テーマ:ベタが大好き!(585)
カテゴリ:ここから始まるベタのお話
数あるソリッド系(=単色)品種の中で、一番難しいのがソリッド・ブラックなのは間違いのないところです。と言うのも、ソリッド・ブラックには遺伝的に致命的な問題があるからです。ブラック同士のペアリングは劣性致死遺伝により、繁殖不可能なのです。ブラック同士のペアリングでは、産卵までは行っても、その後卵がまったく孵化しなかったり、極少数が孵化してもその後稚魚が生存できない為、実質的に繁殖不可能になっています。 以前、「ブラック同士で繁殖可能な系統」と言う触れ込みの個体を、えらく高い値段で購入し自分で繁殖させてみましたが、稚魚の孵化率がややアップしたものの、孵化後10日位ですべての稚魚が死滅し結局の所、やはり繁殖不可能でした。 そんな訳で、ブラックの繁殖ではメスに別のソリッド系メスを使うしかなくなってしまいます。その為、生まれてくる次世代は絶えず「ブラック×他の色」と言う事ですから、当然ながら子供達は完全なブラックではなく、体のどこかにほぼ確実にメス親の色彩が出てきてしまうのです。 その為、「ソリッド・ブラックの品種としての完成は永久に不可能」と言われています。また、体の一部にブラック以外の色彩があるのにソリッド系を名乗るのはいかがなものか、という事から通常はソリッド・ブラックではなく「メラノブラック」と言う品種名で扱われる事が多い様です。まぁ、「メラノ=黒色」ですから、この品種名だと「クロクロ」って言う意味になってしまい、言葉としてはチョット変ですけどね。 一般的には、繁殖の際のメス親に「スチールブルー」を用いる事が多く、その場合次世代の子供達は特に背中部分にシルバー~スチールブルーの色彩が出現するのが普通です。かつてはその様な個体を、マウンテンゴリラの老成したオス個体にちなんで「シルバーバック」と呼ぶ事もありました。 現在、メラノブラックは決して入手困難な品種ではなく、結構ポピュラーです。ただ「純粋な意味でのソリッド・ブラック」となると、それはもう幻レベルと言う事になりますから、入手は不可能と考えた方が無難です。今後、「ブラック同士の交配が可能」な系統が出現しない限り、この状況は変わらないでしょう。また、最近巷に再度「ブラック同士で繁殖可能」な系統が出回る事がありますが、私自身はその系統を繁殖させた事が無いので実際の所は今の所よく判りません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/07/06 01:32:41 PM
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