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マックの文弊録

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2011.09.21
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カテゴリ:そこいらの自然
【9月21日(水曜日) 旧八月二十四日 己卯 先勝】

昨日は秋の彼岸の入りでした。二日後の23日は「彼岸のお中日」、つまり秋分の日です。秋分も春分と同じく「二十四気」(よく言われる「二十四節気」は、用語法としては誤りです)の一つです。二十四気は太陽の位置を基準としています。太陰暦の昔から言い習わされていますが、これはれっきとした太陽暦での暦日なのです。

一般には雑節の「二百十日」に、嵐などの天候災害が起こり易いと言われていますが、統計的には二百二十日(9月10日頃)から、9月末にかけて台風の来襲頻度が高いため、台風にはむしろこの期間に注意をした方が良いのです。

と、いった通り、今日本列島は台風15号の洗礼を受けています。この台風は、少し前に紀伊半島を中心に大きな雨被害をもたらした12号と同じく、沖縄や南大東島辺りをゴニョゴニョと迷走した後、やおら進路を定めて日本列島を縦断しようとしています。つい先ほどのニュースでは、14:22頃に浜松市付近に上陸し、現在時速45キロメートル程のスピードで北東に進んでいるとの事です。私の住んで居る辺りでも、午後2時半を過ぎた辺りから、急に雨風が強くなりました。雨は雨脚が白く見えるほどの、まさに「白雨」です。
予報では、台風の進行スピードは更に早くなり、首都圏では、これから明日の明け方にかけて暴風雨に見舞われるとの事です。此処のところ列島の方々では、地震やら大雨やらで地盤が緩んで不安定になっているところが多いので、なるべく被害が少ないことを祈りたいものです。

さて、例によって台風についての私のウンチクです。

【台風はどうして出来るか】
台風は太平洋の南方洋上に生じる「暖かく湿った空気の巨大な渦」だと言い換えることが出来ます。平成16年台風18号
もう少し詳しく言うと、先ず赤道付近の海上で熱せられた空気が上昇気流となってはるか高空(海面上約1万メートル)程まで達します。こうして高空に滞留した空気の塊は、やがて冷たい高空で冷やされて、海面に向かって落ちてきます。文字通り落ちてくるのです。だから海面では、落ちてきた空気の塊の圧力で「高気圧」になります。これを「亜熱帯高気圧」と言います。
高気圧では「落ちてきた空気の塊」が周囲に噴出します。つまり高気圧を中心として「外側」に風が吹き出すことになります。こうして吹き出す風は地球の自転の影響を受けて、北半球では東から西に向かう「偏東風」という流れを作ります。
この偏東風に何らかの原因で「うねり(波動)」が出来、それが渦になると、それが台風の「芽」になるのです(渦の中心では再び上昇気流が生じます)。この段階では渦は「熱帯性低気圧」と呼ばれます。
なぜ偏東風に「うねり」が出来るのかは、今の科学では未だ解明されていません。(科学といっても、実は未だ分からないことばかりなのです。)
さて、熱帯性低気圧の中心では湿った空気が上昇しています。湿った空気は上昇するにつれて温度が下がり、水蒸気は凝結して水滴に、やがては氷の結晶になります。この時「潜熱」を周囲に放出します。水蒸気が凝結した空気は更に軽くなって、もっと上昇しようとします。そうなると空気が「薄くなった」海面では、上昇する渦の中心に向かって、周囲から湿った暖かい空気が吹き込みます。この空気が又上昇していく際に同じことが起こり、それが繰り返され、熱帯性低気圧には更に「潜熱」が供給されます。台風の駆動力のエネルギー源は潜熱なのです。

こうしてエネルギーを蓄えた熱帯性低気圧では、渦の中心に向かって風が吹き込んでいるのですが、このうち「10分間毎の最大風速の平均が秒速34ノット(17.2メートル)を超えるもの」を、日本の気象庁では「台風」と呼ぶことにしているのです。
熱帯性低気圧が晴れて(というより大雨と大風で)台風に成長するためには、海水面が26℃以上であることが重要な条件だとされています。この辺りの出来事は、北半球では北緯2度から40度の辺りで起きるものですが、今回の台風15号の場合は、沖縄など南西諸島でウロウロしている間、26℃以上の海面から更にエネルギーの供給を受けて、大きくなってしまった訳です。

【台風はどの方向に進むのか】
低気圧を縫って台風の進路については、色々な要素が絡むので一概には言えないところがあります。(だから予報も難しくて、しばしば外れるのですね。)しかし大雑把に言えば、「台風は低気圧に沿って進む」と言えます。
上に述べたように高気圧は「空気が吹き降ろしてくる場所」で、低気圧は「上昇気流が起きている場所」ですから、巨大低気圧である台風も高気圧に向かっていくのは「しんどい」のですね。
前回紀伊半島に被害をもたらした台風12号に関する9月3日朝の天気図のあらましを掲げておきます。この時は、西からは中国大陸からの高気圧に阻まれ、北からは大陸高気圧に頭を抑えられ、おまけに東からは北太平洋高気圧に威圧されて、台風12号は紀伊半島付近に滞留を余儀なくされたのですね。

今回の台風15号の場合には、北の高気圧と東の太平洋高気圧がやや遠くにあり、西の高気圧は12号の時よりやや日本側に張り出してきているので、浜松付近で上陸した後は列島を縦断するコースに乗ったという訳です。

【台風の雨と風は?】
 台風は上空から見ると中心に向かって左回り(反時計回り)に風が吹き込んでいる渦だと言うことが分かります。右か左か
つまり台風の進行方向に向かって右側では、風は「後ろから」吹き、左側では「前から」吹くことになりますね。
更に進行方向の右側では、吹き込む風に台風が進む速度が「足し算」されます。例えば台風15号は現在時速約45キロメートルで北東に進んでいますが、これは秒速にすると約12.5メートルになります。今台風自身による暴風が風速25メートルだとすれば、進行方向の右側に当たる地域(私の住む付近も今回は右側です)では、実際の風速は秒速37.5メートルになります。
逆に進行方向の左側では、逆に「引き算」になって、風速12.5メートルになり、この地域では風より雨による被害を心配した方が良いということになります。
又、台風12号のように進行スピードの遅い台風では、同じ場所に大雨が長く続くため、浸水や土砂崩れの被害を受ける事が多いのです。

今、台風15号のように、台風が北東方向に進んでいる場合を例にとると、進路の右側では台風の接近によって「東寄りの風」が強くなります。その後風の向きは段々南に移って行き、最も台風の中心(目)に近づいたときには、風は「南」か「南南東」から吹くように変わります。そして、風向きが「西寄り」に変われば、台風の中心は通過していったということになる訳です。
だから台風がやって来るという時には、自分の居る、住んでいる所が進路の右側か左側かにも注意しておくのが良いのです。

さて、現在私の住んでいる辺りは風向きが南寄りに変わってきているので、そろそろ中心に最接近する頃かと思われます。

何れにしろ、雨も風ももう少し続くようです。
願わくば、大過なく過ぎて、明日には爽やかな「台風一過」となりますように。
皆さんのご無事もお祈りします。





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最終更新日  2011.09.21 17:50:08
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