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カテゴリ:歴史
世界保健機関(WHO)が、「フェーズ6」への引き上げを決めた「新型インフルエンザ」
WHOで感染症対策を担当した押谷仁東北大教授は、「日本で半年以内に新型インフルエンザの大規模な感染拡大が必ず起きる。地域によっては、数週間以内にも起きる」と警告しました。 充分な注意が必要です。 さて、この前 「清須城」でも書きましたが、この時期以降 名古屋城をはじめ江戸時代初期の大建築ブームは木曽ヒノキの大量伐採をもたらしました。 伐採量が30万立方メートルを超えた年もある という。 戦国時代から日本の人口は急増し、百年余で3倍の3000万人台に達しました。 必然的に木の消費を促し、山林の荒廃は加速しました。 江戸時代後半 人口が横ばいとなったのは、燃料資源の枯渇も要因のひとつだといわれます。 明治になり、新エネルギーが登場するまで人口の伸びは止まりました。 歌川広重の「東海道五十三次」や「中山道六十九次」など、浮世絵に描かれている山は大半がハゲ山。 木もやせ地に生える松ばかりでした。 江戸時代の里山は、どこもこんな風景だったと推察されています。 では、本題の名古屋城築城のために、木曽でどれだけのヒノキが切られたのか? また その管理はどうしていたのか? ということで、本日のお題は 「山守」 尚、一昨日のお題は 「冠婚葬祭/納棺師」 ご覧になってない方はこちらもどうぞ さて、城構築にあたってどれだけのヒノキが伐採されたのか? ですが、城に関しては"機密"扱いが多く、明確な記録はありませんが、多くの歴史専門家がその探求に関心を寄せ、見解を示しています。 材木を運んだ経路や方法は不明ですが、数量は莫大で、"金城温古録"によれば、本丸天守御用の木材はケヤキ角物408本、ヒノキ同2085本、マツ同9796本、その他と合わせ3万7974本となっています。 金城温古録:名古屋城に関する百科事典 しかし、金城温古録に木材の記述はありませんでした。 用材に関する実際の出典は"熱田之記"という古文書でした。 築城責任者の作事奉行と大工頭の間でやりとりした記録が残されており、数字も合致しているという。 ただし、あくまで本丸天守閣についてのみで、二の丸や御殿、櫓などを含めた名古屋城全体の用材となると、推測しかない。 設計図を基に天守閣に使われた材木の体積を約2300立方メートルと計算、「全体では この記述の約25倍の原木が必要であっただろう」と 城郭建築史の大家、内藤昌・名工大名誉教授は見積もっている。 尚、裏木曽の山守だった内木家の文書から「裏木曽の川上、付知、加子母の3村に用材供出命令があり、調査の結果 川上村から2万5000本を出すことになった」とある。 「春姫の化粧料」で書いたように、尾張藩は徳川家康から木曽の管理を委譲されました。 江戸時代初期の大量伐採によって、ヒノキが枯渇する「尽山」が木曽、裏木曽のあちこちに出現しました。 そのため、尾張藩は資源保護と回復に躍起になる。 尾張藩は木曽に「山守」を置き、盗伐を「木一本首一つ」と厳罰を決め、盗伐を恐れさせました。(実際にはそうではありませんでしたが・・・) 従来 入山・伐木の禁止は鷹狩用のタカの幼鳥を捕獲する「巣山」だけだったが、寛文の改革(1665年)で、新たに資源保護を目的とした「留山」制度が導入された。 それが、「木一本首一つ」である。 数々の制約は木を暮らしの糧としてきた木曽、裏木曽の村民には死活問題でした。 禁を破っての盗伐も後を絶たなかった。 しかし、成文法があったわけではなく、前例にならっての処罰だったという。 一方で尾張藩はこの地区を重視し、村民に数々の恩典も与えています。 処罰の運用も緩くなりました。 幕末にまとまった山林犯罪に関する成文法では、追放や手鎖などにとどまっています。 1730年に裏木曽に山守制度が導入され、状況をよく知る地元有力者に管理責任を負わせました。 山守任命の背景に尾張藩の危機感がある。 代々の山守は、1年のうち250日近くは山中を歩き、盗伐の監視や山火事の防止にあたっていたという。 木曽のヒノキはこういう「山守」によって守られてきました。 このような制度がなかったため、古代から長く木造文化を支えてきた近畿の山々のヒノキは姿を消しています。 しかし、現在 国有林以外の山林は管理がいき届かず、荒れています。 このままでは、歌川広重の描いた浮世絵のように、日本全国がハゲ山になる可能性もなくはない。 尚、私のブログ仲間、秘密の洗体レディさんが、この度 本を出すことになりました。 昨日 6/12 にamazonから発売されています。 尚、「出版化キャンペーン」があり、いろいろ得点があります。 「おくりびと」の実態をとくとご覧あれ。 本にはおもしろおかしく書かれてはいますが、実態はかなり悲惨なこともあります。 なぜか大学からアクセスの多い別ブログ 更新しました ●別ブログ 6/8の新着は「皆既日食」 前回は「なりすまし 実証」 こちらも見てね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月13日 21時35分37秒
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