カテゴリ:そこいらの自然
【5月12日(土曜) 壬辰 旧閏三月二十二日 癸酉 赤口 月齢20.8 】
近所を歩いていたら、エニシダの花の鮮やかな黄が眼を惹いた。 春未だ浅い頃のレンギョウのしなやかな黄色も良いが、春から初夏に向かうころのエニシダのコロコロした黄色も愛おしい。 エニシダは江戸時代に日本にやってきた外来種だそうだ。 元々は、地中海沿岸の産だそうで、英語ではBroomとか、特にScotch Broomなどと呼んだりする。 Broomとは箒のことだ。そういえばエニシダの樹様はボサボサの箒のように見える。ヨーロッパではエニシダの枝に跨って魔女が空を飛ぶらしい。 地中海地方は、エニシダの花の咲く春には適当に雨が降るが、夏は少雨で乾燥する。それでエニシダは花が咲くと共に葉を茂らせるが、夏に向かうと葉は少なくなり、9月頃にはすっかり葉を落としてしまう。それでも枝の表皮にも葉緑素が含まれているため、植物の命の源である光合成はちゃんとできるのだそうだ。なべて生き物はしたたかなものである。 日本名の「エニシダ」はオランダ語でこの木を表すgenista(ヘニスタ)が訛ったものらしい。つまりは江戸時代にヤン・ヨーステンさんが日本にこの木を持ち込んで、八重洲にあった自邸の庭に植えたのが由来で・・・か、どうかは知らない。 和名では「金雀枝」とか「金雀児」などと表記するが、これは花の咲いたエニシダの容姿そのままの美しい名前だ。 このごろ日本の天気はどうも「乱暴になった」気がするが、竜巻が家をなぎ倒したり、北の国では季節はずれの大雪が降る中で、エニシダが黄金色の花をいっぱい咲かせているのは健気で、その律儀さにちょっとほっとするのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.12 18:46:51
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