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カテゴリ:文化・芸術
10月12日(金)に文化の森にて、第15回博学連携フォーラムを開催しました。
今年度のテーマは、『「作る・感じる・伝える」ことから子どもたちが学ぶもの』でした。 制作と鑑賞、そして、展示の活動の中で、子どもたちが学ぶこととは何か、公開授業、講演、意見交流会を通して、考える機会としました。 公開授業では、太田小3年生さんの図画工作「博物館にかざろう」(小枝のえんぴつ作り)を実施。 森にある小枝から自分で材料を見つけて、えんぴつ風に仕上げ、博物館に展示する内容です。 まずは、材料見つけ。小枝から「えんぴつ」を作り出すには、まず、「えんぴつ」の形を確認することから始まります。棒の形に尖った部分を削り出せば、えんぴつのように見えること、また、自然の枝は、褶曲したり、枝分かれしてたり、細かったり、太かったり、様々な形をしているので、持ち手部分は、枝の特徴を活かすと個性が出せる、というように、材料をどう「鑑賞」し、見つけ出していくか、を伝えました。 森へ出て、落ちている枝から材料を見つけ出します。長い枝は、どの部分を切り出すか、自分で考えて、ボランティアさんにお願いしてのこぎりで切ってもらいます。気に入る材料を納得いくまで探し出しました。 小刀で、えんぴつ風の作品を「制作」していきます。学校で練習した割り箸より、ずっと硬くて、持ちにくい枝。それでも子どもたちは、根気強く、えんぴつの先や持ち手の模様を削り出していきます。 いったん休憩して、友だちの作品を「鑑賞」します。 つい手に取りたくなる、おもしろい作品はずらりと並んでいます。一つとして同じでない作品たちを子どもたちは、目を輝かせて見たり、友だちとつぶやきあって、思いを「伝え」ます。 作品の見せ合いっこの後は、最後の仕上げです。展示することを見据えて、自分の作品が一番すてきに見える角度を正面と決めて、名前を書いていきます。 午後から、いよいよ博物館に展示していきます。グループに割り当てられた画用紙サイズのボードが、展示スペースです。学芸員から、「今日は、みんなが作家さん。」という言葉に、子どもたちも気持ちが高まります。グループ内で、どの作品も素敵に見えるように並べ、そして、ボードの上で作り出された世界が観る人に「伝わる」ようタイトルに込めます。 完成した展示品を学年全体で「鑑賞」します。目線を作品に合わせたり、上からのぞいたり、友だちとつぶやきながら、心の中にどんどん思いがふくらんできます。「この作品のここがおもしろい。」「タイトルから作品のようすが伝わる。」「自分の作品がいいな。」 学芸員から今日の活動のふりかえりや感想を伝えました。 これから、様々な作品を見るとき、今日の体験を思い出すと、もっと作品のおもしろさが感じられるよ、と、博物館や美術館に親しみを感じてもらうよう投げかけました。 最後にもう一度「鑑賞」しました。友だちや学芸員の言葉を聞いてから作品と対話することで 、また新たなた魅力を感じ、心に思いが湧き出ている様子でした。 「作る・感じる・伝える」活動の中で、子どもたちの心は大いにゆらぎ、様々な思いや学びを得ていました。 公開授業の後は、 さいたま市大宮盆栽美術館 学芸員 石田留美子氏 による講演をいただきました。 大宮盆栽美術館は、世界初の公立盆栽美術館として、地域の文化芸術を子どもたちに伝え、誇りを持ってもらうことを願い、様々な体験活動を展開しています。 盆栽を「作る・感じる・伝える」ことから、子どもたちがどのような学びを得ているのか、ご紹介いただくと共に、学んだことをどう活かすかという課題を参加者に投げかけてくださいました。 参加者から、「今日の公開授業において、子どもたちが制作と鑑賞を繰り返し、考えていく姿はとても深い学びとなる。」「学校では、ここまでゆったりとした活動時間が取れないが、せめて博物館に来るときは、こうした学びがあっていいのではないか。」「盆美のボランティアの関わりが印象的」などの意見がでました。 博物館における学びを参加者の皆様と考える機会となりました。 子どもたちの作品は、常設展示室前に10月21日(日)まで展示予定です。 14日に、児童の一人が家族を連れて鑑賞に来てくれました。 とても誇らしげに自分の作品を紹介している姿が、この体験が単なる作品作りにとどまらず、広がりを見せていることを感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年10月16日 17時00分08秒
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