テーマ:熱帯魚&水草の話(1149)
カテゴリ:新!私的熱帯魚図鑑
アカヒレという魚は飼育だけでなく、繁殖も実に容易です。元々価格の実に安い魚なので、その方面から繁殖を狙うのは労力の無駄ですからお勧めしませんが、実はアカヒレの稚魚は成魚とは少々趣が異なり、体側部のラインが妖しく虹色に輝きかなりキレイですから、ぜひ一度はアカヒレの繁殖にチャレンジして稚魚~幼魚期のアカヒレを実際にご覧いただければと思います。 繁殖方法は実に簡単!まぁ一言で言うならば、アカヒレだけを単独種飼育しなさいっ!って事です。アカヒレは卵を水草の茂みなどに産み付けるタイプなのですが、あまり親魚が自分たちの卵や稚魚を捕食する事がありません。したがって、アカヒレだけを状態よく飼育していると、ほぼ確実に稚魚たちがいつの間にかピロピロ泳ぎ回っているって言う事になる筈です。 ただ、「もう少しブリーダーっぽく繁殖させてみたい!」って言うのであれば、繁殖専用の小型水槽を用意しましょう。水槽内には塩素中和した水道水を満たし、中には水草(ウィローモス辺りがお勧め)かアクリル製の毛糸を一塊ぶちこんでおきます。そこに成熟したアカヒレをオス2、メス1尾収容します。ちなみに、アカヒレのメスはオスに比べて体色が淡く地味ですし、ヒレ先がオスのように金色にくっきりと縁取られていませんから判別できると思います。・・・って言うか、成熟したメスならば腹部は卵でパンパンになっている筈ですから、間違えようもありませんけどね。 ペアは繁殖水槽の環境に慣れてくると産卵行動を開始します。初めのうちは2尾のオスがメスにじゃれ付くようにしていますが、そのうち揃って水草や毛糸の茂みに突入し、産卵・受精を繰り返します。アカヒレは一時に繁殖行動を終えてしまうのではなく、数日間だらだらと行うタイプなので、初めの繁殖行動を確認してから2,3日はそのまま放置した方がいいかもしれません。その後、ペアを水槽から取り出して起きます。繁殖水槽の水底に底砂利を敷いていない場合、水底に物にうまく付着しなかった透明なアカヒレの卵が見つかるかもしれません。 水温にもよりますが、大体2日弱でアカヒレは孵化を開始します。孵化直後の稚魚はヨークサックと呼ばれる、いわばお弁当の様な物を腹部に持参しておりますので、当面餌は不要です。孵化後数日が経過し、自由遊泳を開始するようになった時点で、初めて稚魚達は外部の餌を探し始めます。アカヒレの稚魚はサイズが小さく初めから孵化したてのブラインシュリンプを食べる事が出来ません。ただ、その頃になれば繁殖用水槽内にも多数の微生物が発生しているでしょうから、稚魚たちがそれらを捕食して勝手に成長してくれるのを待ちましょう(笑)。なお、大量に繁殖させたいのであればゾウリムシなどのインフゾリアを自家培養し(これが臭いんだ)与える必要があります。 水槽内の微生物に頼る放任主義?だと、一度の繁殖で得られる稚魚の数は10尾程度ではないかと思われます。稚魚たちが明らかに肉眼で認められ水槽内部をピロピロ泳ぎ回るようになった時点で、稚魚様のパウダーフードを極少量ずつ与えるようにすれば、その後の成長も確実です。だいたい生後1、2ヶ月もすればアカヒレの幼魚たちは、噂の妖艶な輝きを披露してくれるようになります。このサイズのアカヒレは市場に出回る事はない為、この姿を拝見できるのはブリーダーの特権と言えるでしょう。思い切り優越感に浸ってください(笑) それと、本文とはまったく関係のない事ですが本日より海外出張に出てしまう為、出張中ブログの更新が出来るかどうかは定かではございません。可能であれば、今回の行き先である極寒のドイツより現地レポートでもお伝えできればと思っておりますが、あまり期待しないでください(苦笑)。何しろ語学能力の低い奴が無理やり外国語使って仕事するもんですから、仕事が終わるとドッと疲れが出ちゃって。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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