テーマ:ベタが大好き!(585)
カテゴリ:ここから始まるベタのお話
趣味の側面からのベタの中心地がアメリカであるならば、東南アジアは間違いなく生産側から見たベタのメッカという事が出来ます。まぁ、元々ベタの原産国なんですから当たり前と言えば当たり前ですが。安い労働賃金・保温の必要がない気候・むやみやたらと豊富で入手容易な生き餌・・・と、ベタの商業的生産には申し分のない環境がそろってます。主な生産地としては、タイ・シンガポールそして最近ではインドネシアも結構力を入れて生産しているようです。もちろん、これら東南アジア諸国にも純粋なアマチュア愛好家は存在しますが、ほとんどの場合はプロもしくはセミプロ的存在な様です。 これらの国では、盛んにベタコンテストが開かれています。規模の大きな大会になると1000尾以上のベタが出品され実に壮観です。その出品者の多くは「コンテストで上位入賞して名を売る」事を目的としたプロブリーダーであり、コンテスト会場に来る客の中にも多くの業者がいるのが特徴です。これがアメリカの大会だと、ほとんどの人が愛好家なんですけどね。東南アジアのコンテストでは、ベタを収容した容器に何やら長ったらしい番号が書いてある事がありますが、これはブリーダーの電話番号で、要するに「この魚が気にいったら電話してくれ!販売するぜっ!!」って言うサインです。 かつては「東南アジアのショーベタはクオリティが低い」と言う方が、特に我が国の愛好家の中にいましたが、大きな間違いか、少々厳しい表現になりますが負け惜しみです。正直、いまやクオリティでは世界一レベルと言って間違いないでしょう。ただ、クオリティは均質ではなく、それこそピンキリなのがこの東南アジア産のベタの特徴です。要するに、安い生産コストを生かしてとにかく大量生産!って言うスタイルですから。その点、国産のベタの場合、ブリーダーの方が選別淘汰してますからクオリティは平均して高いのが特徴と言えるでしょう。ただ、1万尾の中から1尾選ぶのと、100尾程度の中から1尾選ぶんじゃ、どっちが凄い個体をチョイス出来る可能性が高いかは・・・。その証拠に、私の所を初めとする国内のベタショップそして本家本元であるはずのアメリカの業者が毎週のように東南アジアから大量にベタを仕入れていますから。 もっとも、我が国のベタブリーダが東南アジアのブリーダーより技術的に劣るとは少しも思いません。むしろ、勤勉で細部にまで気の利く我が国のブリーダーの方が、間違いなく技術は上でしょう。生産する個体の平均的なクオリティと言う点では、圧倒的に我が国のブリーダーの方が上だと思います、ただ、人海戦術でアレだけの数を生産しアレだけの値段で販売されちゃあ、商売的に勝ち目はありません。もし、自分が日本国内でベタブリーダーやるなら手間隙考えると今の販売価格の少なくとも数倍の値段じゃないと売れませんからね~。クオリティに差がなくて値段が段違いに安いんじゃ、お客さんも東南アジア産を選ぶってもんです。 残念ながら、我が国やアメリカのブリーダーは、商業ブリーダとしてではなく、ベタの品質を採算度外視で徹底的に追求する純粋なアマチュアブリーダーとしてしか生き残れないのではないかと思います。まぁ、日用品なんかを見てみれば当たり前の流れで、国内生産業者は安い労働賃金のアジア諸国の製品に太刀打ちできなくなっているのと同じ事です。これが、技術力で製品に大きな差の出る精密機械や自動車の心臓部分とかだと話は別なんですけど、ベタではそこまでの精度は要求されませんから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012/01/10 12:10:28 PM
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