テーマ:ベタが大好き!(585)
カテゴリ:ここから始まるベタのお話
改良ベタのヒレの形状による区分 それでは、まず改良ベタのヒレの形状で分類した品種解説をはじめたいと思います。前で説明したように、「改良ベタはすべて同一種」なだけに、それぞれの品種の間に明確な境界線がある訳ではありません。例えば、今日の画像の個体はハーフムーンのオペックホワイトにショークラウンのメスを交配したF1です。以前、なかなか良質のホワイトのショークラウンが入手できなかったので、ならば自家生産!とばかりにチャレンジした時のものです。あっ、ちなみにこの試みはF2迄で敢え無く挫折いたしました(笑) この画像をご覧いただけるとお判りのように、ハーフムーンとしてはヒレ先がギザギザだし、ショークラウンとしてはヒレの切れ込みが不十分と言う中途半端な個体になっています。中学の生物の時間で「メンデルの優性の法則」って奴を習ったと思いますが、それによると「1組の対立する形質を持った両親から生まれた子供は、両親どちらかの形質のみが現れる」となっています。この時に、次世代に出現する形質を「優性」、外見上は出現しない形質の方を「劣性」と呼ぶ奴です。でも、実際には「優性の法則」に従わないケースなんてざらです。最近では、メンデルが「優性の法則」を発見出来たのは、研究材料にエンドウ豆を選ぶと言う幸運があったからとされています。 良く知られた所では、「オシロイバナの赤花と白花で交配すると、次世代はピンク色の花になる」と言う奴があります。このようなケースを不完全優性とか中間雑種と呼びます。同じように、ノーマルフィン(ヒレがギザギザしていないタイプ)とクラウンテールもこの不完全優性なのだと思われ、両者の交配ではどっちつかずの子供が生まれてくると言う訳です。メンデルだって、実験材料にオシロイバナ選んでたら、「優性の法則」導き出すのは並大抵の事じゃなかった・・・と言うか、科学的調査方法のなかった次代だった訳ですから、発見不可能だった気がします。 今日の個体に、ノーマルフィンの片親を交配すれば、孫世代ではギザギザがより小さくなりますし、クラウンの片親を用いればより切れ込みが深くなると言う訳です。例えば、3世代位片親にノーマルフィンを用いて累代繁殖させると、生まれてくる子供は「見た目はほぼノーマルフィンだが、ヒレの縁が僅かにギザ付いている個体」になります。このレベルになると、その個体をノーマルにすべきかクラウンに区分すべきかもう判断のしようがありません。 また、前述の様に、品種改良の過程で品種間交配は頻繁に行われていますから、目の前の品種が本当のところどんな品種なのかは、残念ながら調べようがないのです。まぁ、あんまり生真面目に考えずに「見た目がすべて」と言う事で、済ましてしまいましょう(笑)。どうしても気になるならば、その個体を研究施設に持ち込み、無理をお願いして&物凄い莫大な費用を払ってDNA鑑定してもらうしかないでしょうねぇ。もちろん、その個体は死んでしまいますけど。仕方がありませんから見た目がハーフムーンならば、過去にプラカットの血が導入されていようが、クラウンがかかっていようが、マイペンライッ! それでは、次回から「ヒレの形状による品種」解説各論に入って行きたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/07/19 12:48:32 PM
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