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カテゴリ:トルコと日本と世界の出来事
【10月29日・木曜日】 アンカラも晴天に恵まれたようで、朝9時頃から1923年10月29日の独立記念日(トルコ共和国創立記念日)から満92年の記念式典が賑々しく開催された。 会場ではドローンが大活躍しているが、私にも今日は強い味方があるのでばっちり写すぞ、とテレビ画面の前に陣取り、待っていた。 トルコに来て以来21回目の祝典を見るわけだが、もちろんこの式典を毎回見ることが出来たわけでもない。 今年は3日後の11月1日(日)に2度目のやり直し総選挙を控えており、アンカラ駅前のテロによる大惨事のあった直後だけに、どんな風に執り行われるのか心配されたが、予定通り行われるようである。 アタテュルク文化センターの広いグランドに設けられた特設舞台やVIP招待客のすわる貴賓席の中央にはエルドアン大統領夫妻、その向かって右隣りダヴットオール首相夫妻、野党第一党(CHP)党首クルチダルオール氏、大統領の左隣ユルマズ・トルコ大国民議会議長ほか、軍服の胸一杯に勲章をつけた将軍や提督達が綺羅星のごとく並んでいる。 VIP貴賓席、大統領夫妻を中にそうそうたる顔触れです。 舞台の中央には国立管弦楽団のオーケストラが大統領の到着を待つ。やがてオープンカーに立って、エルドアン大統領が貴賓席に到着し、開会の式辞を述べた。次にオーケストラがモーツアルトの「トルコ行進曲」を熱く激しく演奏し、貴賓席からも一般観客席から大喝采を受けた。 エルドアン大統領の開会式の式辞 モーツアルトのトルコ行進曲他を演奏するトルコ国立管弦楽団 そのあと、舞台前の数百メートルのメイン・ロードを、国旗や軍事装備のパレードが行われたが、日本のご近所の「北朝鮮」とか「中華人民共和国」のような物々しさはなく、ディズニーランドのお祭りのようなコンセプトでパレードは進み、私は時間が経つのも忘れてテレビに見とれていた。 トルコの旗を誇らしげに振りながら、若者達のパレード THY(トルコ航空)の山車(だし)は、飛行機まで載せています。 放送時に楯横何メートルとか言っていた筈ですが、それを聴き逃しました。 やがて出しものの最後に近づいたのか、巨大なギネスブックに登録してもいいようなトルコの大国旗が、しずしずと大勢の手に捧げられて長いメイン・ロードを進んで来た。 そして私の大、大、大好きのメフテル軍楽隊もついに登場することになった。共和国創立記念日92年目にして、初出場だそうだ。 メフテル軍楽隊はオスマン帝国時代の遺物だ、主権在民の共和国創立記念日のお祝いに何の関係がある、ということなのか、今までお呼びでなかった、と言うことにちょっと驚いたが、私流に解釈すれば、トルコ共和国も、オスマン帝国が生まれ変わったものである。 そこに育まれた歴史を抹消することは出来ないし、世界に冠たる初の軍楽隊だと言うことを、むしろ誇りにしてもいいのではないか、と思うのだが、かと言って私が王政復古主義者と言うわけではない。 あれこれ言うより、本来のメフテル軍楽隊フルメンバーに、特別の臨時雇いの歩兵や衛兵が周辺に加わって大人数でのパレードは、おもちゃの兵隊のようでもあったが、それはそれで楽しく観賞し、演奏曲目も数曲と少ないのだが、この場でメフテル軍楽隊を見ることが出来たことが嬉しくて何の不満もなかった。 いつも現実のメフテル軍楽隊を軍事博物館で見ているので、その人々をテレビで観るというのも楽しいものだ。幾枚かの写真をご紹介したい。 いよいよメフテル軍楽隊の登場です。万雷の拍手の中、ムラット中佐が中央に立っています。 メフテル・バシュのデニズ少佐(緑の旗の隣の赤いコート)も定位置に来ました。 キョスゼン(大太鼓奏者)のイルハミさん。 総大将チョルバジュ・バシュのムラット中佐。 指揮を取るデニズ少佐(メフテル軍楽隊長) キョスゼンは休む暇なく太鼓を叩き続けます。 中央の半月形の円陣がメフテル軍楽隊の本隊、あとは臨時雇いの兵隊さん。 戦闘の前の祈り。ギュルバンクという祈りを捧げムハンメッドの名を唱え、突撃です。 戦闘の場面、打ち鳴らす太鼓の音は敵を恐怖に陥れます。 退場行進のメフテル軍楽隊を大統領が直立不動で見送ります。 最後にアクロバット飛行隊の演技があり、ちょっとの間テレビの前から離れていたので間にどんなことがあったのかわからないが、最後にこんな太っちょの戦闘機の飛行を見ることが出来た。 目にもとまらぬスピードで縦横無尽に飛びまわる戦闘機。 大統領が目で追いかけていますが、戦闘機の早さに追いつきません。 ダヴットオール首相(左)と野党CHPの党首クルチダルオール氏 大活躍した戦闘機がショウを終えたイルカみたいに笑いながら 後ずさりして去って行きます。(カメラワークですが・・・) いつもこの記念行事が平和裏に行われますように。そして私は8年後、ちょうど80歳になるが、タキシム広場の記念祝賀会に杖をつかずに参加して、フォークダンスを踊りたいので足腰を丈夫にしなければ、と改めて思った。 まあ、生きていればの話ですけど。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年11月07日 23時51分22秒
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