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カテゴリ:古典
八雲立つ出雲八重垣妻ごみに
八重垣つくるその八重垣を 古事記 より <盛んにわき起こる雲が、八重の垣をめぐらしてくれる。 新妻をこもらせるために、八重垣をめぐらすことよ。 あのすばらしい八重垣よ> 以前 「神々のつどう国」で出雲のことを書きましたが、日本の神々の生い立ちの元とされる出雲。 このブログの「日本の神話シリーズ」でもおなじみですが、神々の集まる地です。 当然 この地から日本文学も発展したに違いありません。 三十一文字(みそひともじ)といわれる短歌も数々あります。 あ、みそしゃもじではありません。 今日はそのさわりを紐解いてみたいと思います。 ということで、本日のお題 「八雲から三十一文字(みそひともじ)」 尚、昨日のお題は 「後期高齢者医療制度 その2」 ご覧になってない方はこちらもどうぞ 昔、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が出雲に宮をお作りになった時、一帯に八色の雲がたなびきました。 この見事な雲をご覧になった尊(ミコト)は、歌を詠まれました。 それが冒頭の「八雲立つ・・・」なのです。 この歌が、我が国で詠まれた三十一文字、つまり和歌の初まりです。 また、この地方を、出雲と名付けられたのも、この雲が由縁です。 神代の昔に思いをはせる。 八岐(やまたの)大蛇(おろち)を退治し、櫛名田姫(クシナダヒメ)を救った素戔嗚尊(スサノオノミコト)は姫をめとり、今も須賀と呼ばれる島根県東部、出雲神話に彩られた八雲山に居を構えた。 八岐大蛇退治については、こちら→「神話のロマンとミステリーシリーズ 第6話」参照ください。 奈良時代に成立した現存最古の歴史書を重んじたのだろうか。 その歌が三十一文字(みそひともじ)の事始めだと、平安中期の歌人、紀貫之は「古今和歌集」仮名序に来歴を記した。 和歌で最もなじみ深い五七五七七という短歌の韻律が、都から遠く離れた辺境の出雲で生まれた という。 今 「八雲の道」と言えば歌道を指す。 初の勅撰(ちょくせん)和歌集である古今集の権威によって、貫之の説は広く流布していったらしい。 出雲の神々の英雄の物語に古事記が紙面を多く割いたのも、この地の勢力に中央が一目置いていたことの証だと思われる。 詩歌も吟じられていたであろう。 もっとも、神話の時代が過ぎると、出雲は輝きを失う。 平安後期の公卿が出雲権守(ごんのかみ)として赴く道中の悲嘆を詠んだほどで、都人にとって出雲は左遷、配流の地でもあった。 それでも、八雲山西麓、雲南市大東町須賀の須我神社本宮には明治前後の著名人が献詠した色紙や短冊が残る。 社殿には短冊と筆が用意されていて、手にとって一首したためる参拝者も珍しくない。 日本固有の叙情詩形である和歌は、五七五七七の短歌のほか、五七を3回以上繰り返して七で結ぶ長歌、五七七を2回繰り返す旋頭歌、短歌形式に七を加えた仏足石歌体の総称だが、狭義には短歌を指す。 現存最古の歌集「万葉集」でも、所収されている約4500首の大部分が短歌である。(むろん長歌もある) 日本神話では素戔嗚尊(スサノオノミコト)が詠んだ、冒頭の句「八雲立つ出雲八重垣妻ごめに八重垣作るその八重垣を」が最初の和歌とされることから、その初めの語句を取って八雲(やくも)ともいう。⇔「八雲の道」 「八雲の道」と同じく「歌道」を表す言葉に「敷島の道」がある。 敷島(しきしま)は大和(国)あるいは日本そのものを意味する。 五音と七音の連なりが基本なのは日本語のリズムに最も合うからであろう。 歌のテーマや技法は変遷しながらも、三十一文字の定型に思いを託す手法は現代に受け継がれている。 歌ひつつ出雲路ゆけば心にも今うつくしき八雲たなびく ●こぼれ話し 某大学の学生(2~4年生)に「三十一文字」をどう読むか、と問うたところ、 結果は・・・一番多かったのは、そのまんま、 「さんじゅういちもじ」 と読んだ人で、これが55人中24人(43.6%) 「みそひともじ」と ちゃんと読めた人は、55人中19人(34.5%) そのほかの読み方は、 「さんじゅういちもんじ」=5人(9.1%) 「みそじいちもじ」 =2人(3.6%) 「みそいちもんじ」、「みといちもんじ」、「みとひもじ」、「みそいもじ」、「わからない」=各1人(1.8%) ま、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)をニホンブソン、天照大神(アマテラスオオミノカミ)をテンテルダイジンと読むくらいだから、しようがないかも知れないが・・・ ◆行方不明の ケイ君 まだ見つかっておりません。 長くなりそうなので、お知らせはヘッダーに移動しました。 ●別ブログ4/21の新着は「老眼」 前回は「泥酔で記憶がない という人の努力」 のんべえ必見! こちらも見てね 尚、迷惑書き込みがやたら多いため、現在 別ブログのコメント欄は承認後でないと投稿表示できません。 ご了承ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月22日 22時08分46秒
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