スペンサーで間違いないとは思うのですが・・・。
それにしても、私が「黄昏に・・・」が好きで、ロバート・パーカーに会った団長を大いに羨んだのも今から言えば失笑ものだけど、団長もそれを否定も訂正もせず、お互い勘違いのままであんなに盛り上がるなんて・・・!
ところで、スペンサーがドライマティーニを楽しんだバーがあるホテルは、フォー・シーズンズでしたっけ?それともリッツ・カールトン?それとも、これも全くの勘違い?
あ~、段々いよいよ不安になってきた。

話は全く変わりますが、この辺の桜もこのところの寒の戻りのせいで開花が停滞しているようです。
西行法師は「願わくば花の下にて吾死なん。 その如月の望月の頃」という詩を詠んでいますが。この花は勿論桜の花です。如月というのは旧暦の二月ですが、今年は3月16日から4月13日までが、旧暦の二月になります。そして望月とは、今日、つまり3月30日です。
今日は幸い晴れているので、満月の下、花冷えの中で、未だ満開には程遠い桜を眺め、西行の感慨を味わえるかも知れませんね。

それでは、先ずは昨晩のお礼と、「またやりましょう!」まで。





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最終更新日  2010.03.30 18:05:40
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