テーマ:熱帯魚&水草の話(1149)
カテゴリ:新!私的熱帯魚図鑑
観賞魚としての歴史が長いだけに、アカヒレには改良品種が存在します。このシリーズの第1回目に登場したのがノーマル個体、前回2回目に登場したのがゴールデン、そして今日の画像の個体がロングフィンです。 ゴールデンタイプは、ノーマル個体の中で特に黄色みの強い個体を選別し累代繁殖させて作り出した改良品種で、アルビノではありません。アルビノは色素欠乏症個体なので、黒色色素(メラニン)を体内で作り出す事が出来ません。その為、眼球を含め全身から黒い色が抜け落ちて見えるのです。ゴールデンの場合は、メラニン生成が出来ない訳ではありません。したがって、アルビノ個体をノーマル個体と交配すると、次世代以降はアルビノかノーマルどちらかの形質を持ったアカヒレが出てきますが、ゴールデンとノーマルの交配では、両者の中間的な表現の個体が出現します。前回の画像のゴールデンも、体側部に黒褐色の斑紋を見ることが出来ます。まぁ、個人的にはノーマル個体の方が美しい気がしますが、ゴールデンもきちんと飼育していれば成魚になると、山吹色になり結構キレイです。 そして、もう一方の改良品種であるロングフィンですが、こちらは間違いなく「改良」と言えるレベルの代物です。同じロングフィンでもゼブラダニオの様に、成熟するとヒレが伸張しすぎてなんだかバサバサに見えてしまう事もなく、生涯美しい姿のままでいてくれます。実際のところは定かではありませんが、元々は旧東欧諸国がドル確保の為の国策として改良したなんて話もあります。ただ、初めはヨーロッパで出回るようになったのは確かです。その為か、今でもロングフィンの本家はヨーロッパブリードで、ヒレが十分に伸張しノーマル個体の時には各ヒレの先端部分が金色に縁取られていたものがなぜか赤く染まるのが特徴です。今日の画像の個体は一方がヒレ先の赤いドイツブリードの個体、そしてもう一方が東南アジアブリードの個体です。この画像では東南アジアブリードの個体も十分美しいのですが、ヒレ先はゴールドのままでヒレの伸長も今一歩の個体がほとんどです。また、このレベルの個体を東南アジアブリードから探すのは結構大変です。ちなみに、撮影は数年前で今はこの個体たちはお亡くなりになっておりますが、どちらも毎月の様に海外出張があると言う仕事上の特権を生かし、ドイツ&香港で自分でチョイスして入手したものです。・・・って、本業は熱帯魚の輸入業でもなんでもないんですけどね。まぁ、仕事が終わった後のプライベートタイムに各国のショップやファームなどを訪問しているとご理解ください(笑)。 ノーマル種を含めた3タイプのアカヒレは、元が同じ種類だけに各々を交配しても生物学的には何の支障もありませんが、それぞれの特徴がぼやけた個体が生まれて来るため、あまりお勧めできません。やはり、それぞれのタイプ毎に繁殖させるのが正しい道ってもんだと思います。あっ、繁殖については後日って事で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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