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マックの文弊録

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2010.08.29
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カテゴリ:薀蓄

☆ 8月29日(日曜日) 旧七月二十日 辛亥(かのと い) 友引: 

【人間は考える竹輪である ? (3)】

《「おなか」は中か?》
さて、我々は一個の細胞から自身の歴史をスタートさせ、やがて竹輪になる。
その後は竹輪の皮のあちこちが出っ張ったりへこんだりして、様々なパーツが出来ていくのだが、それは竹輪という基本形を壊すものではない。相変わらず一方の開口部(入り口の方は「口」と呼んでいる)から、他方の開口部(これは肛門と呼んでいる)までつながった、一本の管であることには変わりがない。

竹輪の外側の皮(焦げ目が付いていて、これが香ばしくて中々美味しい)では、手足や指、目鼻や耳など、我々の外観を構成するパーツが作られていく。
一方の内側の皮のほうでは、引き伸ばしたり部分的に膨らませたり、或いは折畳んだりして、胃や腸などが作られていく。
つまり、竹輪の外側の皮も内側の皮も、竹輪本体からすれば「外側」なのだ。

このことを頭に入れると、我々が普通に使っている言葉を考え直さなければならなくなる。
なにしろ「おなか」は「中」ではなく、外なのだから。
「ハラにイチモツ」といえば、竹輪の穴の中に何か怪しげなものが詰まっている人の意味で使われる。しかし、上等の竹輪の穴に、チーズや牛蒡の漬けたのを細く切って詰めるとおいしい。
「ハラ黒い」とは、竹輪の穴の内側が真っ黒になっているから、これは美味しくなさそうだ。
中だと思っていたものが外だということになると、ものの見え方も少し変わってくるから愉快だ。

我々は「おなかに良い(悪い)」というのを、「体に良い(悪い)」と同じ意味で使っているが、実際には食べたものがお腹にある段階では、体の中ではなく竹輪の内側の管の途中に引っかかっているだけに過ぎない。つまり中ではなく、未だ外にあるのだ。

「おなかに赤ちゃんが入っている」という。実はこれも体の中に赤ちゃんがいるのではない。受精後6週間頃になると、体の表面の二箇所が内側にくびれ込んでいって、袋小路の細い管が2本出来る。どちらも、口から肛門に続く竹輪の穴とは別物である。
一方の管(ウォルフ菅という)は途中にさらに窪みができて、これが何れ腎臓や尿路になる。
もう一方はミュラー管と呼ばれ、これがやがて子宮や卵巣になる。
(因みに、男の子の場合にはミュラー管と呼ばれる陥没は元に戻って消えてしまう。男は、女性になり損ねた人間なのだ。この話も面白いけれど、いつか他の時にしよう。)
つまり、「赤ちゃんがお腹に入っている」といっても、元を質せば子宮は「皮の窪み」であって、竹輪の穴ですらないのだ。

しつこいようだが、「お腹」は体の内側ではなく外側なのだ。

《人間の「竹輪の内皮」》
竹輪の外側の皮の方はひとまず置くとして、竹輪の穴のほうの皮は色々に分化・発達していって、我々の生命にとって非常に重要な役割を負うようになる。

今、テニスコートを思い描いてみよう。ここでは、テニスをするのではなく、一面のテニスコートを多い尽くすほどの大きさのシートを用意する。このシートの向かい合う二つの辺を貼り合わせると大きな管が出来あがる。
これをつまんだり、細くしたり、小さな出っ張りを沢山作ったり、折畳んだり、更には途中に窪みを作ったりして、我々の体の中になんとか入れられるようにしてみよう。

そうです、これが我々の竹輪の内側の「皮」の実際の有様。両端の開口部は、一方は口で他方は肛門だ。途中の出っ張りやくびれ、折畳まれたクネクネは、胃や腸、またそれらの部分である。

この辺になると、竹輪のイメージからは随分遠くなる。
それでも、本質的にはやはり「体」の「外側」、つまりこの複雑なチューブの中にあっても、それは未だ「体外」にあることに変わりはないのだ。

《ここで再び余談》
人間の始まりは一個の細胞である。この細胞が分裂していって、上に述べたようなことが起こっていく。
一個の細胞が二個に、二個が四個に、四個が八個に・・・・・と分裂していくのだ。まるで麻雀の点数の数え方みたいだが、実際細胞はこうして増えていくのだ。

さて、「完成品」としての人間は、幾つの細胞から出来ているだろうか?
・・・我々の体は大体60兆個の細胞から出来上がっているのだそうだ。
60兆といっても大きすぎて分からない。6の後に0が13個も付く膨大な数字である。それだけの数の細胞が、最初の一個から始まるのだ。

それでは、一個の受精卵が60兆個の細胞に増えるまでに、何回細胞分裂をすることになるのだろうか?数千万回?100万回くらい?
・・・実は46回程度で済むのです。たった46回で60兆個!

これは、高校で教わった対数を使えば簡単に計算できます。
つまり、倍々で増えていく細胞がn回分裂して60兆になるのだから;

{2のn乗=6*10の13乗}
この式の「n」を求めればいい訳です。
そこで、両辺の対数をとって、・・・・ま、その結果n≒46となるわけです。

(この稿まだまだ未だ続く)





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最終更新日  2010.08.30 17:57:20
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