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マックの文弊録

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2011.03.12
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カテゴリ:そこいらの自然
【2011年辛卯 3月12日 旧 二月八日 辛酉(ひのえ とら) 先負: 】

昨日(11日)午後3時前、国会で菅さんが例によって辛い目にお会いになっている最中に揺れが来た。私は偶々その時自分の部屋にいた。私は埼玉県の所沢市に住んでおり、私の部屋は一戸建ての二階にある。

最初に来る初期微動の時には、先ず地震だとは思わない。船に乗っているように、揺れているのかそれとも自分の気のせいなのか、とっさには分からないものだ。机の脇にある水の入った容器の水面が揺れているのを見て、気のせいではないことが分かった。その内テレビでも「地震だ」といい始め、国会中継が中止された。

揺れは段々ひどくなり、色々なものが音を立て始めた。窓の外に見える電線も大きく揺れている。本棚(私の部屋ではこれが一番背が高く重い)もひどく揺れ、本が何冊か落下してくる。色々なところに乱雑に積み重ねたままの書類や何やらがドサドサと崩落する。

取りあえずは私の部屋で一番安全そうなところは、頑丈な机の下だから、その下にもぐろうかと思ったか、それも大げさすぎるか、と妙なことを考えていた。
結局最初の揺れは収まったが、その後も何度か比較的大きな揺れがきたし、何より始終ゆらゆら揺れているような気がして、長い間落ち着いた気持ちはしなかった。夕方五時頃までそんな状況が続いたように思う。

テレビでは途中から津波の警告や報道ばかりで、地震そのものに関する報道は少なくなってしまい、震源から離れた場所に住んでいる私などは、自分の近所や多くの知人や友人がいる東京での現在の状況がどうなのか、中々分からず少しじれったい思いをしたものだ。

その後報じられる被害はどんどん広がっている。現在死者と怪我人を含めて全国で1300人程度と報じられているが、この数は残念ながらこれからどんどん増えていくと予想される。
被災地の方々や、怪我などをされた方々には、衷心からお見舞いを申し上げたい。

それにしても、普段は信頼しきってその上にいる地面が揺れるのは本当に気味が悪く、不安になる。今でもそうだ。外の平穏な様子を見ても、これが「激震の前の静けさ」のような気がしてしまう。
日本が何枚ものプレートの上に乗っかった、儚い国であると頭では分かってはいても、いざ実際にそれが揺れてみると原初的な恐怖が沸き起こってきてこれを止めるすべが無い。

今回の地震は、太平洋プレートと北米プレートのせめぎ合いによるものらしい。日本周辺のプレート東北地方の乗っている北米プレートは西・南・東の三方向を別のプレートに囲まれている、特に東の方向からは太平洋プレートによって西の方向に常に押されている。(図を参照)三陸沖ではこの太平洋プレートが北米プレートの下に「無理やり」もぐりこんでいるのだそうだ。

プレートの動きは年間数センチメートルだ。しかし、常にこうして動いているのだから、プレートの境界に蓄積されていく歪のエネルギーは時間が経つにつれ膨大なものになる。
こうして蓄積された歪のエネルギーが今回のような地震を引き起こす。

簡単に喩えていうと、大きなクラッカー(食べ物のクラッカーのことだ)を、別のクラッカーの上に斜めに置いて両者をそれぞれの端から向かい合うように押していく。そうするとクラッカーは(この時のクラッカーはカラカラに乾いているのではなく、少し湿っていると想像するのが良い)最初はたわんでいくが、ある段階まで行くと割れてしまうか、歪の方向によって一気にずれてしまう。
こういうことがプレート境界の地下深くでは起こるのだ。

今度の東北地方太平洋沖地震の場合、震源域が幅広い領域に並んでおり、その長さは数百キロに及ぶらしい。そうなると、今後も余震は暫くの間続くと覚悟しておく必要がある。

一方、別の角度から見てみると、地震は歪エネルギーの解放でもある。若し地震が起こらないまま、プレートが動き続けていくと、いつかはものすごく巨大な崩壊やずれが起こり、つまりは超巨大地震に見舞われることになる。そういう意味では、今回の地震によってプレート間の歪は解消されたことになる。今後余震が何度か起こることによって、地下に蓄積されている歪のエネルギーはより少なくなっていくだろう。地震は小さいものが小刻みに起こるのが良いのだ。
被災された方々には無神経なことは口が裂けてもいえないけれど、地震についてはそういう見方もあることを理解しておくのは無駄ではない。
願わくば、今回の地震による被害ができるだけ少なくて済みますように。

幸いにして、今回の地震で被害を蒙らなかった我々としては、必要以上の不安に囚われることなく、今後に向けての対応を冷静に講じておくのが良いと思う。
特に最新の情報を取得したり、係累・知己の安否を確かめるための通信手段の確保、一定量の浄水の確保、そして電力供給が途切れた際への対応(今回もそうだが、日本では原子力発電所が停止すると、電力供給量は激減する)などには、日頃から留意しておくべきだろう。
日本に住んでいる以上、地震との遭遇は避けることができない。方々も必要以上に不安に陥るのではなく、日頃の心構えをしておくことを心がけましょう。





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最終更新日  2011.03.12 13:07:46
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