カテゴリ:日ノ本は言霊の幸はう国
☆ 6月13日(日曜日) 旧五月二日 甲午(きのえ うま) 赤口:
いよいよ各地から入梅の便りを聞く頃とはなってきた。 暦の上では、雑節として「入梅」というのがある。この日は太陽の黄経が80°となる。つまりは太陽暦による日である。月齢を基にする太陰暦では、暦日と季節感がずれて、農作業などの指標には適さなくなる事が多いので、太陽の黄経を基準にした二十四節気や雑節を置いて、太陽・太陰暦という折衷策を採用してきたことは以前にもこの稿に書いた。 今年の「入梅」は6月11日(金曜日)で、この日は雨の季節にかけて「傘の日」にもなっている。 ある統計によると、日本人が一年間に傘を持って出かける日数は平均90日となっているそうだ。つまり一年のうち平均4日に一度は傘の出番の日があることになる。しかしこれから約一ヶ月の間は、ほぼ毎日傘を準備して出かけることになりそうだ。 日本人一人当たりの傘の平均所有数は3本という。日本での一年間の傘の総需要は約6千万本だそうだ。最近はコンビニで安直なビニール傘が売られるようになったせいで、この数はもう少し増加しているだろうと思う。これと比較して欧州全体(一国ではなく欧州全体である)での一年間の傘の総需要数は約2千万本といわれているそうだから、我が瑞穂垂る秋津の国はまことに雨の豊かな国だといえる。 ちょうどこの季節、里山では栗の花が散り落ちる頃でもある。今の季節、栗林などを通りかかると地面が淡黄色に染められているのを観ることになる。地面に散り落ちているのは紐状の雄花だ。この雄花は独特の匂いで花粉を媒介してくれる昆虫を誘う。 栗の花には、ハナムグリ、トラカミキリ、タマムシなど昆虫がやってくるが、蝶は余り来ないようである。こういう虫たちは人間の男性にも関心を示すのかしらと思うが、余り実験してみる気にはなれない。 栗の雌花は緑色で目立たないが、これこそ成長してイガを形成し、やがてイガの中に秋の味覚、栗の実を熟させてくれる。どの生き物でもそうだが、遺伝子のシャッフルが終わると共にオスの役目は終わってしまうのだ。 さて、入梅の頃に栗の花が散ることから、「墜栗花雨」と書いて「ついりあめ」、「栗花落」で「つゆ」とか「つゆり」などと読んできた。これが「つゆ」とか「つゆいり」いう言葉の源かもしれない。奈良時代頃のことである。 じめじめと霖雨の続く梅雨は余り好かれないが、それでも雨は天からの自然の恵み。 我が郷里の岐阜では、昨日今日(12日、13日)の二日間、天皇皇后両陛下をお迎えして「第30回全国豊かな海づくり大会」が開かれている。「海づくり」の大会が海の無い河川県で開かれるのは今回が初めてだそうだ。川を単独に川としてではなく、源と海をつなぐネットワークとして考えるようになったのは最近のことだ。「世界は分けてもわからない」という観点からは喜ばしいことだと思う。岐阜では「森は水の貯金箱」などという造語も子供たちから寄せられたそうだ。 岐阜での「海づくり大会」に関しては、ちょうどほぼ一年前に収録された番組があり、これをインターネット経由で観ることが出来る。 岐阜では、「飛騨の山、濃尾の水」を略して「飛山濃水」というが、まさにその「飛山濃水」の由縁を観ることができる。主催県側の人間として高校時代からの友人も出てきて、頼もしくも懐かしかった。 この番組、中々面白かったから休日のつれづれにご覧になってみるのも一興かと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.06.13 13:24:35
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