これはトリカラー・パステル・マルチに限った話ではないのですが、最近バンコクではダブルテールの生産量が多くなっています。ダブルテールは、本来尻ビレだった物が何故か背ビレ側にもくっ付いていると言う突然変異を固定した物と言われています。ちなみに日本の光メダカも同じ変異とされています。ベタでは更に尾ビレが二又になっているのでこの名称が付けられていると言う訳です。
上記のような骨格上の変異により、従来のシングルテールに較べて格段と幅の広い立派な背ビレを有するようになったダブルテールですが、どうしてもその性質上脊椎骨に異常が認められる個体が多く出現するのが玉に瑕です。特にダブルテール同士の交配では、80%以上も背骨がグニャグニャに湾曲した子供が生まれてくる事も珍しくありません。その為、作出ブリーダーにしてみると、売り物にならない個体が多く出てしまう為あまり手掛けたくない系統になっていました。
そんな事で、一時期はほとんど市場から姿を消していたダブルテールですが、ここ数年は見事に復活、と言うか以前にもまして見事なプロポーションで生産されるようになっています。今日の画像の個体も、厳密に言えばトリカラー・パステル・バタフライですが、ダブルテールとしてまったく文句の付けようの無い見事な外見の持ち主です。これだけの個体をコンスタントに市場に出せると言う事は、一体どの位の数のダブルテールの子供を採っているのでしょうか?それとも、子供世代に背骨グニャグニャの個体が余り出現しない系統が確立されたのでしょうか?いずれにしても、この事で、バンコクのショーベタのバリエーションが更に豊富な物になった事は間違いありません。